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レガシーにおけるホガークヴァイン

はじめに

初めまして。普段Magic Online上でmei0024という名前で主にレガシー(たまにパウパー)をプレイしています。

今回、自分の使っているデッキについてのプレイガイドやデッキリストについて一度まとめて記事を書いてみたいと思い、noteにてレガシーにおけるホガークヴァインの記事を書くことにしました。(最近は他にも色々なデッキを握るようになりましたが)

このような記事を書くのは初めてなので、文章や構図が分かりづらいもの、もしかすると誤字もあるかとは思いますが、読んでいただけたら幸いです。

ホガークヴァインについての説明は全て無料部分に記載されています。
有料部分では自分がよく当たったいくつかのアーキタイプとのプレイガイドを記載しています。
もし無料部分を読んで興味を持たれた方は是非有料部分の購入も検討していただけると幸いです。(無料部分と比べると量は少ないですが)




ホガークヴァインと聞くと、モダンホライゾン実装直後にモダンで暴れ、レガシーでその後アーキタイプとしては確立されてはいるものの、あまり情報の無いデッキというイメージがあるかと思います。

しかし実際には、このデッキはちゃんとレガシーの中で勝てるデッキだと私は信じています。

《レンと六番/Wrenn and Six》と《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》が環境で猛威を振るっている中で(《レンと六番》が禁止されるまでの期間)、私はスゥルタイホガークとジャンドホガークを一貫して使い続けていた時期は、計27リーグで100勝35敗(勝率約74%)と高い勝率を出し、スゥルタイホガークでレガシープレイオフに1度参加して5-3、ジャンドホガークでレガシーチャレンジに1度参加して5-2と、自分としてはかなり満足いく結果を出すことができました。



ホガークヴァインのデッキコンセプト

ホガークヴァインにおける主な勝ち手段は4つです

①《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》の早期着地

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クリーチャー2体以上+墓地5枚以下=合計7枚がホガークを早期に着地させる際の基本です。

②《復讐蔦/Vengevine》と小粒のクリーチャーによるビートダウン

復讐蔦

小粒のクリーチャーを2体唱え(たまに1,2体目がホガークな事もあります)、《復讐蔦》と小粒のクリーチャーで殴ります。《復讐蔦》自身が4/3速攻と優秀なスタッツですし、復讐蔦が2体以上出た場合のクロックは《甦る死滅都市、ホガーク》をも上回ります。

③《黄泉からの橋/Bridge from Below》+《屍肉喰らい/Carrion Feeder》,《狂気の祭壇/Altar of Dementia》,《陰謀団式療法/Cabal Therapy》によるゾンビトークン

黄泉は市

《黄泉からの橋/Bridge from Below》が墓地にある時にサクり台を用いてトークンを増やします。《墓所這い/Gravecrawler》があると効率よくトークンを出すことができます。サイド後の《外科的摘出/Surgical Extraction》でホガークや復讐蔦を抜かれた後や《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》を置かれた後によく使う方法です。

ぼしょはい

《狂気の祭壇/Altar of Dementia》によるライブラリーアウト

祭壇

モダンホライゾン実装後話題になりました。コンボデッキ相手に速度勝負をしかけたり、盤面を無視して勝利したりと一番強力とも言える勝ち手段かもしれません。

以上の①~③を組み合わせたビートダウン、もしくは④のライブラリーアウトが主な勝ち手段です。

デッキリストについて(メインボード)

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じゃんがーく

スゥルタイホガークはこのリストでメインは固定されています。
ジャンドホガークは基本的に《屍肉喰らい》 と《墓所這い》 が1枚ずつ増えて2枚程自由枠ができます(画像で言うと《朽ちゆくインプ》と《思考囲い》 の部分です)

土地基盤について

土地

3枚の《Bayou》+3枚の《Underground Sea》 or 《Badlands》+2枚の《沼》が色が出る土地の基本です。《Underground Sea》と《Badlands》は基本的に1枚場に出ていれば十分ですが、各種ルーティングで捨てることや《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》,《面晶体のカニ/Hedron Crab》で墓地に落ちる、《不毛の大地/Wasteland》で割られることなどを考えて、過剰に思われるかもしれませんが3枚あると安心できます(もし組みたい方がいらっしゃれば3枚目のデュアルランドを沼やフェッチランドで代用する選択をしたとしても全く問題は無いと思えるほどですが)ですが3枚の《Bayou》はこのデッキにおいて妥協できない点だと考えています。

《Bayou》の役割は主にサイドボードの《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》や《恭しき沈黙/Reverent Silence》のために採用されているのですが、このデッキはそこそこの頻度で《復讐蔦》をキャストする事があります。

ここでの問題は《復讐蔦》をキャストするためには緑マナを2つ要求されるということです。《復讐蔦》をキャストすることがあるのは基本的にはゲームの終盤であって、何も考えず序盤ゲームを進め土地をサーチすると、気がつけば2枚目以降の《Bayou》はすでに墓地に、なんてこともあります。
私はこれで5-0を一度逃しました

(《復讐蔦》をキャストすることは何もおかしなことではなく、ゲーム展開を左右する動きにもなりえます。土地を攻めてこないと分かっている相手に対しては積極的に《Bayou》を2枚揃えることを意識しましょう)


次はフェッチランドについてです。このデッキのフェッチランドの数は11枚と多めで、フェッチランドにも重要な役割があります。《面晶体のカニ》,《恐血鬼/Bloodghast》の上陸を誘発させることと、《甦る死滅都市、ホガーク》のための探査コストを賄うことです。
ここで覚えておいて欲しいことは、手なりでデュアルランドや沼を置くことが致命的なミスにもなり得るということです。

例えば2枚の《汚染された三角州》,《沼》,《甦る死滅都市、ホガーク》,《縫い師への供給者》,《墓所這い》といった6枚の手札があるとしましょう。
ここで1ターン目に《沼》から《縫い師への供給者》を唱え、3枚のカードが墓地にいきました。次のターン《汚染された三角州》を切って《墓所這い》を唱えました。この時点での墓地の枚数は4枚です。もし1ターン目から《汚染された三角州》を使っていたならば、本来は《甦る死滅都市、ホガーク》を唱えることができたターンだったのです。これらがフェッチランドがこのデッキにおいて重要になる理由です。どうせ時間切れまでゲームをすることは無いデッキなのですからマリガンから時間を使って考えましょう。

あとフェッチランドは黒さえ絡んでいれば何でも大丈夫です。適当に安いフェッチランドを入れてもいいですし、余裕があるなら散らした方がいいでしょう。

クリーチャーについて

まずはスゥルタイホガークとジャンドホガークの共通する部分について話していきます。

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《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》4枚

絶対に4枚入るカードです。サイド後減らすマッチもリアニメイトくらいしかいません。トランプルを持っていることもこのカードが強力である理由の一つです。

ホガーク周りについて色々

・唱える際に《復讐蔦》を寝かせて色マナを払うことができる。(《活性の力/Force of Vigor》でコストにできるということでもあります)
・墓地にいるとき自分自身を追放しコストにしながら唱えることはできない
・3体目以降のクリーチャーを寝かせて墓地にあるカードを残すこともある
・伝説のクリーチャーなのでカラカスでバウンスされる
・伝説なので
ホガーク自身を寝かせてホガークをキャスト→レジャンドルールで寝ている方を生贄にして《黄泉からの橋》でトークン量産→もう一度ホガーク
と動いて盤面を作ることができる
・手札にあるとき、墓地の枚数をしっかり把握して安易にルーティングで捨てて唱えられなくなるような事を防ぐ
・《王冠泥棒、オーコ》で鹿にされたパーマネントは緑なので招集コストにできる(ただし伝説であることは無くならないため注意)


復讐蔦

《復讐蔦/Vengevine》4枚

こいつも大概強力なクリーチャーです。ちょうど2体目のクリーチャーにしか誘発しないことに注意。紙では何体唱えているかちゃんと数えておきましょう。サイド後よく抜けたり《活性の力》の弾になる。素キャストしても結構強いです。


ぬいし

《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》4枚

このクリーチャーがいなければこのデッキは存在しなかっただろうと思えるほど強力なクリーチャーです。もし《意志の力/Force of Will》を持っているのならこのクリーチャーには絶対に打ちましょう。相手が《目くらまし/Daze》を持つ相手の時は《恐血鬼》が落ちるかどうかのリターンを考えながら土地の置き方に気を付けましょう。2度目ですが何がなんでも《意志の力》を当てましょう。それほどまでにこのクリーチャーは強いのです。2枚初手にあればまずフェアデッキには負けません。


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《恐血鬼/Bloodghast》4枚

縁の下の力持ちです。サクり台との相性が抜群ですし《甦る死滅都市、ホガーク》の招集コストの補強によくなってくれます。継戦能力もすさまじく打ち消しと墓地対策で手札が消耗した相手に殴りにいくこともしばしば。フェッチランドを起動すれば《外科的摘出》をかわすこともできます。何気にマナコストが2なので《虚空の杯/Chalice of the Void》X=1でも唱えられます。相手のライフ10以下で速攻を持つことも忘れずに。強い能力です。


ぼしょはい

《墓所這い/Gravecrawler》スゥルタイ3枚,ジャンド4枚

スゥルタイの場合枠の都合上3枚となります。
このカードはゾンビがいれば墓地からも唱えることができます。なのでサクり台と《黄泉からの橋》ととても相性がよく、《復讐蔦》 の回数稼ぎにも役立ちます。墓地から唱えられるため突然ライブラリーから墓地に置かれて《甦る死滅都市、ホガーク》 の頭数合わせになったりもしてくれます。感覚的にいえばマナフラを受けれる《恐血鬼》といったところでしょうか。
《虚空の杯》があり場にゾンビがいる場合は一度唱えて打ち消されもう一度墓地から唱え《復讐蔦》誘発、といった動きも可能です。
このカードの面白いところは《魔の魅惑/Aluren》が出された状態でサクり台があると無限に唱えることができるところです。《狂気の祭壇》 と合わせてライブラリーアウトさせることができますし《屍肉喰らい》 と合わせると無限に+1/+1カウンター が乗ります。


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《屍肉喰らい/Carrion Feeder》スゥルタイ3枚,ジャンド4枚

《墓所這い》と同じくスゥルタイの場合枠の都合上3枚となります。
実はデッキにそこまで入っていない貴重なサクり台です。《黄泉からの橋》,《恐血鬼》 ,《墓所這い》  との相性の良さは言わずもがな、コンバット面でも頼れるクリーチャーです。相手の《殴打頭蓋/Batterskull》の絆魂をかき消すこともできますし、ブロックされたクリーチャーを生贄にして《黄泉からの橋》を追放から守る、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で追放されるところを墓地に置いたりととても器用です。ミラーマッチやドレッジ相手には、相手の《黄泉からの橋》を追放させる仕事もあります。


ここからはスゥルタイホガークとジャンドホガークで共通しないクリーチャーです。


かに

《面晶体のカニ/Hedron Crab》スゥルタイのみ4枚

スゥルタイホガークが青をとっている最大の理由です。ひとたび戦場に出れば驚異的な速度で墓地を肥やしてくれる《縫い師への供給者》 と並ぶくらい強力なカニしゃんです。ホガークの種にはなりませんが1,2ターン生き残れば平気で墓地をライブラリーから10枚ほど落としてくれます。土地がなくなるか十分に墓地を肥やしたら、自分で肥やした墓地から《陰謀団式療法》 をフラッシュバックしつつ《黄泉からの橋》 でゾンビトークンにでも変えましょう。そこから《甦る死滅都市、ホガーク》 にもつながるため一枚で自己完結していると言ってもいいかもしれませんね。
このクリーチャーは死んでしまっていいクリーチャーではないため、《縫い師への供給者》のように1ターン目に出してしまっていい場面は2枚目の《面晶体のカニ》が手札にあるときか手札がとても強く2ターン目以降も強力な動きができる時だけです。基本は2ターン目に唱えてから土地を置きましょう。

・サイドボード後《面晶体のカニ》の上陸と墓地にある《恐血鬼》 の上陸が同時に誘発した際は、スタックの積み方を《面晶体のカニ》より先に《恐血鬼》 の上陸が解決されるように積んでください。
例えば先に《面晶体のカニ》の能力を解決して《恐血鬼》がライブラリーから墓地にいったとします。その後《外科的摘出》を《恐血鬼》に打たれたとしたら、それは結果的に《面晶体のカニ》の能力を1枚分損したことになるのです。また、《面晶体のカニ》で《甦る死滅都市、ホガーク》が落ちたとすれば、《恐血鬼》の上陸解決前に《甦る死滅都市、ホガーク》が引き抜かれてしまいます。スタックの積み方を間違えることによって、相手の行動の選択肢を増やしてしまう可能性があることを意識しながらサイド後はプレイしましょう。


いんぷ

《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》ジャンドのみ 枚数は好み

《面晶体のカニ》がいない枠に入っています。私は1枚のみ入れていますがあまり悪くはないカードです。このカードは手札に来た《恐血鬼》 ,《復讐蔦》,《黄泉からの橋》 を墓地に送るのが主な役割です。手札と引き換えですが、捨てることによって墓地も肥やすことができるので前のめりなカードです。私はジャンドホガークの強みは《信仰無き物あさり》がフラッシュバックできて手札の不要牌を捨てることができることだと思っているので、役割が被っているこのカードは1枚でいいかなと感じています。でもこのカードも前のめりに動けて強いカードではあります。

クリーチャーでないカード

にゅねけん

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《入念な研究/Careful Study》スゥルタイ4枚
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》ジャンド4枚

お馴染みのルーティングです。新しい有効牌やサイドカードを探しつつ墓地にあることで真価を発揮するカードを墓地に送ることができます。このカードも《意志の力》を絶対に当てたいカードです。最近は《否定の力/Force of Negation》の採用枚数も増えてきたので《信仰無き物あさり》の優位性は少し落ちましたね。

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おまけみたいな追放能力がきつい。ちなみに手札から唱えた《陰謀団式療法》 にも刺さります。


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《陰謀団式療法/Cabal Therapy》メイン3枚サイド1枚

このカードにはいくつかの役割があります。

まず、自分の手札にある《黄泉からの橋》、《恐血鬼》、《復讐蔦》など墓地にあることで強く使うことができるカードを墓地に落とすことです。自分の手札が相手に晒されてしまいますし、手札の枚数も減ってしまいますがそれを踏まえても強い動きが可能になるためこの方法はよく使います。

もう一つはドレッジの《陰謀団式療法》のように、展開した後に相手の勝ち手段や逆転の札を剥ぎ取るためです。《面晶体のカニ》 や《縫い師への供給者》 、ルーティングで掘っていくと墓地に自然に落ちていきます。あとこのデッキの《陰謀団式療法》は普通に手札からも唱えるので見た目以上に打てる回数は多いと思います。

また、《黄泉からの橋》 と合わせて無理やり《甦る死滅都市、ホガーク》 の招集の種を作り出すことも可能です。盤面にクリーチャーが1体しか無いときでも、墓地に《黄泉からの橋》が2枚あれば《陰謀団式療法》でゾンビトークンを2体出して《甦る死滅都市、ホガーク》を唱えることができます。
1枚の《黄泉からの橋》と《陰謀団式療法》が墓地にあり、盤面に黒のクリーチャーと《面晶体のカニ》 がいるならば、《面晶体のカニ》 を生贄にささげて《甦る死滅都市、ホガーク》を唱えることができます。《面晶体のカニ》と引き換えに《甦る死滅都市、ホガーク》を唱えることができるのならば、《面晶体のカニ》は基本生贄にしてしまって大丈夫だと思います。


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《黄泉からの橋/Bridge from Below》4枚

モダン禁止は伊達じゃない、墓地にあるだけでゾンビトークンがポコポコ湧いてくるハイパーカードです。《甦る死滅都市、ホガーク》と並んで危険なカードだと思います。言うなればこのデッキは《甦る死滅都市、ホガーク》と《黄泉からの橋》 を最大限悪用するためのデッキですからね。
《狂気の祭壇》でライブラリーアウトを狙うもよし、《屍肉喰らい》 で大量展開を狙うもよし、《復讐蔦》に《稲妻》 を打たれるとゾンビが出る。《甦る死滅都市、ホガーク》が単体で強いカードならば、《黄泉からの橋》は多方面での勝ち手段を作り出すカードです。
《虚空の力線》 があれば相手のクリーチャーが死亡したとしても《黄泉からの橋》は追放されません(そのためにサイドインすることはありませんが)


意外にも、レガシーのデッキ達には自分のクリーチャーを殺す方法が《稲妻》から複雑な方法まで多々ありますのでのちほど各マッチアップごとにあれば書いていきます。

《黄泉からの橋》は本当に強力な一方で慎重に扱わなければその真価を発揮できません。ルーティングやその他ディスカード手段を使い慎重に墓地におとしましょう。
ちなみにこのデッキの強みを私は
ドレッジのように《黄泉からの橋》を悪用できるが《黄泉からの橋》への依存度を《甦る死滅都市、ホガーク》によって下げることができるデッキ
だと考えています。


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《狂気の祭壇/Altar of Dementia》4枚

私がこのデッキで一番強力だと思っているカードです。基本通ったら勝ちます。《黄泉からの橋》 と《甦る死滅都市、ホガーク》 を合わせたコンボにより、自分のライブラリーを掘り尽くした後相手をライブラリーアウトさせます。またこのカードは、《黄泉からの橋》が何枚か追放される,相手のデッキに《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》が入っている、などの理由でライブラリーアウトを狙えなくなったとしても、ライブラリーを掘り進めることにより盤面に《甦る死滅都市、ホガーク》や《復讐蔦》 などのクリーチャーを並べたり、ドレッジのように《陰謀団式療法》 を連打して相手を再起不能にさせることが可能です。またこのデッキにおいては、先ほど《屍肉喰らい》 について解説した際に書いたことのようにサクり台というだけでゲーム展開を有利に進められます。

そしてもう一つこのカードの強い点は、キルターンが早まる点にもあります。
このデッキの平均的なキルターンは《狂気の祭壇》が絡まらなければ3.5~4ターンといったところです。(3ターン目に相手を殴りきる事もありますが)

3.5というのは、3ターン目に対処できないような盤面が完成し、そこに《陰謀団式療法》 が1~3発ほど絡んでくるということです。

しかし、3ターン目にどれだけ強い盤面ができようが、ANTの《苦悶の触手/Tendrils of Agony》 で盤面を無視されて負けることもありますし、スニークショーの《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《グリセルブランド/Griselbrand》、ダークデプスの《マリット・レイジ/Marit Lage》に地上を無視され殴りきられることもあります。
もちろん《陰謀団式療法》が全く打てないようなこともありますし、相手が《陰謀団式療法》の上から勝つこともあるのです。

ここに《狂気の祭壇》が加わるとどうなるのかというと、3ターン目に相手のライブラリーが空になります。こうなると相手はメインフェイズに入る前に勝たなければいけませんが、それは不可能です。
ライブラリーアウトが不可能なスニークショーに対しても16以上のライフがあれば、滅殺6で殴られようとも、《グリセルブランド》が立ちはだかっていようとも負けない盤面を作ることができ、《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《グリセルブランド》を同時に走らせるという条件を相手に要求させることができます。これを3回以上の《陰謀団式療法》の上から達成することは難しいでしょう。

このように《狂気の祭壇》はホガークヴァインに、相手の理不尽の上からさらなる理不尽で勝利する力をもたらします。



囲い

《思考囲い/Thoughtseize》ジャンドのみ1枚

メインからある程度コンボをみたいので引けたら嬉しい程度の気持ちで1枚余った枠に入れています。


デッキリストについて(サイドボード)

サイドボードについてはスゥルタイホガークとジャンドホガークのサイドボードはほとんど同じですが、初めに1つだけある違いについて書いておきます。

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ジャンドホガークにするとサイドボードの選択肢に《悪ふざけ/Shenanigans》が入ります。
このカードは特に《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》に対して強く、《縫い師への供給者》 などのライブラリーを掘るカードを唱えることで墓地に落とした後発掘によって回収可能です。また《罠の橋/Ensnaring Bridge》や《虚空の杯/Chalice of the Void》に対しても強いですね。
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》を任意のタイミングで切らせることもできます。

ですがこのカードのためだけに1枚であろうともサイドボードの枠は割きたくないというのが私の感想です。正直《虚空の力線》 を割れない置物破壊にはこのデッキにおいて価値はありません。
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》や《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》を使ってくるようなデッキに対してはこのデッキはかなり有利です(デルバーや奇跡などの青いフェアデッキのことです)
それこそ戦い方が分かっていれば《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》や《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》を置かれようがその上から勝つことは容易です。それを入れるなら私は《虚空の力線》を割れるカードや《思考囲い》 などのコンボに強いカードをとりたいと感じました。

ここまで散々言いましたが青いフェアデッキに対してより盤石な状態を作りたいと思うのであれば入れる価値はあると思います。特にラウンド数の多い大会であればこのカードの価値は上がると思います。

それではサイドボードについて書いていきます。


くろりき

《虚空の力線/Leyline of the Void》4枚

自分より速い墓地利用デッキに弱いため入っています。
ドレッジ、リアニメイト、ANT(不利ではありませんが)が主な仮想的です。このデッキの黒力戦のいいところは黒いため普通に唱えることもできること、ルーティングで捨ててもよいことだと思います。


さーじかうr

トーモッド

《外科的摘出/Surgical Extraction》/《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
計2枚

過剰に見えるかもしれませんが私は5.6枚目の墓地対策を採用したいと考えています。自分より速いコンボには墓地を使うデッキが多いですからね。
《外科的摘出》は相手が墓地を使わなくともハンデスと合わせてコンボパーツを抜けるので過剰だと感じるなら《外科的摘出》がおすすめです。
私はドレッジもリアニメイトも許せないのでトーモッドの方が好きですね。


囲い

《思考囲い/Thoughtseize》2~4枚

基本的に2枚以上採用されています。このカードはスニークショーなどコンボデッキ相手なら誰が相手でも基本強いのがいいですね。一度手札を見ることができればキルターンの目途も立てやすいですし《陰謀団式療法》 を強く使えます。
一つ言っておきたいのが、このカードはフェアデッキ相手には基本サイドインしたいカードではないということです。このデッキには相手の墓地対策を乗り越える様々な勝ち手段があります。なので単体で弱いこのカードは基本サイドインしません。詳しくはアーキタイプ別のプレイガイドで。


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《陰謀団式療法/Cabal Therapy》1枚

メインボードに枠が無いためサイドに1枚移動されています。(ジャンドホガークであればメインに入れてもいいのかもしれません。《面晶体のカニ》 が無いため《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》を入れたい気もしますが)
役割は囲いと同じですがフラッシュバックにより2回打てることもあります。


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《活性の力/Force of Vigor》3~4枚

このデッキの緑カウントは《甦る死滅都市、ホガーク》 ,《復讐蔦》 そしてサイド後から入ってくる5~7枚の置物破壊の計13~15枚なため普通にピッチコストで打つことができます。このカードは見た瞬間仕事が分かりますね、《虚空の力線》 や《虚空の杯》を使ってくるデッキに対して強いです。《恭しき沈黙》 と違ってアーティファクトも割れるところがいい点です。代わりに手札を2枚要求してきますが。


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《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》1~3枚

2マナ要求してくる代わりに1枚でなんでも破壊できます。このカードも《虚空の杯》を割れて偉い。苦手なダークデプス相手にコンボの妨害もできます。


以上が私が採用しているサイドボードのカードです。どれも何を意識しているか明確なのであまり言うこともありませんでしたね。一応採用され得るカードも書いておきます。


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《恭しき沈黙/Reverent Silence》1~4枚

一枚で《虚空の力線》 をマナを払わずに割れる!?!??!!??
《虚空の力線》 を壊したいならこいつが最適です。ただ《虚空の杯》を割りたいため不採用に。


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《突然の衰微/Abrupt Decay》1~3枚

青いデッキの《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《トーモッドの墓所》を確実に割りたい方へ。《封じ込める僧侶/Containment Priest》も殺せます。


以上がホガークヴァインのデッキ構成です。メインボードはほぼ固定されていますが、サイドボードはその人の好みが出る感じですね。基本的にはコンボ対策と置物対策しか入っていないのでまあまあサイドボーディングはしやすい方だと思います。



スゥルタイとジャンドの違い


一般的にはスゥルタイホガークヴァインの方がメジャーです。
先日のGPボローニャの結果からもそれは分かります。

スゥルタイホガークの使用者は22人で最高順位が28位、
ジャンドホガークの使用者は13人で最高順位が106位でした。
(上がスゥルタイで下がジャンドです)


《面晶体のカニ》 の有無

かに

《面晶体のカニ》 は本当に強力なカードです。単純なことではありますが《面晶体のカニ》 がデッキに入っていることは墓地を肥やすカードがデッキにより多く入っていることであり、初動が増えてキープ基準が緩くなることにつながり安定感をもたらします。また、《面晶体のカニ》 は最高効率で墓地を肥やすカードであるため爆発力も上がります。

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《信仰無き物あさり》のフラッシュバックはロングゲームでの安定感をもたらしますがどうも《面晶体のカニ》 の爆発力と比べ見劣りしてしまいます。それに加え《否定の力》の流行もあり《信仰無き物あさり》は相対的に弱体化してしまいました。

《否定の力》が今ほど流行っておらずコントロールが増えていくことがあればジャンドホガークを使うことも視野に入るでしょう。

これは私個人の考えですが、もしどちらかのデッキを使おうと思うならスゥルタイホガークの方が今は優れていると思います(《信仰無き物あさり》はとても好きなカードなんですけどね)




以上でホガークヴァインの解説の無料部分を終了します。
ここから先の有料部分では自分がよく当たったアーキタイプ別のプレイガイドなどについて記載しています。


ホガークヴァインというデッキはデッキの動きが私の好みですし、自分がMagic Onlineで初めて納得いく結果を出すことができたのもこのデッキのおかげということもあって、思い入れ深いデッキです。

今回の記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

ここからが有料部分となっております。ご購入いただいた方は引き続きよろしくお願いします。




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