2020/03/28; 愛知県民になりました

こんばんは。私の就職先は愛知県にある会社なので、愛知県内に引っ越してきました。これからは会社の寮に住むことになります。しかし、前途多難です。
寮での生活は、今まで仙台で1人暮らししていた条件と比べると、どうしても良くないんですよね。トイレやお風呂は共用だし、終電で帰らなきゃならないし、スーパーが近くにないし、申請の類いが面倒だし。今後どんな生活になるのか…。不安ですね。

さて、本日の話題は引っ越してきたことではありません。まだ仙台にいたときの話です。

私は先日、無事に学位記を受けとることができました。晴れて大学卒業です。その学位記を受け取った日、後輩のYさんとスーパー銭湯に行きました。いつものようにYさんの車で銭湯へ行き、帰ろうとしたとき、Yさんは言いました。

「ちょっと遠回りして帰っていいですか?」

断る理由もないのでいっこうに構いません。しばらく車に揺られていると、Yさんは遠回りの目的を話し始めました。

「この先に、復興道路っていう道があるんですよね。震災の影響で更地になってしまった場所に、南北に1本、長い道路が通ってるんです」

何の話か読めない私を尻目に、Yさんは続けます。

「そこから見える景色が、すごい好きなんです。ぜひ見てほしいと思いまして。」

えっ、と思い西の方角を見ると、街頭のない真っ暗な空間の向こう側に、仙台の夜景が広がっていました。建物の影は全く見えず、光だけがぼんやりと揺れています。私が6年間過ごした仙台の灯りは、広い空の下、まるで地平線のようでした。

私は、その新鮮さにあっけにとられて何も言えませんでした。ただ、しばらく眺めていると「私は今嬉しいんだな」と自分の気持ちが分かってきました。

Yさんとは一緒にイベントを企画したり、銭湯に行ったりして仲を深めてきました。しかし正直、最後に何か特別なことをするなんて思ってもいませんでした。Yさんはそういうキャラじゃないし、また会えるから悲しくもないよな……そんな気持ちだったんです。この景色を目にするまでは。

そんなYさんが、最後にこんなロマンチックな景色を見せてくれるとは…!こんなことある??
そういう驚きがやがて嬉しさとなって、私の心を満たしていったようです。

どういうわけか、その後合流した私の同期2人を連れて、もう1度同じ景色を見に行きました。車から降りると、本当に真っ暗で何も見えません。遠い仙台の光と、もっと遠い星の光を眺めながら、私の大学生活最後の日は終わっていきました。

最後に忘れられない思い出をくれたYさん、ありがとう!!!

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