泉屋博古館東京 「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101
noteを始めてから、美術館の記事をあげるハードルが上がってしまった気がする。素晴らしいものがありすぎて、でも記事にする時間が割けなくて、時間が経つうちにお蔵入りになってしまった展覧会も結構出てしまった。
泉屋博古館東京も、この春先に出かけた青銅器コレクションの展覧会が素晴らしく、写真もたくさん撮り、選ぶのが本当に大変になってしまい、結局記事にできなかった。そんなわけで今回はもう少しゆるりさらりと書いてみようと思う。
大阪市立東洋陶磁美術館の安宅コレクションが出張してきてくれている。私のお目当ては国宝の茶碗「油滴天目」だが、これ以外にも心躍る作品がたくさん、私はきっとこのコレクションを集めた安宅さんと仲良くなれそうな気がすると、勝手に親近感を持ってしまいました。
この壺は色合いが本当に綺麗でため息もの。
なのですがどう角度を工夫しても、ガラスが反射してしまう。ダイカット絵葉書も売ってたけど、実物の素晴らしさには及ばず。
コレクターが並べて展示するのが好きだった2つの壺
まるでレースのような縁取り模様の美しいお皿
ダイナミックなものから繊細なものまで。
チャーミングな虎🐅
よーく見ると蓋にお花の絵が!
化粧道具を納める箱 いかにもキレイになれそう
緑もトーンが違うと雰囲気も変わりますね
エメラルドか翡翠か。焼き物でこんな色になるのが不思議
隙なくヒビ模様の入ってるのが、モダンに見える。
「気をつけ」の姿勢の人間みたい。
青銅器の影響を受けている陶器も。
上の作品はまさに青銅器から模様を写し取って焼かれたもの。下の作品も足元の顔がなんともいえません
さぁお待ちかね、国宝のひとつめ。模様は偶然できた形かもしれませんが、ハート型に見えるものもありました。大阪の豪商、鴻池家伝来。見事なプロポーション、スタイル抜群です。
そして本日のお目当て、国宝 油滴天目です。
圧倒的な存在感は、縁取りの金の効果大きいですね。ピカー🌟それもそのはず豊臣秀吉が持っていたのですから。この金は、日本に伝わってきてから、純度の高い金がつけられたのではないかと。
油滴のきめ細やかさ、美しさ、ムラのなさ。
光がしっかり当たるとブルーグレー
その周辺の側面はローズピンクっぽくも見える
何分間でも眺めていられます。
でも会場出てショップで販売されていた「日本の名碗集」みたいな写真集みたら、油滴の色が金色に写っていて、ちょっと衝撃。何の光を当てたらこう写るのか?
国宝のお茶碗といえば静嘉堂の曜変天目が一番よ!と思ってましたが、ちょっと価値観変わったかも?美術品としての一番は、静嘉堂文庫の曜変天目で、
茶道具としての一番は、こちらの油滴天目かな。
薄暗い茶室で見たら、縁取りの金は輝くことでしょうし、秀吉の作った黄金の茶室で見たら、周りの金を反映してまた違う色に見えるのかもしれません。
お目当ての茶碗を見ることができて眼福!
そんな私の小躍りする気持ちを表現してくれてるかのような作品
女性の頭の髪飾りが蓋になってて、向かって左手から水が出るしくみ、右腕は持ち手。よく見ると衣装の模様も素敵に描けてますね。
あ、木の葉天目も忘れちゃいけない。こちらは重文です。葉っぱは桑の葉だそうです。
今は見えなくなってしまったけど、金彩で梅の花などが描かれていた跡があるとのこと。でも私はその絵がない、今の表情が好きだな。
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