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ハクサイ 「御嶽はくさい」

「御嶽はくさい」は、長野県の西南端の飛騨・木曽山脈に囲まれた山間地で栽培されています。
木曾地域は標高300~1300mに農耕地がありますが、木祖村、開田村を中心とした1000~1200mの冷涼な気候の栽培で、高い品質を誇っています。
昭和28年の導入から栽培を拡大し、「御嶽はくさい」のブランド産地として、1966年に野菜指定山地に指定されました。
当初、レタスやキャベツも導入したものの、レタスには降水量が多く、キャベツは玉揃いが悪いため、ハクサイが好適とされたようです。

指定産地のご多分に漏れず、連作障害の「根くびれ病」や「根こぶ病」の発生が増え、価格不振や労働力不足も加えて減少が続きます。
他産地は根こぶ病が脅威でしたが、御嶽はくさいは根くびれ病が致命的な病害で、俗称「ポックリ病」といわれるように、本葉が5~6枚の頃、地際部が折れて生育不能になるものでした。
昭和53年以降、臭化メチルの土壌消毒が防除技術になり、栽培はまた安定化していきます。(臭化メチルは、モントリオール条約により2010年に全廃しています)

御嶽はくさいの栽培の大きな特徴は、直播き栽培にあります。
直根が伸びるため、根張りが良くなり、効率よく肥料を吸収することで玉伸びが良く、揃うといわれます。
栽培日数が短くなり、生理障害の発生が少なくなることもあり、今もその体系が続いています。
他産地では、間引きの労力と病害虫防除の手間から、直播きは敬遠されます。


直播き栽培/試験地


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