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アホウドリという名前の意外な衝撃と、命名の重要性

とある本で、アルバトロスというのがアホウドリの英訳であることを知り、ちょっとした衝撃を受ける。

日本語だとなんとも情けない名前の鳥が英語になると急に優雅でさぞ立派なイメージに変わったからだ。

やっぱり名前って大事だなぁと思った。

Wikiによると、アホウドリという和名は人間が接近しても地表での動きが緩怠で、捕殺が容易だったことに由来する。

アホウドリは無人島を繁殖地としていたので人間に対する警戒心が元々薄く、加えて羽根を広げると全長2メートルにもなる大型の鳥。

そのため飛び立つまでに助走を要するため攻撃されてもすぐに逃げられないという弱点を持つ。

その様が人間には愚かな姿に映ったところから、このような名前になってしまった。

一方で、英語のアルバトロスというのは、アルバというのがラテン語の白いという意味で、トロスの部分は海鳥を意味するとのこと。大きくて目立ったこの和名アホウドリはまさに白い海鳥の代表的な印象を英国の人たちに与えたのだろうか、などと勝手な妄想。

そんなアルバトロスという言葉は、ゴルフ用語として広く認知されていることだろう。アルバトロスとは、パーに該当する打数よりも3打以上少なくカップにボールを入れることだそう。

バーディは、小鳥
イーグルは、鷲
アルバトロスは、アホウドリ(白い海鳥の総称)

このアホウドリの和名と英語名を比べることで、その個体が持つ特徴の捉え方次第による印象の違いが180度違ってくることの衝撃を思い知ることができる。

この元ネタは、今読み進めている井沢元彦著、逆説の日本史 (17) アイヌ民族と幕府崩壊の謎、にて

この本の中、例え話として出てくる。そこでの例え話の解説として、アホウドリという和名の由来には、人間側からみて攻撃しても逃げない、反撃しない、そして足も遅いので捕えやすい、だから阿呆な鳥であるという一方的な物の捉え方の典型であると説いている。

そこに私の主観を加えるなら、ある意味で見たまま、感じたままを口にしてしまうというか、呼称にしてしまう日本人にもしかしたら備わっている習性がカタチとして残ったのかなぁと捉えてみた。

ある意味でとても自分の情動に正直に反応していると言えばそうだと思う。

でも、自分が発したその言葉が相手にどのように捉えられるのか、とかその言葉によってどんな波紋や影響が出るだろうかという想像が必要なのでは、とも思う部分がある。

他人が発したポロッと溢れたひと言こそ、意外と傷つくってことはないだろうか。

そんな時に悲劇の呼称を与えられてしまったこのアホウドリの由来を思い浮かべ、言葉の重み、命名の重みなんかを改めて知る週末でした。

今では残念ながら乱獲により絶滅の危機にあるとのこと。いつかこの目で優雅に飛ぶ姿を見詰めつつ、ひどい名前をつけてしまってごめんなぁという気持ちをせめて伝えてみたいと思いました。

※アホウドリの名前の由来などはインターネット調べです。記事の内容に間違いがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。

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