見出し画像

トランプ政権がTikTokを「禁止」するいくつかの方法 (続報あり)

これもまたトランプ大統領のいつもの思いつきに過ぎないのかもれしれませんが、今度は中国企業傘下にあるTikTokを米国内で禁止するという方針をうちだしています。

これと並行して、おそらく政権はByteDance社に対してTikTokの所有権売却を命じるのではないかと報じられていただけに、ちゃんとした計画があるのか、思いつきなのかなおさらわからなくなっています。

一方、大統領が一方的に TikTok の運営を禁止するための法的根拠はないため、なんらかの間接的な方法が検討されているのではないかといわれています。

その法的な問題をまとめているこちらの記事がとても興味深いものでした。

まず、トランプ政権がTikTokに対して圧力を加えるとして、それはおそらくインドがTikTokに対しておこない、中国がネットの検閲を行うときに使っているようなネットワークレベルでの接続禁止というかたちはとらないだろうという点が挙げられます。

次に考えられるのは Huawei のときのように政府関係の調達で締め出すという方法がありますが、コンシューマー向けのサービスである TikTok にはほとんど意味がありません。

そこでおそらく検討されているのが、Committee on Foreign Investment in the United States (CFIUS) つまり「対米外国投資委員会」を通した勧告なのではないかという味方です。

「対米外国投資委員会」は外国の企業が米国の企業や組織に対して投資を行う際の国家安全保障上の影響を検討することを目的としており、まさにこうした事態のために存在する組織といえます。

この CFIUS を通して、トランプ政権は TikTok の親会社が米国内で企業買収や合併をおこなうことを阻害できるとしています。もちろんこれは TikTok を「禁止する」という効果はありませんが、米国内での運営に著しい困難をもたらし、将来的に ButeDance社が米国内におけるTikTokの運用を、より息のかかっていない別の会社に手放すことにつながるかもしれないという説明です。

もしもう一歩踏み込むならば、トランプ政権としてHuaweiなどと同じように利用を自粛するようにラベリングを行い、Google Play ストアや Apple App Store で配布されている状況に対して難癖をつけてゆくという流れもみえてきます。ただし、決定的ではないですし時間もかかるでしょう。

いまトランプ政権内では、11月の大統領選挙でトランプ氏が敗北することも想定に入れ、中国への対抗政策を次の政権が引き継がざるをえなくするように、政策が急速に固められつつあるという話題も耳にします。

「TikTok を禁止する」という約束は本気で取り組んだとしてもすぐには実現しないでしょうし、ByteDance社の対応次第で変化することもあり得ます。

しかし背景にある米中のにらみ合いの状況は、これからも長く続く潜在的脅威です。TikTok についての騒ぎは、その代理戦争の一局面でしかないのです。

(続報)

という話題について投稿したら、その30分後ほどにこんなニュースが。

ByteDanceが米国内におけるTikTokのオペレーションについて売却に同意したと。ロイターの報じたとおりそれがマイクロソフトになるのかは現時点では不明なようです。

展開早い!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?