2020/06/04; ヒトカラ日記!

仕事帰り、カラオケに行った。いわゆるヒトカラである。

カラオケに、何ヶ月ぶりだろうか。仙台にいた頃は毎週のように行っていたのだが、コロナウイルスの影響もあってしばらく来ていない。受付を済ませ、エレベーターに乗る。部屋が近づくとともに、内々から高揚感が湧き上がってくる。
1曲目、もちろんBUMP OF CHICKENのメーデーである。さぁ、やってやるぞ。

それは、突然姿を消した。ちょうど、アニメでよくある物陰に隠れた拍子に「あれ?いない」となる不思議な女の子のように、見えなくなった。それとは、いうまでもない、自分の声である。

「深い心の底まで〜」あれ、今俺の声どこいった?「僕らは近づける〜」あれ?気持ち的には声出てるのに、声はカスカスじゃん。
あんなに練習してようやく出せるようになったのに、出なくなってた。火薬を詰め忘れたピストルのように、かすれた裏声が出るだけである。力のない声はマイクまで届かず、煙みたいに虚空を漂った。煙たくなって、僕の目はぽつぽつと涙を落とした。

また週1で練習しよう...。そう誓って、帰路についた。

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