【メタレポート】てんのめぐみオフ

2019/12/8に都内で行われたポケモンオフであるてんのめぐみオフ。昔ポケモン界で活躍していたプレイヤーが久々に遊びに来てくれたり、ここ数年強いプレイヤーも集まっていた今回のオフは、注目度も高かったはず。

ではまず、参加者のポケモンのKP(被りポイント)から見ていこう。予選のKP上位になったパーティとその取り巻きのポケモンを中心に見ていこう。

使用率が高かったポケモン

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ドラパルトの使用率が47%と半数に迫る人が採用している。採用されているパーティはスタンダードはもちろん、トリックルームを絡めたパーティにも採用されており、ほとんど全てのアーキタイプに採用の可能性がある。

ドラパルトは先発性能も高く、高すぎるすばやさから同速対決が多くなりがちなのが悩み。それを解決すべくトゲキッスとの組み合わせがよくみられる。

また、後発に準備しておいてスイーパーとしての役割も持つことができる。雑な攻撃役、壁貼り役、竜舞全抜き役とあらゆる可能性を持つこのポケモンの対策を考えるのは至難の技かもしれない。

2位は43%ドリュウズ。剣盾のポケモンバトルを象徴する存在と言っても過言ではないだろう。このルールで最強の電気タイプであるロトムを「かたやぶり」で一撃で倒せる他、おなじみの「すなかき」を使ったバンギラスとの組み合わせが魅力的なポケモンである。

また、ダイマックス状態から放たれる<ダイアース><ダイスチル><ダイロック>3つのわざと非常に相性が良い。元々HPが高いので、HPが倍になる恩恵を大きく受けるのはもちろん、<ダイアース><ダイスチル>を使ってぼうぎょやとくぼうを上げることでその耐久力はググッと増す。<ダイロック>は言わずもがな「すなかき」の始動にもなる。

<つのドリル>を採用されている型があるのも厄介なポイントだ。アーマーガアで余裕ぶっていたらやられるなんて経験をした人も少なくはないのではないだろうか。

次いでウインディ40%。このポケモンもあらゆるパーティに採用される可能性がある。ウインディは今まで「いかく」で使われることがほとんどだったが、特性を「せいぎのこころ」にしてエルフーンなどの<ふくろだたき>と合わせたコンボチックな動きを用意しているパーティが存在しているのも注目ポイントだ。

今回だとウインディ+エルフーンの組み合わせは7人が使用している。また、「せいぎのこころ」ギミックの珍しいところだとコータス+ダーテング+ウインディという組み合わせもみられた。

もちろん「いかく」のほのおタイプという貴重な立ち位置は健在。攻撃範囲も非常に優秀で、どんなタイプのパーティでも入るような性能を持っている。

<フレアドライブ><しんそく>を使う物理攻撃的なタイプはもちろん、<おにび><バークアウト>の受けよりな技構成、<かえんほうしゃ>や<もえつきる>を採用する特殊型まで視野に入れる必要がある。

ウォッシュロトムは、みず+でんき+「ふゆう」という優秀な耐性からクッションとして採用がしやすい。<ひかりのかべ>や<リフレクター>、<おにび>といった相手から受けるダメージをコントロール出来る技を持つ。

特に<おにび><リフレクター>は物理環境となっている今の環境では非常に有効だ。しかし、外れてしまうことがある点やウインディエースバーン(存在しないポケモン)といった物理ポケモンの攻撃力を削げないことは頭に入れておきたい。

その次はエルフーン28%。このポケモンの選択肢の多さはいつものことだが、行動順の仕様変更によってさらに強化された。先述の<ふくろだたき>コンボや<おいかぜ><トリックルーム>のすばやさ操作はもちろん、<アンコール>や<ちょうはつ>にも気を付けたい。

くさ+フェアリーの攻撃範囲は相手の主力級への大きなダメージソースとなりうるので、アタッカー採用も見込まれる。もちものは行動保証を得ることができる【きあいのタスキ】が多い。アタッカーだと【たつじんのおび】や【いのちのたま】といったアイテムも候補になるのだろうか。

使用率28%トゲキッスも頭を悩ませる要素。ドラパルトとの並びはもちろん、単体性能も高い。ちなみにトゲキッス+ドラパルトは9人が使用している。<このゆびとまれ>で相手の思惑を崩し、こちらの動きを通すのは最早伝統芸能だろう。

もちものはがねタイプから実を守る【リリバの実】はもちろん、【オボンのみ】やピンチベリー各種、【じゃくてんほけん】を持ちつつ自身がアタッカーにもなることができる。

バンギラスミミッキュは言わずと知れた強ポケモンだ。様々な型が存在し、2匹ともどんなパーティにも入る単体性能がウリ。先述したとおり、強力なポケモンであるドリュウズをサポートできるバンギラスはシナジーという点でも良い作用を持つ。しかし、そのドリュウズに弱い点や<ダイナックル>で大きなダメージを受けやすいことは頭に入れなければならない。

ミミッキュは「ばけのかわ」を盾に<つるぎのまい>で自身強化したり、<トリックルーム>で行動順をコントロールすることもできる。<おにび>でのコントロールできる万能型のポケモンでもある。

リザードンドサイドンコータスは最近になって評価を上げつつあるポケモンか。リザードンは「サンパワー」によって爆発的な火力を得るポケモンだ。「サンパワー」を能動的に発動させるため、相方となるポケモンが必須となる。

リザードンと組み合わせるポケモンとしては「いたずらごころ」+<にほんばれ>でサポートするエルフーンが4人、コータスの「ひでり」でサポートするのが、6人となっている。どちらも入れているというプレイヤーはおらず、エルフーンコータスの選択となっているようだ。

さらに面白いのが、リザードンと一緒にドサイドンが入っているパーティが多いことだ。リザードンを使用した10人のうち7人がドサイドンと同時に採用している。

リザードンを採用している人の多くが、コータス+ドサイドン+<トリックルーム>要因ポケモンという組み合わせを使用したことになる。リザードンのすばやさはこのルールだとかなり早い部類で、リザードンで上からの圧力をかけつつ、<トリックルーム>下で強いポケモンを通す(またはその逆)構築は、非常に強力だ。<トリックルーム>要因についてはドサイドンの項で触れよう。

また、ドラパルトのようなすばやさの早いポケモンで<ダイバーン>を打って天候を変更し「サンパワー」を発動させるというコンボもある。

ドサイドンはオフの前1週間くらいに騒がれたポケモンで、一旦場を作れてしまうとそのままゲームエンドまで持っていくことができるようなパワーを持つポケモンだ。

もちものはほぼ確定で【じゃくてんほけん】となっている。パーティに一緒に入れたドータクンサマヨールで<トリックルーム>を決めた後、<じならし>でトリガーを引いて蹂躙が始まる。

ドサイドンとよく組み合わされるポケモンは、<トリックルーム>を打つポケモンとなるが、サマヨール5ブリムオン2ミミッキュ3ドータクン3となっている。

ドサイドン+ブリムオンが入っているパーティは100%サマヨールバタフリーが一緒に入っている。<いかりのこな>や<ねむりごな>を使用して絶対<トリックルーム>を打つパーティとなっていた。

ブリムオンが入っていないドサイドン+サマヨールドータクン)はリザードンを始めとした早いアタッカーも同時に入れ、<トリックルーム>がなくても戦えるないし、<トリックルーム>を後半に打つ選択肢を考えているパーティとなっていた。

今後もゲームの中心となっていくであろうこの組み合わせは対策必須となる。トリックルームを打たせないという立ち回りは難しいので、ドサイドンに対し、<おにび><リフレクター>で火力を削ぐか優秀な耐性を持つポケモンで受けて、<トリックルーム>が切れた後に倒し切るのが良いだろう。

ちなみに、物理側の対策をしたと思うとコータスの<ふんか>で吹き飛ばされることもあるので要注意。

アーマーガアは、単体性能が高めなポケモンで、その優秀な耐性から受け回て有利を作るパーティに採用されやすい。<てっぺき>または<ビルドアップ>+<ボディプレス>で要塞化するのが強力。

受け回すパーティは、アーマーガア+バンギラス+トリトドンウォッシュロトムとの組み合わせが非常に目立った。ここにKP上位のドラパルト+ドリュウズ+トゲキッスと入れるだけで強そうなパーティが出来てしまう。

また<おいかぜ>といったすばやさ操作技や<ちょうはつ>での妨害もできるため、サポートでの活躍も期待できる。<はねやすめ>という回復ソースも持っているため、相手にした場合詰まされないように立ち回りたい。

カビゴンは、単体性能はもちろんのこと<トリックルーム>パーティへの対策としてもかなり優秀。<のろい>を積むと自身がトリックルーム下で上を取ることができる。

また、<トリックルーム>でないシーンでも【ダイアタック】ですばやさの操作ができるのも忘れられない。また、<はらだいこ>で超強力なアタッカーになることもできるが、ピンチベリーの弱体化によって以前ほどの活躍は期待できなさそうだ。

KP2以上だったポケモン

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かなり多くのポケモンがKP2以上となっている。中でも注目なのは、環境初期に騒がれたウォーグルの使用率が低いことだろうか。【おいかぜ】でのサポートはもちろん、【ダイジェット】や【ダイナックル】での攻撃+サポートといった点は強力だったが、目に見えて有利なポケモンがいないことや以前までのルールに比べ、「いかく」を持つポケモンが構築に入りづらいことや【おにび】の流行が一因と考えられる。

サザンドラは相手の上を取ると一方的に蹂躙できるところはかなりポイントが高い。しかし、採用率上位のエルフーンやトゲキッスといったサポートポケモンたちに片手間で処理されてしまいがちなのが悩みか。

採用率が低めのポケモンたちは、上位の様々な使い方があるポケモンたちと比べると尖った特徴を持つポケモンが集まっているようにみえる。尖った性能からパーティの中心になるか、特定のパーティへの対策といった形で採用される。

KP1のポケモンたち

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ここまで来たらKP1まで記載しておく。コンボ系のパーティだったりピンポイントな動きをするポケモンたちが多い印象。シングルで一時話題となったアイアントはダブルバトルだとちょっと難しい様子。

決勝トーナメント Best16のKP

予選とKPの%時代は概ね同じだが、コータス+ドサイドン+【トリックルーム】を持ち込んだ6人のプレイヤーのうち、3人が決勝トーナメントに上がってきている。母数が少ないため、なんとも言えないが割合としては低くないだろう。

決勝戦がこの系統のパーティのミラーマッチだったことも考えると、今回の"アタリ"構築はドサイドンを主軸としたトリックルームパーティだったといって過言ではないだろう。

Best16のパーティは以下のようになっている。今後パーティを組む際の参考にするといいかもしれない。

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KPだけだとなにが採用されやすいということしかわからないが、もう一歩踏み込むことで見えてくることもあるかもしれない。日本のポケモン界隈ではこういった試みはあまりされていないが、これからも出来たらいいと思う。


記事:あおみ(@Raito_star)


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