1/25 脳が咲いちゃった、って話
幼稚園のときの話。
ある日、知恵ちゃんとままごとをしていたら「ポコッ」とワインの栓が抜けたような小気味良い音がして、「なんだろう」と顔を上げたら知恵ちゃんの頭のてっぺんから何かが勢いよく噴き出ていた。
それは文字と記号と数字を重ねて適当に線を間引きしたような、読めそうで読めない何かだった。色とりどりに彩色されて、しゃぼん玉のようにしばらく宙をふわふわと漂ってからパチンと弾けてしまう。
知恵ちゃんの脳みそが咲いちゃったんだと私は思った。知恵ちゃんの脳みそに種みたいなも