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心の揺らぎを探る

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2017年12月の記事一覧

心の痛みは誰にも測れない

当事者は語れない、と言われる。 「語れない」という言葉には、困っている人は「自分が何に困っているのか分からない」「困りごとを言葉にできない」という意味が込められている。 自分が何に困っているのか言語化して伝えられる人は、「真の当事者ではない」と言われることもある。 この表現には、心が痛む。 なぜ心が痛むのか。 それは、真の当事者こそがサポートすべき人であり、それ以外は対象者ではない。そう読み取ってしまったからだ。 本当に必要なサポートは何なのかたしかに自分の困りご

「つなぐ」のその先を考える

「サポートにつないだ後、どうなるんだろう?」と思う。 困りごとを抱えた人のサポートをする「ソーシャルワーク」。 ソーシャルワークには、目の前の人に向き合うことや、地域や社会に働きかけるなど、いろいろな側面がある。 現場から遠いところで働いている人には「サポートにつなぐ」という意味で使われることが多いように感じる。 もちろん、何かのサインに気づいて、つなぐ役割を担うことは重要。 ただ、少しだけ気になっているのは、「つなぐ」のその先をどう考えているのだろう、ということ。

乗り越えた自慢を聞かせてくれ

「幼いころに“虐待”を受けた子どもは、脳が萎縮する」 「子ども時代に家庭で傷ついた経験が、大人になってからの人格形成に影響する」 それは、分かったからさ。 じゃあ、大人になった私たちは、どう生きればいいんですか? 「事実を伝える」という名目で生まれた、虐待やDVのルポタージュ。 クリックされるために、煽るかのように「鬼畜」「罵る」「悲劇」という衝撃的な言葉ばかり並べられたタイトル。結末はきまって、バッドエンド。 彼らはこの先、どうやって奪われた自分を取り戻すんですか?