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ジレンマ

年をとると、やれないと思うことが増える。
考えることさえやめてしまうことが、たくさんある。やりたい!に正直に駆けまくっていた20代までとは違い、現実に手足を縛られている。

昔だったら出来た、でも今は出来ない。今を言い訳にして、踏み出さないことが増えていく。何より、怖いものが増えた。何かを始める前に、その大変さを推し量るものさしが増えたのだと思う。あのときより大変そうだ、きっと今より辛い。大人になるにつれいろんなものさしを持ってしまったことで、新しい何かに踏み出す勇気を失ってしまった。

でもほんとは誰だって、前に進みたくて、背中を押してほしくて仕方ない。
変われる自分とか、もっといい未来とか。そういうものを想像して、現実との秤にかけて諦めて。人生そんなことの繰り返し。

でもひとつだけ確かなのは、背中を押すのはいつだって、最後は必ず自分だということ。全てをお膳立てしてもらえる子どもとは違って大人は、自ら選び、進まないことには人生を編んではいかれない。「誰か」と「いつか」ほど、アテにならないものはないのだ。

…と、わかっていてもそれでも、人はなかなか大きく前には進めない。今が安定していればなおさら。だから今日も、大人は悩む、迷う。そうしてもがいているうちに少しずつ、軌道修正はできていく。日々、スモールステップ。ビッグウェーブになんておそろしくて飛び込めないから、悩み迷いながらおそるおそる、軌道修正して進んでいく。

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