魂の踊り:大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎
40年ぶりに、大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎さんの踊りを観てきました。
初めて観たのは、当時ギリヤークさんの追っかけをしていた友人から誘われて、数寄屋橋でのことでした。その後、何度か観る機会に恵まれましたが、その圧倒的な存在感は忘れられません。
津軽三味線の音色に合わせて、褌一丁で踊るギリヤークさん。地面を這いずり回り、鬼気迫るその姿は、まさに魂の踊りそのものでした。
それから56年もの間、踊り続け、96歳となった今でも大勢の観客を魅了するギリヤークさん。車椅子に座り、黒子3人に支えられながら、ほとんど体を動かすことなく踊っている姿は、もはや踊りというよりは、その存在自体がパフォーマンスという印象を受けました。
しかし、そこに漂うのは、確かな「踊り」の魂。ただそこに立っているだけで、観客から拍手を浴びるギリヤークさん。狭い駐車場にぎっしりと詰めかけた観客は、みな温かい眼差しでギリヤークさんの踊りを鑑賞し、一喜一憂していました。
ギリヤークさんは、もはや「生きていること」それ自体がエンターテイメントなのです。どんな姿になっても踊り続けるその姿勢に、深い感動を覚えました。
今回、ギリヤークさんの踊りを観る機会を与えてくれた友人に、心から感謝しています。
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