ツイッターCEOのジャック・ドーシー氏が生死を分ける戦いを演じていた話
最近はあのカンファレンスが中止になった、このイベントが延期されたといったニュースしかありませんので、なんだか世界が静止しているかのようですが、その背後でも熾烈な生存闘争が繰り広げられていたという話題がありました。
ツイッターCEOのジャック・ドーシーさんがこの二週間のあいだ、うかうかしていれば退任になりかねない投資家との戦いをしていたというのです。
なにがあったかというと、アクティブ投資で知られるエリオット・マネージメントがツイッターの株式を4%取得し、ジャック・ドーシーをCEOから交代させることを目的に取締役会に4名を送り込むという事件が勃発したのです。
ジャック・ドーシー氏はもともと2015年にディック・コストロと入れ替わりでCEOになったのですが、もともとツイッターの取締役会はフルタイムのCEOを求めていたのに、ジャックはSquareのCEOも兼任していたというところに遠因があります。
てっきりSquareのCEOを退任するか、役割を減らすのかと思いきや、けっきょく有耶無耶にしたうえでいまもどちらかというとジャックの心はSquareの側を向いているのは明らかです。
今年などは最長で6ヶ月間をアフリカで過ごす予定だと報じられており、それはどちらかというとフィンテックが急成長するアフリカを実地でみるためのSquare関連の動きだったので、ツイッターの内部でも動揺が走っていました。
エリオット・マネージメントはこの混乱を突くかたちでツイッターのCEOに揺さぶりをかけたということになります。
エリオット・マネージメントの投資手法は Activist investing と呼ばれていて物議をかもすものでもあります。企業の弱みを見つけ、アクティブにその是正を働きかけて企業価値を高める手法はときとして強引ともいわれます。
ジャック・ドーシーはこの動きに対してアフリカ移住はとりやめにするなど防戦をしていましたが、もともと彼の指揮下でツイッターはそこまで企業価値を伸ばせていないのは確かですし、Vine のように前TikTokのようなサービスを失敗させたりといった舵取りの鈍さも指摘されています。
結局、当面としてツイッターはエリオット・マネージメントとの交渉の結果20億ドルの自社株買戻を実施し、同社の人選を含む二人のメンバーを取締役会に迎えることで当面のあいだジャックはCEOのままでいられることになりました。
しかしこれはツイッターにとって獅子身中の虫ともいうべき状況で、ジャック・ドーシー氏の舵取りが今後も迷走するようならば、またこうした動議が持ち出されないとも限りません。
ジャックは好きなのですが、どうもツイッターほどの重要な企業を雰囲気で経営している感触が濃厚なので、私としては代わってもらったほうがいいんじゃないかと思うのですが...。
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