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[PoE]マナスタッキング・マナフォージアローの仕組みについて

PoE3.21で新たに追加された「マナフォージアローサポート」。

弓ビルドで「フレンジー(ヒット時にフレンジーチャージを得られる)」や「クリティカル時パワーチャージサポート(クリティカル時にパワーチャージを得られる)」などにリンクさせれば、メインスキルを打っているだけでお手軽にチャージの獲得やデバフのばらまきができると重宝されている印象です。

この記事では、このサポジェムの(トリガー役としてではなく)赤線部=「マナコストに応じてサポートされたスキルの与ダメがスケールする」点に着目した「マナスタッキング」ビルドについて、自分なりに学んだことを記事としてまとめていきます。

日本語情報が見当たらなかったため、下記動画(英語)及びpobを主に参考としています。また、私自身は組んだことがないのですが来季試してみようかなと思っており、自分なりに理解を深めるためにこの記事をまとめています。語学力の問題や知識不足で誤った情報が含まれるかもしれませんが、その点ご了承ください(変なところがあればコメント等でご指摘いただけると嬉しいです)。

※初心者の方に向けて念のため書いておきますがここで紹介するビルドはメイジブラッドをはじめ高額なセットアップを要求しており、スターターや初心者向けビルドとしておすすめするものではありません。

参考文献

UP主はビルドオブウィークで紹介された「マナボンドHE」の作者の方のようですね。実際、ギア構成やツリーもぱっと見かなり近いものがあります。

こちらが動画上のビルドのpobです。高そう。アセンダンシーはハイエロファント(HE)です。この動画のアップ時点でデルヴ1300層あたりまでプッシュできているようで、火力も硬さも折り紙付き。

「マナスタッキング」の主な機構

バカみたいに高いDPSのソースとなるのが、17,000ほどの大量に積まれたマナです。マナをスタックすることがどのようにDPSに貢献するか、具体的に見ていきましょう。

マナコスト1ごとにサポートされたスキルのヒット及び状態異常のダメージが1%上昇(more)する

マナフォージドアローのジェム説明欄より

マナフォージアローがリンクされているスキルのマナコストが高ければ高いほど、ダメージが上がります。スキル自体のマナコストを上げるために活用されているのが「インディゴン」です。

※日本語の場合表記されていないが、スペルダメージ増加の上限は2000%

直近マナを合計200消費するごとにスキルのコストが(50-60)%増加する」という効果により、自身のスキルのコストを大きく跳ね上げていきます。

さらに、直近マナ消費量によりスペルダメージのバフも(2000%上限で)得られますが、こちらは今回弓のアタックスキルなので特に意味なし。

とはいえ、インディゴンのモッドの効果を大きく発動させるには、何らかの方法で一度大量のマナコストを消費する必要があります。そこで「アーケインクローク」の出番です。

消費コストがマナの現在値の割合によって決まる(レベル20で64%消費)

参照元のビルドでは「相違の(divergent)アーケインクローク」Lv21を用いており、現在マナの66%が消費され、得られたバフの効果が10%増加されています。最大マナが17,000とすると、最大時で使用したとすれば11,220のマナを一度に消費することになり、12342のダメージをバフで軽減できます。

これによりスキルのマナコストは爆発的に伸び(※)、しかもその状態でメインスキル&トリガーされるマナフォージドアローを打ち続けることでもマナが消費されるため、直近(recently, 過去4秒間)で消費されたマナコストの合計はさらに積み上げられる、という仕組みになっているようです。

(※)マナ最大時のアーケインクローク1回で、マナコストは(11,220 / 200 = 56.1より)50% * 56 ~ 60% * 56、すなわち2800%~3360%増加することになる

また、アーケインクロークを使用することで、スキル発動時に消費したマナの14%(ジェムLv20の場合)の値を追加の雷ダメージとして得ることができます。これも無視できないほどの大きなフラット値になります。

さらに、「異常な(anomalous)マナリーチサポート」の品質効果「直近200マナを消費するごとにサポートされたスキルのダメージが(0–10)%増加する」によっても、ダメ押し的にダメージの積み上げがなされています。こちらはインディゴンのような上限はありません。

参照元のビルドでは弓に「ソケットされたサポートジェムの品質+x%」のモッドをクラフトし、マナリーチサポート経由のダメージ増加量をさらに伸ばしています。

作者のpobより

弓にはマナフォージアローがリンクされたストームレインがソケットされており、増加、上昇共に尋常じゃない数値になっています。

なお、作者は1秒間に最大マナの2倍を消費し、それが4秒間続くという計算を基に、直近4秒間の消費コストを130,000(最大マナ約17,000 * 2倍 * 4秒 = 136,000が根拠?)として計算しています。動画で見た限りでは「1秒間に最大マナの2倍を消費」という点の根拠がちょっとわからず、実際に触って確かめてみるしかないかもしれません。

以上をまとめると、「マナスタッキング」による主要なDPS源は

(1)スキルマナコストかさ増しによるマナフォージアローサポートの上昇(more)効果
(2)マナコストの大量消費による「異常なマナリーチサポート」の増加(increase)効果
(3)現在マナの割合から決定される「アーケインクローク」によるフラットダメージ

の3点となります。おまけで「シギルオブパワー」もシナジーがありますね。

「マナスタッキング」の実現方法

・筋力(str)と知性(int)をスタックさせる

筋力1,283 / 知力1,722

マナを大量に確保するためには、パッシブツリーのマナ関連を取れるだけ取るのはもちろんのこと、知性をできるだけ上げることが必要になります。知性2ポイントごとに最大マナが+1されます。

筋力は最大マナには直結しませんが、「シェイパーの接触」を用いることで、筋力4ごとにマナが+1されるようになります。

ES、回避力も稼げる

これら能力値もツリーで稼ぐほか、装備でもしっかり盛っていきます。また、特定の能力値をスタックさせる際に定番のユニークジュエル「分裂した人格(Split Personality)」も活用されています。

力+5 / 知性+5 のモッドのものを2つ採用
左上のクラスタージュエルに2つはめ、そこまでの経路をできるだけ長くする

ちなみに、筋力、知性をスタックさせる都合上、能力値に応じてアタックのフラットダメージを稼げる「ポイズドプリズム」がぴったり。

3.21で追加されたウィドウヘイルとの組み合わせも人気があったみたい

「禁じられた炎/肉体(Forbidden Flame / Flesh)」セットで「正義の摂理(Righteous Providence)」のパッシブを取ればクリティカル率も簡単に100%に。

HEはアセンダンシーのパッシブ効果により、最大マナの20%をESとして獲得できます。後述の通りライフはミリしか残らないのでESが積めるだけ生存性が高まります。

・オーラはライフでリザーブする

オーラのほとんどがマナを割合でリザーブしてしまうため、大量にマナを消費できるようにライフでリザーブします。

作者のビルドではアークティックアーマークラリティヴァールディシプリンを異常な傲慢(Arrogance)サポートでライフリザーブしています。

指輪の10%+AltQジェムの4%のリザーブ効率上昇に加え、頭のコラプトモッドでソケットされたジェムのコスト&リザーブを90%にすることでぴったり1残るという見事さ。

加えてグレースエターナルブレッシングサポートで張っています。でたみじゃないのは、グローブで回避が稼げているのとガードスキルで軽減できる値が大きいからなのかなと。

肝心のESは装備や大量の知性等から20,000近くほど積み上げられているため、アーマーもブロックもスペサプもない割には硬いです。EHPはアーケインクロークのバフ込みで150kほど。ただし、混沌属性は基本的にESを貫通してしまうため、胴体は「象牙の塔」を採用して混沌被ダメをマナで受けることで対策しています。

このビルドにとって無駄なモッドが一つもない

・インスタントリーチでマナとESの回復量を確保する

大量のマナを消費する都合上、激減したマナを急速に回復させる必要が生じます。クラリティやゼロッツオースなど、自動回復(regen)の量を増やすのはもちろんのこと、リーチも最大限活用します。

ここでポイントとなるのがインスタント(即時)リーチです。

3.21のマスタリー変更で追加(復活?)

リーチの仕様については別記事でまとめています。

リーチは通常であれば一度に回復できる量が決まっており、どれだけ大きなダメージを高頻度で与えようが、その量を超えた分は破棄されてしまいます。しかし、インスタントリーチはこの制約とは関係がないため、敵にヒットさせる度に一定量を即時に回復させることが可能になります。

そのため、作者は主にシングルターゲット用にヒット数の多いスキルとしてブラストレイン-マナフォージドアロー-カリングストライク-マナリーチサポートの4Lでより頻繁にマナが回復できるようにしています。

おまけ:マナボンド型の場合

このビルドの原型ともいえるマナボンドHEの場合、「ミョルナー」と「スクワイア」で6Lマナボンドをトリガーし、胴体には「サイクロン」「クリティカル時キャストサポート」で「アーク」をトリガーさせるという構成が一般的のようです。

記事執筆時点(3.21最末期)でも40dくらい
マナの現在値を参照した基礎雷ダメージを与える

ちなみに作者は「マナボンド型はスキルを打つために立ち止まらなくてよいのが大きなアドバンテージだが、DPSの面ではマナフォージドアローの方がやばい」的なことを動画で言及していました。

構成についてはpoe.ninjaで「マナボンド」で検索すればたくさん出てきます。


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