2021/08/03; 月さえも眠る夜

The Boomの「月さえも眠る夜」という歌がある。The Boomといえば「風になりたい」や「島唄」が有名だが、ふざけているようで真剣な、また神聖なようで親しみやすい、独特な雰囲気が魅力的なバンドである。この「月さえも眠る夜」は、遥か遠くの星が目の前で瞬いているような、気づけば見惚れて動けなくなってしまう、そんな楽曲である。

この歌の中でも、僕が好きなのは次の歌詞だ。

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何もかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜に

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富も地位も名前も、過去さえも捨てて、今のあなただけを連れておいで、と。一片の条件もない愛を、シンプルなコードに乗せて歌う。その力強さ、神々しさ。歌という枠に収まらない意思が、暗闇の中瞬く光となり、僕の目と耳を通過していく。

そしてこの歌が終わる度、僕は雷に打たれたような顔で、こんな風に人を愛したい、と思うのだ。恋人でも、家族でも、友達でも、そのままのあなたを愛したい。あなたが何もかも失ったとしても、変わらずに。

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