山種美術館「日本の風景を描く」

山種美術館で2月26日まで特別展「日本の風景を描く」が開催されています。

この絵は懐かしい渋谷駅前の風景。描かれたのは1985年だけど、ついこの前2020年までは確かにこんな感じだった。実物を見た感触よりも、今この写真を見直した時のほうが、下部分のバス停の屋根部分、濡れた路面に映る人影がよりリアルに見えるような気がして不思議。

米谷清和 「暮れてゆく街」 山種美術館蔵

あとは石田武《四季奥入瀬》の連作全4点。上記美術館のリンク先で作品を見ることができます。まるで川の水音が聴こえてきそうな、マイナスイオンが漂うかのような空間でした。夏の絵の右下部分にはかわいいカワセミが飛んでいます。絵葉書では小さくなってしまうので、実物を見てほしいです。本当に癒されます。しばらく椅子に座って絵を眺めていると、涙が浮かんできました。心洗われるってこういうことをいうのでしょうか。
「37年ぶりの展示」というのが誇らしげに見えました。とても大きな絵なのですが37年間の間はどこでどうしていたんだろう。。。と気になってしまいました。

他には歌川広重の「東海道五拾三次」の日本橋や品川、黒田清輝、川合玉堂、横山大観、東山魁夷・・・などなど、日本人画家の作品とはいえ手法もテーマもバリエーション豊か。軸装も額縁もなんでもありです。

海外の美術館や作品展なら作品はほぼ額縁に収まっており、時折額縁の方に見入ってしまうこともしばしばなのですが、日本画は絵巻物・襖絵・軸装など色々。扇絵もありますね。そういう幅広さ奥深さが、私を惹きつけるのかもしれません。

そんな中で佐伯祐三の描いたパリのレストランの絵は異色、ちょっと気になりました。「日本の風景」ではなくパリですからね。作者30歳の若さで亡くなる前年の作品とあり、なんともったいないことか!と驚嘆とため息。このnoteを記すためにWEB検索したら、ちょうど回顧展が開催されるというではありませんか。

なんと引きの強い私。芋づる式再び。
二度あることは三度?柳の下のどじょう?
とにかくまた行きたい展覧会が増えてしまいました。


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