鎧と呪い

私は舐められやすい。
小〜高校生、ずっといじられたり嫌がらせを受けた。
いじめは自分の性格や見た目のせいだと思い込んでた。

「私は強くならなきゃいけない」
そう決めたのは中学の頃だ。
胸の辺りまであった髪をベリーショートに切ってもらった。「私は女を捨てるんだ。もうこんな辛い思いはやめるんだ」

言葉遣いもわざと荒っぽくした。
私は女を捨てて鎧を纏った。

私は一重だがそれがすごくコンプレックスだった。高3になってからこの世は顔が全てだと私は知る出来事があった。SNSだ。
容姿を罵り合っているこの場(この世)では顔が良くないと生きられない。
また、中高生では恋人ができる。私は声をかけられることはなかった。あったとしてもからかいだった。
私は醜い。目は一重だし、鼻は低いし、口ゴボだ。おまけに歯並びも悪い。
呪いだ。

なんとかなる方法はないのか
探しに探し回ったたどり着いた方法は「メイク」である。おこづかいを少しずつ貯めてプチプラコスメを買ってLIPSというアプリ必死で漁ってメイクを研究した。
4年経ってようやくパーソナルカラーもわかり、メイクが一通りできるようになった。
ただ、メイクをするとき(特に友達に会うとき)はカラコンが欠かせなくなった。

ある日、友達が私に今まで思ってたことを伝えたいと言ったので集まった。
そこで彼女はこう言った。「私、カラコン怖いんや。人じゃないみたいで。あと、私、あなたのこと目つき悪いなんて思ったことないからね。」
「髪は正直、切らないで欲しかった。(部活やめてから伸ばしていた)長い髪のあなたの優しい雰囲気が私は好きだったのに」

鎧は音を立ててひび割れ、呪いは柔らかく解けていった。

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