2020/10/14; 「スロウハイツの神様」読みました

「スロウハイツの神様」という本を読んだ。今日はその感想を書こうと思う。ネタバレが嫌な人は読まないでほしい。せっかくなのでリンクを貼っておく。

この本は、高校生の頃に友達から勧められて読んだが、途中でやめてしまった本である。挫折していたのだが、会社の同期がまたこの本を勧めてくれた。同じ本を2度も勧められるなんて、これも何かの運命かなと思い、会社の同期に借りて読むことにしたのだった。

結論から言おう。かなり良かった。最終章で次々と伏線が回収されていくところは、読んでいて気持ち良くて、終始「そうだったのか...!」と感想を漏らしていた。

最近、愛だの恋だのというストーリーがものすごく軽々しく見えて避けていたのだが、この本はそんな軽い愛じゃない。愛という感情に至るまでが緻密に書かれているから、納得できるし重みがあって、すんなりと感情移入できた。最終章でコーキの愛が語られるシーンは、それまでに蓄積してきた感情があったから、あんなに心が動かされたのだろう。こんなに心から「やるせない...」とか「良かった...!!」とか思えた本は、滅多にない。
何せ上下合わせて800ページくらいあって、そのほとんどで登場人物の人間性を語っているのだから。これほど登場人物のことを詳しく知ることができる物語はない。

非常にいい本だったのだが、とても読むのが大変な本でもあった。前述の通り、人物の描写が非常に多いため、物語が動き始めるまでが非常に長い。いつ起承転結の「承」がはじまるんだろう?と思いながら読んでいると、上巻が終わった。下巻を半ばまで読んだところでようやく動きが見えてきた。根気のいる本だった...。
そうだ。高校生の頃の俺は、この物語が動くまでの長さに耐えきれず、読むのをやめてしまったのだった。実をいうと、今回も途中までは退屈だなぁと思いながらも、今回は何としても終わりまで読むぞと言い聞かせて読み進めていた。
しかし最後まで読んだらこの通り、いい本だったと述べている。本は最後まで読んでナンボだなぁと痛感する形となった。

今後この本を読む人は、最後まで読むんだというそれなりの覚悟をして望んでほしい。最後まで読むと、きっと読んで良かったと思えるだろう。逆にいえば、登場人物について知ることが好きな人には、めちゃめちゃお勧めである。初めから終わりまで、全部楽しめると思う。というか、この本はそういう人のために書かれたものなんだと思う。少しでも興味を持った人がいたら、是非1度手にとってみてほしい。そして「最後まで」読んでみてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?