風の電話

   風電話
自是如清域
陽岡結界籬
只存風電話
猶在霊遊離
繋絆親朋信
昇天骨肉詞
花揺伝命報
傾聴鎮魂詩

  風の電話
これより清域の如し、
陽の岡   結界の籬。
只存す   風の電話、
猶在り   霊の遊離。
絆を繋がん    親朋の信、
天に昇る    骨肉の詞(ことば)。
花は揺れて   命報を伝え、
傾聴する    鎮魂の詩。

   訳
    風の電話
これよりは聖域、
日の当たる岡の結界の籬。
只風の電話があるだけ、
猶在るのは遊離する霊。
絆を繋ごうとする親朋の通信、
天に昇る  骨肉の詞(ことば)。
花は揺れて   命の報を伝え、
傾聴する  鎮魂の詩。

  震災から九年ぐらいで書いたものです。誰かが名付けたのか(風の電話)ここには電話線の繋がってない黒い電話があるだけです。ですが震災の犠牲者との絆を求めて人々が訪れると言います。

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