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蟻月のもつ鍋

もつとは不思議な食べ物だ。

ぶにゅっとして噛み切れない独特な食感に、「内臓」というグロテスクな部位。一見とても美味しそうにはみえない。

確実に子ども受けの悪い食べ物。私も昔は嫌いだった。味が嫌いだったのか、噛み切れなくて顎が疲れるのか嫌いだったのか、はたまた「内臓」という知識が邪魔をしたのかその詳細は覚えていない。

ただ、とにかく嫌いな食べ物だった。

それなのに、いつの頃からかもつのことが好きで好きで堪らなくなってきた。急激にと言うわけでもなく、本当にじわじわと、「私はこの食べ物のことが好きだ」と感じるようになってきた。

恐らくきっかけはつるとんたんの「牛もつのおうどん」なんだと思う。大学生の頃かなりハマっていて通いつめていた。

しかし、私ともつをかなり親密な関係にしたのは他でもない「蟻月のもつ鍋」だ。

私が初めて蟻月に行ったのも最近なので、まだそんなにコアなファンと言うわけではない。

ただ、この「もつ鍋」を食べて、私の中での「もつ」の存在価値が上がったのは間違いない。好きな食べ物は?と聞かれた時の3番手くらいには急浮上している。

この「もつ鍋」は蟻月の看板メニュー「白のもつ鍋」。一口スープをすするとまずは強烈なニンニクの風味と旨味に驚く。そして、その後にじわっと広がる味噌のコクと甘み。こってり濃厚なスープのパンチの強さは凄まじく、ふたくち、みくち…とどんどん食べ進めてしまう。

スープをメインにご飯が食べられそうなくらいのインパクトと満足感がある。

味はかなり濃いが、ぷるっぷるのもつに絡めると堪らなく美味しい。この店のもつは変な臭みもないし、脂身が甘く、味噌の旨味にしっかりと溶けてゆくのだ。

しかしニンニクの量はかなり多めなので、翌日仕事な人は注意が必要。そんな私は次の日が仕事なのに食べてしまい正直かなり焦った。しかし、一口食べるとその焦りさえも忘れてしまう。

「仕事?そんなの関係ねえ!」の心境。

ニンニクはやっぱり美味しいのだ。ニンニクのないもつ鍋などお肉の入っていないミートスパゲティのようなものなのだ。

シメのオススメはなんといってもラーメン。雑炊派の人もいると思うが、確実にラーメンが美味しい。麺は固めの細麺。どんなに煮詰めてもぶにゅぶにゅにならないのがすごい。一定の固さを保ち続けているので最後まで美味しく頂ける。

まだ食べたことのない人には是非食べて欲しい一品。

蟻月の「もつ鍋」

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しかし、次の日仕事な人は本当に気をつけた方が良いです!私はこのもつ鍋を完食後すぐにりんごジュースを飲みブレスケアを飲み、次の日の朝もりんごジュースを飲みブレスケアを飲み…とかなり厳重体制。それでも若干残るニンニク臭 笑

何も気にせずニンニク食べたい。

#エッセイ #食エッセイ #食レポ #蟻月

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