「東京の合計特殊出生率が１未満」という記事について

今朝は曇りでそれほど暑さは感じなかったのですが、
明日以降も日ごとに蒸し暑くなってくるようです。
熱中症も少し頭に入れておいたほうがいいかも？

今日は、合計特殊出生率のお話。

去年の合計特殊出生率 1.20で過去最低に 東京は「1」を下回る。
NHK 2024/6/5

厚生労働省は、2023年の「人口動態統計」の概数を、5日に公表しました。
1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20でした。1947年に統計を取り始めて以降、最も低くなりました。前の年を下回るのは8年連続です。すべての都道府県で、2022年よりも低くなりました。最も低かったのは、東京都で0.99と1を下回りました。
2023年1年間に生まれた日本人の子どもの数は72万7277人で、2022年より4万3482人減少し、1899年に統計を取り始めて以降、最も少なくなりました。一方、死亡した人の数は157万5936人と、2022年より6886人増加し、統計を取り始めて以降、最も多くなりました。このほか結婚の件数は2023年は47万4717組と、2022年より3万213組減少し、戦後、最も少なくなりました。

「出生率」とは、
人口1,000人に対する１年間の出生数の割合を示す数値です。
「合計特殊出生率」は、
15～49歳の女性人口をもとに計算され、
「１人の女性が生涯を通じて産む子どもの数」を示す数値です。

結婚件数も過去最低ですね。
昨今の不景気の影響でしょうか？

人口も順調に減少しています。
総務省統計局によると、2023年（令和5年）12月1日現在（確定値）
＜総人口＞　　1億2429万9千人
＜日本人人口＞1億2104万7千人：85万5千人↓（0.70％↓）
　15歳未満人口は1411万6千人で、前年同月に比べ33万3千人↓（2.30％↓）　
　75歳以上人口は2018万7千人で、前年同月に比べ 70万7千人↑（3.63％↑）

毎年、佐賀県や和歌山県の総人口くらいが、減少しているようです。
恐らく亡くなる方の大半は高齢者だと思われますが、
それでも高齢者の増加は多いようです。

世界的に出生率は減少しているようです。

CIA
Total fertility　rate（2024推定値）によると、
いわゆる発展途上国は数値が高くなっていますが、
1　Niger　6.64
2　Angola　5.7
3　Congo, Democratic Republic of the　5.49
4　Mali　5.35
5　Benin　5.34
6　Chad　5.24
7　Uganda　5.17
8　Somalia　5.12
9　South Sudan　5.09
10　Burundi　4.9

それ以外は２．０以下で
101　India　2.03
　　　意外と、インドでギリギリ2.0
121　France　1.9
　　　手厚い保護でG７で唯一2.0を超えていたフランスも1.9
133　United States　1.84
212　Japan　1.4

となっています。

欧米とはやや事情が異なるでしょうから、
お隣、韓国の事情についての記事を引用します。

How South Korea’s Birth Rate Dropped Below Japan’s.
Nippon.com Aug 28, 2023

 日本と韓国はともに急速な少子化に直面している。しかし、韓国の合計特殊出生率は2022年まで7年連続で低下し、暫定値で0.78と、過去最低の日本の1.26や2020年のOECD平均1.58を大きく下回った。この背景について、NLI研究所のキム・ミョンジュン・リサーチフェローが解説する。
2015年以降、韓国の出生率は著しく低下している。その背景には、同年以降に出産した女性の多くが1980年代半ば以降に生まれ育ったという事実がある。この時期、国の人口政策はそれまでの 「2人産んでしっかり育てる 」から 「1人産んでしっかり育てる 」へと変化した。その変化が少子化に影響を与えたことは容易に想像できる。

韓国の特殊出生率は急速に減少しているようです。
背景に国の政策（中国の一人っ子政策みたいなもの？）があったようです。

望ましい仕事の減少と失業の増加
韓国の少子化に影響を与えていると思われるもうひとつの大きな要因は、若者の経済状況の悪さである。韓国では儒教思想がまだ深く根付いており、日本のように結婚してから子供を作るのが普通である。しかし、多くの若者は安定した職に就くことができず、結婚という難しい選択を迫られている。2022年の韓国の15～29歳の失業率は6.4％で、全体の失業率2.9％の2倍以上、日本の20～24歳の4.8％、25～29歳の3.8％を大きく上回っている。
その理由のひとつは、大学進学率が高く、卒業後の雇用需給にミスマッチが生じていることだ。また、サムスン電子や現代自動車のような大企業の一次労働市場と中小企業の二次労働市場の間の賃金格差も大きい。こうした労働市場の二極化が進み、日本以上に労働条件の格差が広がっている。限られた大企業へのアクセスをめぐる就職戦線は、ますます激しさを増している。

大学進学率が高く、
給与や待遇が良い一流企業に勤めないと、
結婚も難しいと思われているようです。
日本と似たような状況化かも。

少子化のもう一つの経済的要因は、不動産価格の高騰とそれに伴う未婚・晩婚化の進行である。韓国では男性が結婚する前に実家を用意する習慣があり、近年の住宅費高騰が結婚率低下の引き金となっている。韓国銀行は最近、緊急利上げを実施し、マンション価格を引き下げたが、住宅ローンの金利は上昇しており、多くの人にとって持ち家は遠い夢となっている。

日本では、家を買ってから結婚という文化はない？
と思いますが、それにしても、（特に都会の方では）、
家族で住めるような住居の家賃負担は重いですね。

教育費の重い負担
教育費の高さも、子どもを持つことをためらう理由のひとつだ。特に韓国では、学習塾や家庭教師などの補習教育費が高い。2021年、小学生から高校生までの補習教育費の総額は前年比21％増の23兆4000億ウォンで、その割合は75.5％に達した。生徒1人当たりの平均教育費は月額48万5000ウォンで、高校生に限れば64万9000ウォンに上る。もちろん、これは平均値であり、地域や所得層によって大きな差がある。
韓国の大学入学は基本的に正規入学と追加募集（additional　recruitment）の2種類に分けられる。追加募集は、学校の成績、自己紹介エッセイ、教師の推薦、面接などが考慮されるのに対し、正規入学は主に大学入学共通テストの点数が重視される。追加募集による入学の割合は年々増加している。2000年にはわずか3.4％だったが、2023年には78％に増加した。ソウルの有名大学に合格するためには、成績が最も重要なので、親は子供を有名塾に通わせる。塾とは別に家庭教師をつけると、1教科あたりの月謝は数十万ウォン以上にもなる。

月65万ウォンだと、7万円くらい？
年間85万円くらいでしょうか？

日本（特に東京）でも、
小学校低学年からSA〇〇Xに始まり、
お受験して中高一貫の私立に通わせ、
大学受験用に鉄〇会まで通わせると相当かかりますね。

入試も、日本でいうところの推薦入学？が主体のようです。
日本でも同様な傾向になっていくと思われます。

「Edupoor 」の呪い
教育の地獄は高校だけにとどまらない。幼稚園から補習教育を受けさせる親も多い。ほとんどのやり取りが英語で行われる英語幼稚園は、月150万ウォンもする。小学校からは塾と家庭教師を併用することが多い。そうなると、子ども1人にかかる教育費は月200万～300万ウォンにもなる。
教育費の負担が重くのしかかっているため、自分たちのことを「edupoor」と呼ぶ層が生まれた。これは、英語のeducation（教育）とpoor（貧困）を組み合わせた韓国語の新造語である。この言葉は、借金をし、ますます困窮した状況で生活しているにもかかわらず、教育に平均以上の支出をしている世帯を指す。民間シンクタンクの現代総合研究所は、2011年のデータから、当時は子どものいる世帯全体のおよそ13％がedupoorだったと推定している。それから10年以上経った今、その割合はもっと高くなっている可能性が高い。

「子供の将来のため」と言われると、
ついつい出費がかさんでしまいますね。
ＮＩＳＡ，ＩＤＥＣＯ何それ？

解決のための協力
韓国の少子化は、労働人口の減少と高齢化をもたらし、最終的には労働供給量の大幅な減少につながる。それが企業経営に悪影響を及ぼすことは間違いない。同時に、若年層の減少は貯蓄層の減少を意味し、実際、より多くの高齢者が過去の貯蓄に頼って生活しなければならなくなる。若い世代の減少は、新しいアイデアの欠如や設備投資の減少を生み、企業生産の停滞を招く。これらはすべて、経済成長を鈍化させ、社会福祉制度の持続可能性を弱める要因となる。その上、多くの大学が学生不足で閉鎖の危機にさらされる可能性があり、兵役に適した若者の数も急速に減少している。韓国法制研究院は2014年8月にシミュレーションを行い、2013年の出生率1.19のままであれば、2750年には韓国がなくなってしまうと発表した。すでにその出生率をはるかに下回っており、韓国が地球上から消滅する未来がはるかに早いことを示している。

結局どうしたらいいかはわかりません。

私の若いころは、
インターネットも黎明期で、
ようやく携帯が出始めた頃でした。
今のように、
InstagramやＸなんてありませんでした。
情報がないので、
かえって気楽だったかも。

キラキラした（概ね虚像でしょうけど）生活を、
見せつけられれば、
自信を失って結婚や子育てしなかったかも。

Ｎｏｔｅ使っといて言うことじゃないですけど、
若者のＳＮＳ中止（もしくは実名で利用）すれば、
なんか少し変わる気がします。
（おっさんの戯言です。）