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東京国立近代美術館「大竹伸朗展」

*見出画像はチラシより拝借しております。「残景0」大竹伸朗 

招待券をいただいておきながら、正直に申し上げて私は大竹伸朗さんを存じ上げず、他の展覧会に夢中だった私。すでにご覧になった方の熱いnote記事を横目に、そのうちそのうちと思っているうちに見逃すところでした、危なかったー!

ただものならぬオンパレードのチラシにタジタジ

チラシを見ると「私の理解の範囲を大幅に超えている」ことは容易にわかり、これは理解しようとしてはならないものだ、ただ感じに行こうと心して美術館へ。
感想を一言で言うなら「世の中には想像を超えたすごい人がいるものだ!」ということ。作品の数、技法、バリエーション、見る者に与える心のさざめきが圧倒的に多い。見終わったら脳みそグニャグニャになって、なんでもありなのねと妙な納得感。おおらかな気持ちになれました。親子連れのお客さんも見かけましたが、小さい頃にこういう作品に出会うのはすごくいいかもと思います。

斬新だなと思ったのは、作品に解説もタイトルも付いていないのです。各作品の横に番号があり、スマホにダウンロードした作品リストでタイトルや制作年を確認します。解説はテーマの紹介だけ。その分作品に没入できてよかったです。

「アンディ・ウォーホルの肖像」 この細かい線!
「残景32」 家の間取りを上から眺めたみたい

「憶景」とか「時憶」といったタイトルのついている作品、大きな面を様々なもののコラージュで埋め尽くしているようなもの。よく見るとガーゼのような布や外国語(タイ語とかアラビア語?)の印刷物を使っていたりして、でも全体で見るとそれがまとまった一つの作品になっている。こういうのはよく大きなビルのロビーとかにさりげなくあったりするの抽象的な作品を思い出させるな、と感じてみたり。

チラシのオリジナルでもある「残景0」
キラキラ感を伝えるのは難しい!
「New Boots」右下はハート♥️ に見える

「網膜」とついた作品は、「目を閉じた時に見える残像のようなものを表現したいのかもしれない」と想像してみたり。

ペンで細かくつけたようなハネ点、波線は音を表現しようとしているのかな。

人間、とりわけ女性の写真を使ったコラージュやスクラップブック。地球上のありとあらゆる人間や、人々の活動を表現したカタログみたい。
ちょうどケニアに出向く友人を思い出して、報告。

「ナイロビⅥ」 枠に描かれたバラ🌹

空間を埋め尽くすモノ・モノ・・・なんでここに自転車のタイヤが置かれた?広告チラシが貼ってある?きっと理由なんかない、そこにあったからつけといた、のかもしれない。
…ここまで考えて、
「既にそこにあるもの」ってテーマ、
とても腑に落ちました。

「モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像」(部分)ギターを自動で演奏してる装置 
ロックだぜ!と言ってたかどうかはわからないけど
「ダブ平&ニューシャネル」ステージ部分
なんだかもうあふれ出てる感満載
「東京-プエルト・リコ」
枠に漫画が!こういうのみつけるとうれしい

結論:見に行ってよかったです。
具体的なものも抽象的なものも、全部ひっくるめて、人間の奥深さとか複雑さといったものを形にして見せてもらったような気がしました。

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