2021/03/11; 「僕の場所はどこなんだ」

昔から、あるコミュニティに属していても、それが自分の居場所みたいに思うことはほとんどない。

学校のクラスや部活、今いる会社もそうだ。
自分がそのコミュニティに属しているという事実は認識できるのだが、仲良くもない知人の家に行ったときみたいな居心地の悪さを常に感じている。誤解を恐れず言うのなら、自分はここでは場違いなのだ、という強迫観念が俺の心を陣取っているのだ。1人でいる方がよっぽど気楽である。

だからなのか分からんけど、自分のいるコミュニティのことを「ウチ」と言うのに途轍もない違和感を感じる。自分は一時的にそのコミュニティに身を置いている厄介者にすぎないのに、さも自分が代表者であるかのように話すのはどうも具合が悪い。
かといって、他に表現もないから結局ウチと言うのだけど。

時々、自分の属するコミュニティのことを躊躇いなく「ウチ」と称する強心臓に出会う。出会う度、単純にすげー、と思う。
あの自信はどこからやってくるのだろうか。「偉そうにしやがって」と思われないか不安になったりしないんだろうか。

こういう内省的な思考が俺自身を生きにくくしているんだろうなと思う。できることなら俺も躊躇いなく「ウチ」と言いたかった。

けどこれはもう、変えることができない、俺という人間の性なのだ。
こういう恒久的な欠落を、変えるため苦しむのでなく、愛するため柔軟になりたい。そう思った夜なのだった。

脳みそに住むラジオDJが、BUMP OF CHICKENの「バイバイサンキュー」をそっとかける。「僕の場所はどこなんだ」と、藤原基央の心地よいがなり声が響き出した。

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