見出し画像

美術館で「贋作」発見。

①   徳島県立近代美術館
  ジャン・メッツァンジェ作 「自転車乗り」
  購入価格 6720万円
 
②   高知県立美術館
  ハインリヒ・カンペンドンク作 「少女と白鳥」
  購入価格 1800万円
 
この2点の絵画が贋作だった?
2つの美術館、大揺れに揺れています。
 
ニセモノを高い金で、それも税金で、つかまされてしまった。
いったい学芸員は、どんな目をしているんじゃい。
 
この2つの作品の作者、ジャン・メッツァンジェとハインリヒ・カンペンドンク、
申し訳ないけどわたし、まったく知りません。
 
それが理由ではありませんが、別に地方の美術館を差別するわけではありませんが、
こう云ってはナンですが、地方の美術館が高額を払って揃えるべき作品だったのか、
すこし疑問に思ったりいたします。
 
ちょっと背伸びしちゃった?
なまじ分不相応のことをしてしまったがために大失敗、
取り返しのつかない結果を招来してしまいました。
 
徳島、高知県民は、いままでニセモノを本物と信じて「鑑賞」してきました。
そういう県民たちも、本物とニセモノの区別がつきません。
知らないということは有難いことです。
本物と思って見れば本物、それで満足なんです。
 
ニセモノだったんだから入場料を返せ
なんていうのは野暮なこと、
自分で本物だと満足していたんですから、却下です。
 
そして、これらのニセモノを描いたのが「名うての天才贋作師」と謳われるウォルフガング・ベルトラッキ。
新聞では「ウォルフガング・ベルトラッキ氏」と、「氏」付きで報じられていました。
余程の大物です。
 
そりゃそうです、
彼にはサザビーズもクリスティーズも騙されていたんですから。
 
ですから徳島や高知の美術館学芸員は、負い目を感じる必要はありません。
相手は「氏」付きの詐欺師、贋作者なんですから。
 
昔NHKで、このウォルフガング・ベルトラッキの特集をやったことがありましたが、
彼はニセモノを作るときは対象とする作者の来歴、人とナリを徹底的に調べ、
生まれ育った町、住んだ街に行き、環境を味わい、(それを彼は「文化的旅行)と呼んだ)画家の手紙、日記、文書、あらゆるものを研究したうえで「制作」にとりかかり、
描きだすと画家が憑依したように、本人になりきり、
ニセモノだけでなく、オリジナルの「ホンモノ」さえも描けたというのです。
 
そして今も、彼の、というのはベルトラッキの「作品」」が、いまだ贋作と判らずに世界中の美術館に飾ってあるそうです。
実際、今回徳島、高知の美術館からも、「発見」されました。
 
こうなるともう、「ホンモノ」とか「ニセモノ」と区別する意味もない、哲学的な領域にはいってきます。
「本物」「ニセモノ」に拘るのが意味のないこと、
 
徳島、高知の美術館も、
いままで「ホンモノ」と思って、誰も疑わずに「鑑賞」してきたのですから。
ここで揉めたり真贋を判別したりしないで、
今まで通り、素知らぬ顔をして、県民の鑑賞に供したらよろしいのではないか
 
なあんて思ったりする、
キョウこの頃でありまする。
 
ハヒフヘ・ヒヒヒヒ。
 
(2024.7.15.)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?