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スーパー・チューズデー 2.0 ともいうべき結果でバイデン氏が優位を盤石に

スーパー・チューズデーの熱も冷めやらぬうちに、次の予備選挙がやってきました。大統領選挙の候補者指名争いもそろそろ中盤戦、しかし早くも結果はジョー・バイデン元副大統領の勝利ということに落ち着きそうです。

本日行われたのは、125の代表人を擁するそれなりに大きな州であるミシガン、そしてミシシッピ、ミズーリ、アイダホ、ノースダコタ、ワシントンの6州でした。

結果はまだ集計中ですが、ミシガン、アイダホ、ミズーリ、ミシシッピでジョー・バイデン氏の勝利。残りのワシントン州でもまさかの接戦でサンダース候補はバイデン氏を突き放せていません。唯一サンダース氏が有利なのはノースダコタ州ですが、ここは代表人がたったの14という州です。

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サンダース氏が今回是が非でも獲得しなければいけなかったミシガン州は、すべての選挙区の状況がこの通りで、バイデン氏一色、残ったIngham Countyでの差はたったの2票というありさまです(追記:その後、この county もバイデン氏優位になり、ミシガン州はすべての選挙区がバイデン氏という結果になりました)。

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頼みの綱だった西海岸のワシントン州(代表人数89)も、かすかにサンダース氏が上回っているとはいえ、僅差です。ワシントン州も郵便による投票が多く、今後の流れ次第ではバイデン氏に傾く可能性が高いと見られています。

勝負あり?

さて、ここでおさらいをしておくと、民主党側の指名獲得に必要な代表人の数は1991人です。

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そのうち、現時点でバイデン氏が823人、サンダース氏が663人を獲得しています。それぞれ、あと1168人と1328人を獲得すればよいというわけです。

まだ2100名以上の代表人を争うわけですが、早くも現時点でサンダース氏が指名を獲得できる確率はとても低くなっています。というのも、たった160人差とはいえ、今後の大票田の州でサンダース氏がバイデン氏を上回り、この差を埋めるのは至難の業だからです。

・フロリダ:代表人数 219
・イリノイ:代表人数 155
・オハイオ:代表人数 136
・ジョージア:代表人数 105
・ニューヨーク:代表人数 274

いまから4月28日までに票を投じるこれらの州は、どれもバイデン氏の支持が強い黒人表であったり、高齢者票の多い場所です。しかもすべてが前回の2016年にサンダース候補ではなくヒラリー候補が勝利をおさめた州です。

これを数学モデルにして、今後の流れを予測したものが FiveThirtyEightのサイトに存在しますが、世論調査やこれまでの流れを加味してさまざまな組み合わせを検討した場合、もっともあり得るのがバイデン氏が4月28日の段階で1991人のラインを越え、指名獲得を確実にするとみられています。

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選挙戦は、急速に11月の本選挙に向けて雰囲気が変わっていきます。可能性は低いですが、サンダース氏が4月28日の前に指名争いから降りるかどうか、彼を支持していた若年層が打倒トランプの旗印としてバイデン氏を支持するかどうかが問題になってきます。

トランプ氏と互角に戦うためには、バイデン氏は都市部だけではなく、地方の白人層の支持も広く集めなければいけません。今回の予備選挙では、無党派層に流れがちな白人票がバイデン氏に偏ったという動きもあり、本選挙にむけてこうした動きを丁寧に拾う必要があります。しかしバイデン氏にそれが可能なのか?

7月の党大会まで争いが続くかもしれないといわれていた指名争いは意外な形で早くも3〜4月に収束することになりそうです。

そしてそこから先が、本当の戦いなのです。



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