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真・世界遺産検定マイスター:勉強のすゝめ-後編

1級🥉、リスタ🥈と続けてきたnoteの「世界遺産検定:勉強のすゝめ」シリーズも最終章となります。今回は「世界遺産検定マイスター」をイチから、いえ、ゼロから何をするのかを紹介していきます!

前編で問1.2、後編で問3について語ります🏰
前編はこちらからどうぞ!
(https://note.com/meijiuniversity/n/n8fb87c7e3218)


筆者:まっちゃけるん
世界遺産検定受検歴(直近)
2022.7   1級1発合格
🥉(143/200)
2022.12 マイスター不合格
2023.7   1級リスタ合格
🥈(186/200)
2023.12 マイスター合格
🥇

目次
1.マイスターの概要、1級との違い(前編)
2.問1:50字用語説明問題のコツ(前編)
3.問2:世界遺産条約400字記述の
   落とし穴と正攻法(前編)
4.問3:インプット(後編)
5.問3:アウトプット(後編)

🏰用意するもの🏯
インプット
①世界遺産検定準1級テキスト
②1級大事典
③世界遺産委員会審議資料
④参考図書(以下に載せます

アウトプット
⑤マイスター過去問
⑥SNSをやっている方は実際に論文を見てもらう場など

審議資料は文化庁のサイトからダウンロードできます!

4.問3:インプット

まずは、問3を解くための基礎体力をつけるために、「さまざまな分野で課題を抱える遺産」「それに対する世界各国・機関の対応」について学んでいきましょう!

準1級テキストが2023年12月に新しく発売されました。これは準1級受検者のみならず、マイスター受検者にも画期的な学習教材の登場といっても過言ではありません。 

準1級テキストの終盤が、マイスター問3で問われそうなテーマ(災害・紛争・開発・緊急登録など)となっており、学習の一助となります。

自分が2023.12にマイスターを受けた頃には準1級テキストはなかったので、「世界遺産大事典を読み直し、各遺産の説明部分で〇〇が課題となっている」という記述のある遺産をピックアップし、それぞれについて休日などを利用し、一気に調べ上げるということをしていました。

上巻、下巻、全て調べ尽くしました。具体的な対策案が調べても出てこない場合はすんなり諦めます。マイスターの論文に使えないので‥
ちなみに付箋が自分の意見です。考えが浅くてもいいのでとにかく頭をフル回転させます。「開発」テーマだったらこの遺産で攻めよう!というような切り札を各テーマ作ることができればなおよしですね📚
世界遺産委員会審議資料も役に立ちます。具体的な対策案も述べられており、目から鱗の大発見だらけでした。ワクワクしながら問3研究ノートに写していきます✍️

どんな本を読めばいいの?
マイスター初学の皆様が比較的読みやすい本1冊と、自分推しのマイナー本を1冊、紹介していきたいと思います♪ただ、自分自身マイスター対策として何周も読んだ本は少ないので、読書を多めにしたい!という方は他の方のサイトも参考になさるといいかと思います。

1.世界遺産で考える5つの現在(清水書院)

ある意味マイスター問3の公式テキストとも言えるでしょう。

2.世界遺産学への誘い(近江学術出版会)

隠れた名著だと思っています。滋賀大学の世界遺産学の講義を記録したもので、文化財の保護、湖沼の生態系保全、伝統の継承、地域住民との連携、コロナ下での対応、火災消失遺産の課題と対策、暫定リスト遺産の推薦と歴史、真実性の担保、無形文化遺産の創設など、非常に多彩なテーマで語られています。

マイスターの問題や時事ニュースを深く考えるきっかけをくれるような、そんな本になっています。気になる方は是非…!

平日→大事典流し読み、課題を抱える遺産のピックアップ
休日→各課題遺産の深掘り、読書

一応社会人2年目で仕事もしておりましたので、こんな感じのルーティンで本格的な問3対策は3ヶ月前から始めました😅

具体的な学習の流れです↓
①遺産の課題、原因を知る、本で知見を得る
②課題への対策案・対応を調べる
③現状を知る
④それを踏まえた自分の考え

です。例えば『紀伊山地の霊場と参詣道』を例に出すと、
①道の整備が民間で担いきれない
②公有化を図り公的資金の活用や人材の派遣をする
③高齢化が進み、資金調達が難しい
④「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」と道の文化的景観協定を結んで姉妹都市としており、これを活用し両地で定期的なイベントを行い注目を集める

「ちょっと待て!④なんか思いつくわけないだろ!😡」と思われるかもしれません。もちろんそうです。なので、初めは①〜③までの作業で構いません。①〜③を繰り返すうちにいろんな事例を知り、少しずつ④のネタを出せるようになってきます

とにかく大切なことは「長期的に、いろいろな事例を知るという経験をじっくり積むこと。

この遺産が抱えている課題、前にも似た遺産があったぞ‥?確かこういう対応ができていたから、もしかしたらこの遺産でも応用が効くかも‥?と考えられるようになったら、書き始めるまであと一歩のところまで来ています。

また、世界遺産に関する情報発信を見逃さない!時事テーマなど、幅広く知識を吸収していきましょう📝

世界遺産アカデミーのサイトで様々な時事ニュースが見られますよ…!

ここまでがインプットです。急がば回れ、このインプットの豊富さで、論文のレパートリーにも差が出てくるのではと思います。

本番は10〜15分でプロットを書けるといいですね。時事テーマ例題などでしっかり対策しておきましょう!

5.問3:アウトプット


プロットを作るとは?

短評を眺めていると、気になることが書いてあります。
「全体のプロットを作る必要がある。その時に、序論・本論・結論のスタイルにするのか、まず結論を 書いてから後で説明するスタイルにするのか決め…」

ぷ、ぷろっと?😇文章を書くのは壊滅的に苦手だから‥という方も、まずはどのようなものか見ていきましょう!

序論‥超シンプルに。出来事の確認、課題の整理、自分の賛成・反対などを簡潔に述べる

本論‥「主張+根拠+結果・効果」がセット

結論‥本論を踏まえて問題に対する答えを再整理。パッション的な一押しがあってもいいかも?(過去問短評より)

参考までにプロット例をどうぞ!
左から序論→本論→結論です。
例題「プレリミナリー・アセスメント導入による世界遺産の方向性変化」

これも14回の短評を読み尽くすところから始めました。マイスターの短評では、「これを書くのが良かった!」よりも「これを書いてしまったのがまずかった…」が多い気がします。

前編で、問1・2を通過した人の中で上位2/3の1200字論文に入れば合格可という話をしました。自分は第50回の受検で問3もダメでしたが、その後の短評を読んでいると、確かに景観問題のみに終始していたなと反省した思い出があります。これじゃあ上位2/3すら入らないなと。

他にもこんなNG要素がありました。
・ニュースをそのまま映したような表層的内容
・テーマに即した遺産しか出さない(オリジナリティがない)

まずは過去問を眺めながら、いきなり1200字を書き始めず、プロット作りの練習をしてみましょう。その際、本論プロット作りでで少しでも自分のオリジナリティが入れられればいいですね。

1200字を書く

あとは実際に1200字で書けるかの練習ですね。これに関しては、自分の実力だけではありません。実際にTwitter(現X)で募集が行われたマイスターゼミに参加し、そこで的確なアドバイスをいただき、少しずつ磨きをかけていきました。なので、ここで偉そうにこうこうして攻略したという立場で物事を語ることはできないのですが…

一つ言えるのは、書くのに苦手意識のある方は特に、合格者に見ていただくのがいいと思います。ただ、自分のお知り合いの方でも独学で攻略されている方もいるので、一概にどちらがいいとはいえません。

自分は正直なところ、1200字の論文は「短すぎる」と思っています。「あれを書いたということは裏付けであれも必要かな…」「今度はこっちの立場でもこんな遺産を例に書いたほうがいいかな…」そしてあっけなくオーバーに。無理やりまとめ込み、よくゼミで指摘されていました😅それに気付けたのはゼミのおかげですね✍️

本番は1200字論述も全て手書きです。下書き用紙も渡されますが、これに書き起こしていたらおそらくタイムオーバーになります

最初は時間無制限で、文字数もあまりこだわりすぎず書いて見るのがいいと思います。

書くときはドット罫線ノートがおすすめ📓
パッと文字数がわかります♪
50字・400字論述の際も重宝しました!


慣れてきたら大体プロット作りで10〜15分、実際に書くのが見直し含め75〜80分くらいでいけるといいですね✨

問3対策について、以下にまとめます!

プロット作り
①遺産の課題を書き出し、原因を知る、本で知見を得る、時事を追う
②課題への対策案・対応を調べる
③その対応の現状を知る(良い点・悪い点)
④それを踏まえで自分で対応策やメリット・デメリットを考えてみる
※①〜④をノートやパソコンにまとめておく
⑤本番は10〜15分くらいでまとめられたらグッド、そのための練習を時事テーマなどで積んでおく

1200字論述
①実際に合格者に見てもらう機会を作る(任意)
②序論が膨らみすぎていないか注意
③主張→根拠→結果・効果を書いているか
④見直し含め75〜80分くらい

昨年6泊8日でイタリアを訪れたことが、リスタ脳からマイスター思考へ切り替えるターニングポイントとなったのかもしれません。


お疲れさまでした。前編・後編を通して自分オリジナルのマイスター学習法について共有させていただきました。

第50回の失敗、第52回の検定客観視研究などが積み重なり、今回の合格につながった気がしています。正直マイスター問1・2はかなりの自信を持って挑むことができました。問3はやはり不安でしたが、力は出しきれました。

道のりは楽ではありません。マイスターは1級の上というよりかは、別の山です。1から登り直すイメージです。だからこそ、今まで学んできた遺産を別ベクトルから眺め、より実践的な世界遺産学習となることを心から願っております。

学習の一助となれば幸いです。
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