2020/07/25; 宇宙の果て

先日のことだが、『宇宙の「果て」になにがあるのか』(講談社ブルーバックス) という本を読み終わった。宇宙の研究がどこまで進んだかを平易に解説してくれる、とても興味深い内容だった。
星を眺めて神話を楽しんでいた時代から数千年、地球、太陽系、銀河...と観測が広がっていったことを考えると、人間の好奇心に不可能はないと思わざるを得ない。何でも人間は、133億年前に生じた銀河の観測に成功しているらしい。宇宙が生まれたのが138億年前なので、宇宙が生まれてから今までの内、実に96%まで遡ることができている。人間の好奇心に不可能はない、君もそう思うだろう。

この本を読んでいて何より驚いたのは、「重力とは時空の歪みである」という事実である。え、重力って地球から受ける力じゃないの?それが歪みってどういうこと?とにかく訳が分からない。訳は分からないが、一般相対論ではこれを前提とすることで、ニュートン力学で説明できなかった事象をたやすく説明してくれるという。
私たちが当たり前のように使っているGPSシステムも、相対論的な効果を考慮されているというから驚きだ。相対論って、もうかなりニッチな状況でしか適用できない、めちゃめちゃ特殊な理論だと思っていた。しかしそれは全くの間違いで、むしろ色んな技術の基盤となる、幅広く応用され得るものだった。
観測が発達した現代においても、未だ相対論と矛盾する観測事実は1つも見つかっていないらしい。アインシュタインってすごい人なんだな...。

宇宙において遠くを見ることは、すなわち過去を見ることである。遠くにある光ほど地球に届くのは時間がかかるからである。宇宙の果てに迫るこの本を読んで、時間というものに興味を持つのは必然で、なぜ時間は進むだけで戻ったりしないのかと疑問を持つようになった。
私たちが普段口にする時間は、お金と同じで、言わば人間が作り出した概念に過ぎない。しかし人間が生まれる遥か昔から存在し、宇宙の発展とともに歩みを進めてきたのも「時間」である。4次元の世界の中で、明らかに時間という変数だけが異質なのである。

次は時間をテーマにした本を読んでみようと思う。幸いなことにブルーバックスにそのようなテーマの本はたくさんある。ブルーバックス、本当に面白いのでオススメです。

(最後に、ブルーバックスの宇宙論特集ページのリンクを貼っておきます。宇宙の話題は、夢やロマンがあってすごい惹きつけられます。)
https://gendai.ismedia.jp/list/tag/宇宙論 

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