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不登校は本人の不安への対応を最優先してほしい

SCさんや専門家から見ると、「元気が出たら自分から動き出して登校するようになります」という考え方が一般的なのかもしれない。

ただ、息子は動かなかった。家では暇、暇、と言っていても学校へ行こうとはしない。登校できずに家に引きこもっていても、学校の先生は何もできない。見守りましょう、本人の気持ちを優先しましょう、という言葉を信じて待っていても、半年間何も進まなかった。

母には限界が来た。

これまでの経緯となぜ誰も動いてくれないのか、というレポートをA4 8枚書いて学校と教育委員会に提出。他に方法が思いつかなかった。

人間、何か行動を起こさないとやる気スイッチが入らない。脳科学でも証明されているそうだ。今では見守りは放置することではない、と断言できる。
それからも何度も何度も学校に訴えた。

エネルギーを取り戻す工夫をしながら息子とも何度も家庭で話し合いをして、一つ分かったことがある。

「本人の気持ちを優先する」のは間違っていない。ただ、
「本人の本当の気持ちを周りが理解しているか」ということ。

息子は学校に行きたくないのだと決めつけていた。
自分は本当はどうなりたいのか、とじっくり話を聞くと「本当はクラスの子と一緒に授業に出られるようになりたい」のだった。でも簡単にはできないから葛藤している。不安でいっぱいなのです。

そうか!それなら、ゆっくりだけど、少しずつ慣れるように母は学校と交渉するからと話した。

それから事態は一転した。

まずは学校に足を運ぶため、唯一仲良くしてもらっている友達と別室で給食を食べさせてもらう。安心できる居場所を確保する。
誰とも会いたくない、話したくないと言っていた息子が少しずつ話せるように。
先生にも何度もお願いをして、クラスの子と少しずつ話ができるように他の子にも給食に入ってもらう。
給食を食べ終わったらボードゲームなどをして、友達と楽しい時間を過ごす。

4月から取り組んで、6月の修学旅行にも一部だが参加できた。
元気を取り戻してみるみるエネルギーが湧いてきた。

給食で食べられないメニューがある時は、調理実習と題して何かを作ろう!と提案してくれた。

正直、公立でここまでの対応をしてくれるところは少ないと思う。
昨年度から赴任した校長が理解のある方だったからという幸運に尽きる。

今はSCさんも療育も相談は中止している。
専門家の意見も聞いてみると良いけれど、100%正しいのではない。
やはりその子その子の対応が違うし、本人を知らない専門家より本心が理解できるのは一番身近な親だけなんだと思う。

もちろん、学校に戻ることが正解ではない子どももいるだろう。大切なのは、本人がどうしたいのか。選択肢を与えて、選んでもらうのでも良い。目標が決まれば自然と何をすべきかが見えてくる。

親が子どもに歩み寄って、本当はどうなりたいかという話ができると良いと思う。それを少しずつでも叶えてやることができたら、親子関係にも信頼が生まれ、子どもは自信を取り戻していけるのではないかと感じる。

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