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「催眠術を解く」を脳科学的に解釈する

こういうの面白いかなぁと思って…

1.はじめに、催眠状態とはなにか?

催眠状態とは、脳波が特定の状態にあることです。

【脳波とは…】
① デルタδ波(0.5〜4Hz)眠っている状態
② シータθ波(4〜8Hz)朦朧とした状態
③ アルファα波(8〜14Hz)リラックスした状態
④ ベータβ波(14〜38Hz)通常の状態

そして催眠状態とは、脳波が「アルファα波〜シータθ波」の状態にあることをさします。

2.催眠術とは?

催眠状態(α波〜θ波)の時に、「手が開かない」とか「声が出ない」とか「ワサビが甘い」とか…
そんな(変な)暗示をいうと、意に反して本当にその暗示に従ってしまうことがあり、この(一見不思議な)現象は催眠術と呼ばれています。

意識と無意識について

歩く時に…右足の次は左手そしてまた右足とか、意識はしないですよネ… つまり無意識。
人間(生命)の活動の大部分は、実は!無意識のうちにおこなわれていて、催眠術(暗示)はこの無意識の領域にはたらきかけている…らしいです🤔

3.催眠術を解く

催眠術はかけたら必ず解きましょう的なことが、啓蒙的にいわれます。
ところで… 催眠術(暗示)は 記憶 なのです。
記憶 はシナプスの不可逆的な変化なので、催眠術を解くといっても、シナプスを元に戻せるわけではありません。
つまり… 厳密な意味では、一度かけた催眠術を完全に解くことはできないのです。

そのことを知ったうえで、次の2ステップで催眠術を解く的なことをする…しかありません。

① かけた催眠術(暗示)を打ち消す催眠術(暗示)をかける。

ハリーポッターの反対呪文のように…
たとえば「手が開かない」の催眠術(暗示)に対して、
「日常生活では『手が開かない』など、体の自由が奪われるようなことは、絶対におこらない」みたいな感じで、元の催眠術を打ち消します。

そして、元の催眠術より 打ち消す催眠術を強くかける必要があります。

② かけた催眠術を忘れるように促す。

催眠術(暗示)の記憶を消すことはできません。
しかし、記憶は… 忘れるという性質をもっています。
被験者が、催眠術は完全に解けたと安心すれば、催眠術の回路にアクセスする必要がないので、やがては忘れることでしょう。
もしも被験者が、催眠術がちゃんと解けていないのではないかなどと不安を持つと、元の催眠術の回路へのアクセスを何度も繰り返してしまい… シナプスの結びつきが強まってしまう可能性があります。
つまり…自分で自分に、元の催眠術をかけなおしてしまうのです😅

そうならないように、充分に時間をかけて丁寧に催眠術を解く暗示をおこない…
被験者に、催眠術が完全に解けた!と、安心してもらうことが重要なのです。

余談ですが…

催眠術をかける時は一つ一つ具体的な暗示なのに、解く時は「今回の催眠暗示が全て解けます」的な、抽象的な暗示が(一般に)多くて…
催眠を解く重要性の認知度は高いのに、催眠術を解く反対呪文の認知度がイマイチ低い気がしています。

ちょっとひねった催眠術の解き方に…
「寝て起きれば催眠暗示は完全に解けます」的な、保険の暗示を追加でかけるやり方があります。
被験性は、「あぁ…催眠術は寝て起きれば解けるんだ〜」と思い込んで、安心するわけです。
なかなか良く考えられてますよネ〜こういうの素敵です。

善意の催眠術師が、素人催眠術師は催眠術をちゃんと解かないとか発言し…
不安を煽っているかのように、私には見えます。
当人に悪気はないと思いますが、結果的に“催眠術が解けない”を助長することになり… 催眠術は難しいですネ💦

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