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夜空を見上げると思い出す話

だいぶ恥ずかしい文章(ポエム?)なので、全然読まなくて大丈夫です。

三年と少しお付き合いして同棲(色々あり二ヶ月で終わった)までした彼がいました。
少し年上で、身長が同じくらいで、優しく純粋でプライドが高く可愛い方でした。

好きでした。

デートの時は私に合わせてくれるし、電話にもすぐ出てくれたし、少し頼りない所はあったけれど、私がカバーすれば良いと思ってました。
アパートを探す時も、結局は彼の地元の県に住んで。夜ご飯を作りながら帰りを待つ時間も。
たまには「嫌い」が顔を覗かせる事がありましたが、概ね順調でした。

とある日の帰り道。

珍しく帰りの時間が合い一緒に帰りました。
あまり一緒になる事が無いので、私はうきうきしてました。あれそれが冷蔵庫に無いからスーパーに寄ろうと電車内で言い、家の最寄駅に着きお店まで歩いている時に見事な満月が出ていたんです。「お月さま綺麗だね」と言ったら彼は、「月なんてどこにもないよ」って言ったんですよね。

それで愛想が尽きました。

そんなことで、って引かれると思います。
でも、その冷たい言葉は私に突き刺さって抜けませんでした。

そうですね。
彼の立っていた場所からは見えなかったのかも。彼は残業続きで疲れていたのかも。だいたい買い物も全然乗り気じゃないくて早く帰りたかったのかも。そう、考えていました。

後日実家に帰る事があり、夕方に父と車に乗っていた時がありました。
その時は白い月が出ていて、綺麗だな〜って眺めていたんです。そしたら父が「今日の月はデカいなぁ」って言いまして。
ハッ、としました。

そっかぁ、って。

疲れとかそういうものではなくて、育ってきた環境とかその人の性格の問題なんだな、って思いました。

両親や周りの方々は月を見て「どこにもない」と言い放ち、それで終わりにする人はいなかったんです。「どこにあるの?」とか「そこにいったら見える?」とか言ってくれる人だったんです。

思えば、彼は花や空やを愛でる人ではなかったと今では思います。
私は植物、水族館、博物館が好きでデートの時も良くコースのリストに入れてました。
彼は良いよと言って付いてきてはくれるけど、ただただ黙って展示物を眺めて、私がこれすごいねとか言っても、「うん」としか言わなかったな〜と。
すんごくつまらなかったんだと思います。
申し訳ないことをしたな。

月を始め、草花、空、水だとか、“自然” って誰もが好きだと思っていたんです。
人間だって自然に生かされている生物だから、無意識に欲して、心惹かれるものだと思っていました。
でも違う。みんながそうじゃない。

だから、彼の発言は今となってはただただ、私にとっては価値観の違いを教えてくれた言葉となってます。

面白いですね。
月なんか見上げない、綺麗な誰かさんと幸せになってくださいね。


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