歯が抜けたけど

ちょっと前からぐらぐらしていた歯が、
朝抜けた。
朝のバタバタにかまけて、
抜けた歯をどうしたのか、
気にも留めないままだった。

学校から帰ってきて、
「朝抜けた歯どうしたー?」って。
ティッシュにくるんでテーブルに置いておいたとのこと。
運悪く、今日は燃えるゴミの日。
おそらく、無意識のままゴミ箱へ捨て、
その捨てられたものたちは一つの袋に入れられゴミ集積所へ。

この話をしたら「そっかー」とうなだれ、
しばし大人しくしていたけど
その後泣き出してしまった。

普通の物とかにでも、愛着を持ちすぎて、
なかなか捨てられない子だから
ましてや、ついちょっと前まで、
自分と同体だったものとの不意な別れは
とても悲しかったに違いない。

昔は、下の歯は屋根の上にぶん投げて、
そのままどこかへ行っちゃったんだよ、
って、慰めになるか分からないけど
そんな話をして。

しばらく泣いていたけど、
さすがはもう小学6年生。
自分で「うっしゃー」とか気合い入れて
復活していた。

嬉しいけど。
だんだん成長してるんだな、って。
優しすぎる気持ちが、
自分を辛くしてしまうことがないように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?