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大概のことはなんとかなるⅢ

長野の5月。一年中で一番爽やかな季節。
名古屋からの長野社会起業家セミナーは
陽だまりの家という宿泊型の研修施設で開催された。

陽だまりの家のサイトはこちら
https://www.hidamaristyle.com/

鯉のぼりが5月の空に泳いで、遠くの山にはまだ根雪が残っている。

長野は若い頃、八ヶ岳から槍ヶ岳そして穂高を回る白馬縦走をやった場所。
標高3180メートルの露天風呂がある山小屋に泊まった事が昨日のことのように思い出された。

真夏なのに雪が残り、満天の星に手が届きそうな露天風呂。山小屋では水や食料は命綱だからカップヌードルが一個500円とかしてたなー?

40年ぐらい前のことなのに私の脳はそんな些細なことまで記憶として残り長野の自然の中に身を置いたら蘇ってくる。ヒトの細胞って本当にすごいなー?を体感した朝。

話をマゴワヤサシイキッチンここから箕面店に

マゴワヤサシイキッチンここから箕面店オープン当日の朝4時に伊丹空港近くのホテルで飛び起きた。

「玄米の浸水忘れた!」

マゴワヤサシイ弁当には玄米に古代米(黒米)を入れて炊く。最近は炊飯器に玄米モードがあるから、昔はお世辞にも美味いとは言えなかった玄米もふっくらもっちり美味しくなる。それには10時間近く浸水しなければならない。

前日改装レベルの大掃除だったから、シェア店舗での作業にクタクタになって玄米の浸水をすっかり忘れてた!

慌ててグループのスレッドに「浸水わすれた!」の書き込みを!

私と同じく早起きのももちゃんからすぐに返事が来た。「わおー!ウチに昨夜浸水した分あるから持っていきます!今なら道も空いてるからお店に入れておきます」との有難いメッセージ。

ももちゃんはお店とは車で30分ぐらいの尼崎市に住んでるのに車を飛ばして届けてくれる。ママ脳のフットワークの軽さ!箕面店立ち上げ仲間のサポートに嬉しくなった。

すっかり目が覚めたのでホテルはチェックアウトして、明るくなってきた5時過ぎにお店に到着!

私が住む奄美市よりもかなり、日の出が早いのは東西に長い国なんだなって体感。以前北海道比布町に通ってた時は朝の3時に日が昇るのにビックリ!朝が早い私にとってはありがたかった。

お店に着いたら結局玄米浸水はテンチョーみっこがやってくれてて事なきを得た。しっかり者のみっこはいつだって抜かりない!私は結構間抜けなトコがある。

片付けもまだ残ってるし、仕込みもできてなかった。だから細胞が警告を発してくれたのかもしれないな?って、気を取り直して、早朝にこれたのはむしろ良かったと、ポジティブ思考に変換し、片付けの続きと仕込みを開始。

オープン当日は箕面店にエントリーしているママメンバーの殆どがスタッフとして入ってくれる。10坪の店内はかなり手狭になる。
導線をスムーズにしつつ、
副菜とメインの仕込みを開始。

マゴワヤサシイ弁当の特徴は食物繊維がたっぷりの家庭料理。
日本の伝統食の合言葉マゴワヤサシイは
マメ類
ゴマ類
ワカメ類
ヤサイ類
サカナ類
シイタケ類
イモ類
これらが全て入ってて
そこに日本人のソウルフードである
古代米入りの玄米と手作りお漬物。
そして、お湯を注ぐだけで温かいお野菜たっぷりのお味噌汁になる味噌玉が入ってる。これで800円はかなりお得。

そして、容器は子ども達の未来を考えるママ達ならではの「NO!プラスチック」という事で、紙製を使用。

細胞の事も環境の事も考えて取り組むマゴワヤサシイキッチンここからは未来に生きる子どもを育てる母親ならではの事業なのです。

8時過ぎには、テンチョーみっこが来てくれ、9時過ぎから次々とママスタッフがお店に入り仕込みや開店準備に拍車がかかる。
オープンの11時を目指してラストスパート!

11時を回った頃からポツリポツリとお店の前に列ができ始めた。告知はSNSとオープニングチラシだけ。メディアへのプレスをかけたものの取り上げてもらえず、内心本当にお客様は来てくれるのか?という不安も正直なところあった。

予想に反して、次々とお客様が来店。仕込みが後手後手だったシェア店舗はあっという間にカオス状態に。
ママスタッフが一丸となりチラシポスティングした成果がお店の前がお客さんがごった返すという嬉しい自体になったのだ。

以前小さなコンサル会社にいた時
社長から教えてもらったのは、「飲食は場所が悪くても定期的なポスティングでオーナーの顔を出したニュースレターなどでお店の想いや店長の人柄を伝えるとファンがつく」という事。

売り上げが上がらないのはお店が地域の中で知られてないか、わすれられてるだけなのだ。
ヒトは生きてる限り食べ続ける。今日のお昼ご飯を体に優しいマゴワヤサシイ弁当にしてもらうには、「忘れられない事」こんな単純な事をやらずに「暇だ!」とボヤいたりしているオーナーは飲食業界では生き残れない。
料理の味や見栄えは今の時代どこも美味しくてインスタ映えするから、そこへの努力は当たり前!それにプラスしてお店の個性を独自のメディアであるSNSを使い発信する時代になってるのだ。

沢山のお客様がご来店してくださったおかげで目標の50食はあっという間に完売!売り切れ後もお客様が来られて、残念そうに帰って行かれたのは申し訳なさも感じつつ、とても有り難かった。

そして、シェア店舗のメリットにも気がついた。夜のオーナーである息子もお昼前には来てくれて、近隣の商店への挨拶回りに同行してくれ、マゴワヤサシイ弁当をしっかり営業までしてくれた。

通常近くに飲食店ができたらライバルになったりするけど、シェア店舗だと共存になるのだ。

片付けと月曜からの通常営業用の常備菜などを仕込み15時には夜のオーナーにバトンタッチ!

すったもんだのオープン初日はテンチョーみっこ始めスタッフや地域の皆さんに応援してもらい、なんとか無事に終えることができた。

飲食は地域に根ざす働き方ができる。子育て中のママにとっては理想の職場なのかもしれないな?働く時間や目的さえ明確で仕組みづくりができれば、日本の食問題。そして働き方改革にもなる、飲食業界の人手不足も解消できるに違いない!と、いつもながらの妄想がまたまた膨らんできた。

しかしながら、それは、束の間の喜びに終わる。

この後、飲食業界の真の課題を甘く見ていただけだという事に気づかされる出来事が待っていた。

続く
#マゴワヤサシイキッチンここから

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