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Apple II ▷ 拡張カード基板の自作

▷ 拡張カード基板
Apple II のメインボード上は8つの拡張I/Oスロットがあります.筐体の蓋を取り外したApple IIの画像をみると,ついついそれが何のカードかと推測する楽しみは愛好家の楽しみであると思います.「購入したApple IIに正体不明のカードがある,これなに?」という投稿に対する一連のやりとり,謎解きは読んでいるだけでも楽しいものです.

上のリンクはポーランドのコレクタが運営するサイトです.多数のカードが羅列されており,正体不明のカードを特定する際にとても参考になります.リンクは拡張I/Oスロットの階層のみですが,サイト全体も閲覧するとため息がでてしまいます.

▷ ユニバーサルカード基板
さてApple IIの拡張I/Oスロットはユーザのだれもが自作できるように開放されています.自作できる!これだけでもガツン!です.
そうした自作派のためのユニバーサルカードが当時販売されていました.国内でも秋月電子が販売しており,通販購入したことがあります.このユニバーサルカードは,ワイヤラッピング専用にしていたので傷みもすくなく,今でも試作・実験用に現役です.
いまでもネットを漁るとユニバーサルカードは販売されています.写真1は2年ほど前に購入したカードです.

写真1.試作用拡張カード基板(www.glitchwrks.com)

▷ なければ作る,あっても工夫する
これは上のカードを購入する以前の話.さすがにカードを使い回すと劣化を促進することになります.カード化したい回路があって,ユニバーサルカードをどうしようかと思案していました.例のごとくジャンクボックスをのぞき込んで,この時のために備えていたのだと思える3種類の部品を取り出しました.
写真2左の一番上に写っているのは端子基板と呼ばれるものです.ピッチ幅は 2.54mmで両面に50ラインのパタンがあります.以下,L型ピンヘッダ,ユニバーサル基板で,これはお馴染みのものでしょう.

写真2.3種類の部品(左),端子基板(右)
写真3.試作用拡張カード基板の自作

▷ 試作用拡張カード基板の自作
これら3種類の部品が揃えばなんとなくできあがりを察することができるのではないでしょうか.
端子基板はそのままではApple II の拡張I/Oスロットには挿せないので4等分します(写真2右).これにL型ピンヘッダを写真3左のように差し込んではんだ付けを行い,写真3右のようにユニバーサル基盤にはんだ付けして完成です.このカードを利用した工作はいずれ紹介します.

▷ 注意!
ひとつ注意があります.4等分した端子カードは拡張I/Oスロットより短くなります.端子同士の接点がずれたままスロットにカードを挿してApple IIを起動すると取り返しのない悲劇を招くことになります.ぼくは位置確認をしたあと,ずれないように端材を差し込んで固定しています.

▷ 余談
Apple II のメインボード上に拡張I/Oスロットをいくつ設けるかについてはウォズとジョブズのあいだで相当な議論があったことは有名です.8つ必要と頑張ったウォズには感謝です.

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