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魂の踊り:大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎

 40年ぶりに、大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎さんの踊りを観てきました。
初めて観たのは、当時ギリヤークさんの追っかけをしていた友人から誘われて、数寄屋橋でのことでした。その後、何度か観る機会に恵まれましたが、その圧倒的な存在感は忘れられません。
津軽三味線の音色に合わせて、褌一丁で踊るギリヤークさん。地面を這いずり回り、鬼気迫るその姿は、まさに魂の踊りそのものでした。

 それから56年もの間、踊り続け、96歳となった今でも大勢の観客を魅了するギリヤークさん。車椅子に座り、黒子3人に支えられながら、ほとんど体を動かすことなく踊っている姿は、もはや踊りというよりは、その存在自体がパフォーマンスという印象を受けました。
しかし、そこに漂うのは、確かな「踊り」の魂。ただそこに立っているだけで、観客から拍手を浴びるギリヤークさん。狭い駐車場にぎっしりと詰めかけた観客は、みな温かい眼差しでギリヤークさんの踊りを鑑賞し、一喜一憂していました。
ギリヤークさんは、もはや「生きていること」それ自体がエンターテイメントなのです。どんな姿になっても踊り続けるその姿勢に、深い感動を覚えました。
今回、ギリヤークさんの踊りを観る機会を与えてくれた友人に、心から感謝しています。

ギリヤーク尼ヶ崎1
ギリヤーク尼ヶ崎2

ギリヤーク尼ヶ崎について

概要
ギリヤーク尼ヶ崎(本名:尼ヶ崎 勝見、1930年8月18日 - )は、日本の大道芸人、舞踊家。北海道函館市出身。

*芸名の由来
自身の風貌がロシアサハリンの先住民族であるギリヤークに似ていることから。

*経歴
* 1968年、大道芸人としてデビュー。
* その後、世界各国で公演を行い、「伝説の大道芸人」と呼ばれるようになる。
* 阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災地に赴き、「鎮魂の舞」を捧げる。
* 2023年現在も、精力的に活動中。

*芸風
激しい動きと豊かな表情を伴う、独創的な舞踊が特徴。
即興で観客を巻き込むパフォーマンスも行う。

*主な活動場所
* 京都の清水寺周辺
* 神戸
* 東京

*受賞歴
* 1983年:第1回朝日舞台芸術賞
* 1994年:第1回神戸演劇賞
* 2002年:毎日芸術賞

*著書
* 『ギリヤーク尼ヶ崎という生き方』(2013年、平凡社)

*その他
* 2023年6月には、京都市内で93歳を記念した公演が予定されている。

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