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#7 おはなしの種

ある日、私は見つけてしまった。猫と話せる公衆電話を。

またある日、散歩をしていると、鯨の形をした浮き輪が、ふわふわ空を浮遊していた。それも一つではなく、あちこちに。

そしてまたある日、何故か化石を掘り出していた。出てきた化石は、何億年も前から底に埋まっていたラムネだった。

切っても切っても短くならない長ネギを切り続けて、その切った輪切りの長ネギが、レインボースプリングみたいに動き出して、部屋で遊び始めていたり。

私が歩いてる道は、誰かの作った長い長いあみだくじで、ハズレに行きついてしまうと、そのあみだくじを作る番が回ってくる。

昔はノートに今はスマホに、10代の頃から書き溜めてきた夢日記。日記と言っても覚書のようなメモだった。
おばあちゃんは「夢から戻って来られなくなるから、そんなのやめなさい。」といつも心配していた。

ある日私は、そんな覚書から物語を書き始めた。
最後まで書けたもの、そして、途中で辞めてしまったもの。誰にも見せることなく、ただただ書き綴って、自分だけの空想に浸る心地の良い時間をこっそり続けてきました。

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