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素敵だったことと、残念だったこと。

図書館の前を通ったら、シニアの男性がドアの前でウロウロ。中を覗いて手を振ったり、ドアを軽くノックしたり。

「今日は休館日ですよ」と声を掛けたら、「あぁ、やっぱりそうなのですね。落とし物を届けに来たんですが…」と、手に持ってたその図書館の会員証や可愛いメモ等が入ったカード入れを見せてくれた。

その男性は、なんと!隣の区に住んでいて、うちの区の交番で場所を聞いてわざわざ届けに来たそうな。
「交番に届けるのも違うだろうと思ったので」と。

なんて優しい!

何処の交番かなぁ…休館日って知らなかったのかな…と思いつつ、館内を覗きながら話を聞いていたら、若い男性が本を積んだカートを押して歩いてるのを発見。
なんだ、司書が中に居るじゃない。それも、確実に私達に気付いてる。

目があったので招くように手を振ったら、一瞬、目を見開いてから顔を顰めて…本を抱えて行ってしまった。
まさかの無視となっ?!

思わず「えー…」って声が出ちゃった私に、「あの方が此方を見た時に、何度か手を振って見てたんですが…」と苦笑。

なんて心の狭い司書なんだ…

例え閉館日でも、スタッフである自分を呼んでる人が居て、しかも、呼んでる人が増えた時点で『何かあったのかな?』って思わないもんですかね?


その場で電話もしてみたけど、自動応答でスタッフ捕まらず。
図書館の郵便受けって、本の返却口と併設で、壁に投入口が付いてるだけなので、そこに入れるのも抵抗があるし何か違う気がする…と。

結局、その優しい男性は「また後日届けに来ます。巻き込んで時間を取らせてしまってすみません。色々親切にありがとう」と帰って行かれた。
「引き取って代わりに届けましょうか?」とは言ったのだけど、「私が拾った物だから」と。

チラッと見ただけだけど、図書館のカード以外にも色々入っていたから、多分、見知らぬ人に渡すのは避けたんだと思う。
責任感の強い、素敵なおじいさまだよね〜。
それに比べて、あの若造…(とうとう若造扱いになってしまった司書(笑))


帰宅してから、おじいさまから聞いた町名をチェックしてみたら…徒歩で片道1時間近くかかるっぽい。
自転車でも車でもなく歩いて来てたよね…

徳が高い親切なおじいさまに幸あれ!!!

———

昨今、シニアの横柄な態度が云々と叩いてるのをネットやメディアで度々見かけるけど、帰国して4年、私が出逢ったシニア達は、皆、優しい人ばかりなんだよなぁ。
うちの父が一番短気なくらいだ。
でも、そんな父だって勿論、無闇矢鱈に怒鳴り散らしはしないし、至極真っ当なことでしか怒らない。

逆に、若者に嫌な思いをさせられたことは何度かある。私は、ね。
だからって、“近頃の若者は…” なんて言わない…少なくとも公では(笑)

だって。
気の良い若者も何人も知っているし、何より、私の知る世界や知識が全てではないし、正しくもない。そんなこと、あるわけがない。

Big wordを使うことが的確な話って、殆ど無いと思ってる。
そして、改めてそう思った、そんな出来事。

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