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#8 彼女との出会い

ある日、私は彼女に出会った。
仕事が煮詰まると行く、近所のカフェがあって、そこは広くはないけど、落ち着く空間で、手作りのお菓子がとても美味しく、小ぶりなので、つい2種類食べてしまうこともよくあった。
その日も、いつものようにシュークリームとダージリンティーを味わっていると、隣には可愛らしい女の子が座っていて、どうやら店主と仲が良いみたい。でも特に気にせずに、ダージリンティーを飲みながら、次に何を食べるか考えていた。
帰り際に、私が大きな荷物を持っていたことで話しかけられ、何となく自己紹介をして名刺を交換。あぁ、イラスト描かれているんですね…なんて会話をしてその日は帰った。

いつもは名刺交換しても、その人の情報を見たりしないのに、何故かその日は、その彼女の名前を検索してみた。すると、可愛らしい絵がいくつか描かれていた。ただ、あまりSNSをしないのか情報が少なかった。

数日後、いつものカフェで、シュークリームとダージリンティーを飲んでいると、ふと彼女を思い出して、カフェの店主に「彼女どんなイラストを描くんですか?」と尋ねると、カフェのショップカードを見せてくれた。

そのショップカードの他にも色々とイラストがあるらしく、どうやら彼女がこのカフェに預けて置いた作品らしい。

沢山、本当に沢山のイラストを見せてもらっていると、私の中で何かがムズムズしはじめた。むず痒いとも違う、痛みとも違う、謎の感覚が身体を駆け巡ったかと思うと、ふっと夢日記の、とあるシーンが私の目の前で、アニメーションのように、パラパラ漫画のように動き始めたのです。

夢日記のnoteでもお話したように、

中途半端なストーリーが多く、どの作品も結末までは書けてなかったのに、彼女の作品を眺めていたら、散らばっていたパズルのピースが、磁石に引き寄せられるように集まってきた。

居てもたっても居られなくなった私は、冷め切ったダージリンティーを飲み干し、立ち上がり、お菓子が並ぶショーケースでお会計を済ませ、予定では帰りにスーパーにいくはずだったけど、そんなのは後回し。
徒歩2分の家までダッシュして、あぁ、こんなにも家が近くて本当にラッキーだった。
と家に滑り込み、ベットサイドの古い引き出しから取り出した夢日記をパラパラとめくると、見つけたのが2015年10月18日に見た夢だった。結末を迎えることなく書かれはじめた小さな物語が、彼女のイラストを見たことによって、少しずつ動き始め、その日の夜にはもう書き上げてしまった。

彼女の名前は
中村まふねさん
イラストからも伝わる柔らかく、優しい人。
アーティストとしての芯の強さも感じ、時より見せる不器用さも魅力のひとつです。
少しだけ彼女の作品をご覧ください。

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