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交換ノート08: CLAMP先生の「アリスの絵本」にみる有料ノートの出し方

@takutaさんが飛び入り参加しましたのでこちらからの続き
交換ノート07:無料のコンテンツと、『売る』コンテンツは何が違うか?

きのう、交換ノート06の「note はブロガーにとって EC である」を、いしたにさんが試験的に有料にしました。

試験的といってもこれ、100円出す価値のある記事でしたので、ぜひポチッとしていただきたいところ。かいつまんで紹介すると、「デジタルコンテンツなんて売れるわけないじゃないか」というところに、「うん、そうだね。でもこういう力学もあるよ」と鮮やかに実例で示した記事です。

07で @takuta さんが言及されたのは、「売れるコンテンツ」を作るマインドに切り替えないといけないという話だったと思います。僕はここに、「売れることを目指そう」というのではなく、PVだけではない評価軸があるのにとても興奮します。

だって、無料で出してる記事を人が読んでくれるのも素敵ですが、買ってくれた人が「これは良かった」と喜ぶものを作るのも最高の気分ですから。そしてこの二つは重なりあいながらも、違うんですよね。

昨日はそんな実例が流れてきました。すでにnoteには大勢の漫画家、イラストレーターのかたが参入されているのを観測していますが、実に早い段階でアカウントを作られていたのが有名漫画家集団のCLAMPです。

面白かったのが、CLAMPアカウントでは、システムを試すように楽しいイラストがポンポンと投稿されていて、ファンが気づいて急速にフォロワーが増えていました。

ファン的にこれはおいしい。イラストばかりではなく、ときおり「トーク」でひとことが入るのもアクセントになっていて、ここにはCLAMPファンが集う空気ができあがります。そして数枚のイラストのあとで、これです。

カードキャプターさくら55話に登場した「アリスの絵本」!ファンならもちろん買ってしまいますし、定期的に読んでいるファンでなくても、このイラストからの流れでポチッといってしまいます。うちでは娘にみせて、はわわわ言って楽しんでます。

内容先行ではなく、出し方 + 信頼

さて、この事例でなにがいいたいかというと、繰り返しになるのですが、やはり 1. コンテンツをすでにもっている人強い、という点と、2. 出し方 + 信頼の軸がとても重要という点です。

一つ目はいうまでもないことですからパスして二つ目。ここにはいくつか理由があります。

僕が迷いなくCLAMP先生の note をポチッとできるのは、そもそもCLAMP先生の作品クオリティに対する情熱を長年読んでいて知っていることが一つ。サムネイルからもそのクオリティがわかりますよね。

二つ目に、これはあきらかに普通の書店などで販売されそうにない、お宝的なコンテンツだとわかること。それに300円を払うかは人それぞれでしょうけど、note においてあるという「漫画家のスタジオのバックステージに招待された感覚」がお得感を増しています。

ところで書店の300円とnoteで買う300円が違うというのは当然の話で、私たちは「自販機のコーラが150円」というのを論理的な適正価格を知っているから受け入れているのではありません。乱暴にいうと自販機が150円で売っているから受け入れているのです。noteの適正価格は、既存の製品と相互作用しつつも、多少は切り離して考えていいのです。この話は長くなるのでまた今度。

三つ目は、先に無料でイラストを投稿してくださっていて、そのなかにクオリティの高い有料コンテンツがあることで、ファンとして応援したい気持ちが刺激されること。これはまさに、「見せ方と信頼」のバランス。

つまり、有料のnoteを置いたらどこからともなく誰かが買ってくれるのではなく、すでに培っている「この人のものは買う」「この人を応援したい」「この人は信頼できる」という熱量が変換されるのですね。

さて、あとはこのモデルが、コンテンツを出すに足るほどスケールするかといった話に続くと思うのですが、どうなのかな。3日もしたら誰もnoteに来なくなるなんて悲観的に書いている人もいましたが。

どうでしょう? コグレさん?

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