「なぜ?」を気にする人への指導法 2020/11/20

こんにちは。佐々木です。
なんだか暖かい日が続きますね。


さてさて、先週「英語が苦手な人」の話をしました。

英語が苦手な人は、英語の文法に対して
「何それ?」「どうして?」と思ってしまうタイプであることが多い、
みたいな話です。


英語を学ぶ上では、
「なぜ」よりも「どうやって」を優先して、
英語を使いこなすことを考えた方が速いんですよね。


その上で一番難しいのが、
このことをどう教えるかです。

「三単元のsがなんなのか?どうしてつくのか?
そんなこと考えなくていいから、そういうものとして覚えて」


教える人はこういう言い方しかできないし、
これが全てなわけですが、
これを言うと教わる人は不完全燃焼を起こすか、
突き放された感じを受けます。

それが不振につながったり、英語嫌いにつながったり。

ではどうするべきかというと、
教える人にわかるように伝えることですよね。

まず、その視点を褒めること。
「疑問を持つことは大事なことだし、素晴らしい才能だよ。」

でも、英語を学ぶときは、そういう疑問は持つ必要がないこと。
「例えばスマホでゲームをする時に、
このゲームはどうやって動いているかとかよりも、
どうやって遊ぶかを考えるよね?
それと同じで、英語では「なぜ」ってあんまり考えないほうがいいの。
それよりもゲームのプレイの仕方、英語の使い方を覚えようね」

それを伝えた上で、英語の「なぜ」はめちゃくちゃ難しいこと。
「どうしても知りたいなら話すけれど、
すっっっっごい長くなるし、難しい話よ?大丈夫?」
(ここでみんな、「じゃあいいです〜」となります)

そういう話を、面倒くさがらずに、何度も伝えることが大切、と思っています。
あるいは、ある程度偏差値の高い子が相手なら
「なぜ」を話せる限り話してしまうのもありです。

意外と興味を持ってくれたりもしますし、
話が長くなることを悟ってくれたりします(笑)。

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ちなみに三単元のsとは何かというと、
「屈折」という現象の名残です。
フランス語やドイツ語に触れたことがある方ならわかるかもしないのですが、
ゲルマン系の言語やロマンス系の言語は、
主語の性別や数量によって動詞の語尾が変化します。
これを屈折といいます。

これが、フランス語やドイツ語にはあるのに、
英語にはほとんどないんです。

なぜかというと、英語は他のゲルマン系の民族と接触する際に、
「屈折あるとわかりにくいよねー」的な感じで
屈折をなくす方向に進化したからです。


で、屈折を切り落としまくってきたのですが、
なぜか三人称単数系の時につけるsだけが残されました。
(なぜそんなことになったのかが英語史の研究対象なわけですね)


まあ、ざっとこんな感じです。
言語って面白いですね。

え、面倒くさいですか?

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ご要望があれば、英文法の話、英語の歴史、英語雑学、
いくらでもお話しします。


英語は歴史も文法も語彙もオリジナリティがたくさんで本当に面白い。
「いいから覚えて!」と言ってしまうのはもったいないくらいです。


生徒さんにはできるだけたくさんの話をしたい。
そういう気持ちで私も勉強を続けています。

こんなご時世なので、スカイプやLINE電話など、
テレビ電話を使った指導も可能です。


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