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Apple II ▷ キーボード改修記(8)

▷ キースイッチシェルの3Dプリント
キースイッチシェルもアウトソーシングしました.キーステムと同様にデータをアップロード,メーカーで出力後に配達されたものが写真1です.

写真1.キースイッチシェル

出力したのはあわせて56個です.Apple II のキーボードには52個のキースッチが配されているので十分な数量です.ためしにきっちりと詰めて並べてみました.隙間もできず精度よく出力されていることがわかり安心しました.
仔細にみると穴の若干精度がよくないものもあるようですが,素材にもよるのでしょうか.最終微調整は自分でするのがよいのかもしれません.こうした点は将来の工作のために蓄積が必要です.

写真2.キースイッチシェル

キーボード基板にも仮置きしてみました.キーボード上の位置決めも問題なく,基板背面からのネジ留めも問題なくできました(写真3).この時点になって気づいたのですが,シェルが基板上のジャンパ線と干渉する箇所がありました.そこは仕方ないのでシェルの一部を削ることで対応しました.工作はいつだって学ぶところがあるものです.

写真3.キーボード基盤にレイアウト

▷ すべての部品がそろった!
前回の記事でキースイッチを組み立てましたが,いまいちどすべての部品を確認してみましょう.一番うえにあるCherry MXスイッチを起点に右回り順にキーステムアダプタ,ベース基板,ハトメ(ベース基板用とキーボード基板用),その直下に固定用ネジ.ピンヘッダ,シェルです.
これですべての部品がそろいました.

写真4.すべての部品がそろった

話が前後して記事(7)でキースイッチの組み立てをしました.その完成品としシェルを写真5に示します.

写真5.キースイッチとシェル

両者をはめ込んだのが写真6です.この写真ではわかりにくいのですが,Cherry MXスイッチのラッチ(写真5の赤丸)とシェルのノッチ(写真の白丸)がしっかりとかみあって固定されました.よしよし.
また写真6ではベース基板がシェルの隙間から見えていますが,この隙間の上辺と基板が接するようになっており固定を強化しています.これもうまく機能しました.
シェルの底面に凸部がふたつありますが,これはキーボード基板に開けられた穴にはまり位置出しをします.ピンヘッダの近くにあいた穴はキーボード基板にネジ留めするためのものです.

写真6.キースイッチ全体像

かくしてキースイッチが完成しました.あとは必要な個数をひたすら工作するだけです.ところでApple II にはキーを押下する際に重いものがひとつあります.RESETキーです.これは慌ててまちがって押さないための工夫です.
オリジナルではキーステムを通してキースイッチとキートップのあいだにスプリングがかまされています.今回工作したキースイッチについても同じようにスプリングをかましたました.Cherry MXはコンパクトなスイッチなので上面に接する径をもち,かつキーステムアダプタの円盤の底面の径にピッタリとあう山形スプリングをジャンクボックスの中から探し出しました(実際は,ペンチで少々いじめています).写真7右側がRESET用のキースイッチです.

写真7.リセットキーにはバネを取り付ける

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