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陣取り遊び

小学生の子供となると、なかなか公園で遊ぶのにも工夫が必要になってくる。

幼稚園児の次女はかくれんぼ、砂場遊び、遊具だけで全然満足。なので想定内の遊びで十分楽しめる。私もベンチに座ってゆっくり。

しかし、小学校3年生ともなると公園の単純な遊具だけでは満足できず、工夫が必要となる。

結局、こういう時はネットで調べるか、自分の思い出から何をしていたかをひっぱり出してくる。

自分が子供の頃、公園で何して遊んでいたかなー、と振り返ってみると、そもそも親と遊ぶ年齢はとっくに過ぎて、自転車で友達とどっかの公園に行き、子供だけで遊んでいたな、とそもそもの環境が変わったなあと振り返る。

今では子供だけで遊ばせるなんて、ちょっと心配に感じてしまう。

「ねえー、パパ何して遊ぶの?」

と退屈そうに詰め寄ってくる長女。

もうこれはとにかく自分の思い出からひっぱり出すしかないという勢いで、

「じゃあエスケンジしようか。」と提案。

娘「???」である。

当然のことだ。おそらくこのエスケンジなる陣取りゲームは地元でしか流行らなかった遊びだと思う。妻に話しても全く知らなかった。そんな、ど・ローカル遊び。

ネットで調べたら、辛うじて一つブログで書かれている方がいた。エスケンジを知っている人がいるだけで私はテンションが上がってしまう。

ルールはシンプルで、まずは地面に丸い円を描く。そこから5足分の線を引きそれを自分の陣地とする。ここからスタート。
ジャンケンで鬼決め、鬼が他の人をタッチできたら鬼交代。しかし捕まえられなかったり、陣地からはみ出たらアウト。鬼以外の逃げ切った人は捕まえる時に使った歩数分陣地を大きくできる、とざっくりこんなルールだったと記憶。

そしてこの遊びの醍醐味は遊具に繋げられると、その遊具を自分の陣地として占領することができる、というルール。占領した時の優越感はたまらない。その遊具の上なら自由に移動が可能となる。

当時小学生だった私は近所のお兄ちゃんにこの遊びを教えてもらい、熱中したのを思い出した。

「面白いから、やってみよう」と疑う長女を説得してとにかくはじめてみた。

最初はお互いの陣地が狭いので、手を伸ばせばギリギリタッチできるかどうかのせめぎ合いが勝負となる。

身体を伸ばしてバランスを崩さないようにタッチしようとする鬼、そして身体を上手く反らせてタッチを避ける。バランスを崩して陣地から出た方が負けとなる。

最初、手足が長い私が有利かと思ってたかをくくっていた。しかしさすが小学生、素早い動きで攻め立ててくる。そうすると、おっさんになった私は瞬発力・バランス感覚共に衰えておりすぐに倒れ陣地から出てしまう。そうして私の負けが続く。長女の陣地がどんどん広がっていく。その陣地が拡大していくのも楽しみの一つだ。

ついに長女はアスレチックに陣地を繋げて、巨大な「要塞」を手に入れた。そうすると、もう娘は「私は最強」と言わんばかりの表情となった。

「パパ、もう一回やろう!!」

と自信に満ちた表情で詰め寄ってくる。

身体ボロボロになりながら「自分が同い年だったら、絶対負けないからなー」と負け惜しみを嘆く私を横目に大興奮の長女。
そんな長女の姿をみながら、こんな昔の遊びが現代でも通じるとはと嬉しい気持ちになった。自分がハマった遊びに長女が興味を示してくれたことがなんか嬉しかった。

ただ、私の身体はあの頃のように動かない。ケガをしないように気をつけなければ、とこの遊びが大人には危険であることを思い知ることとなった。

小学校になった子供と遊ぶにはかつての思い出が時に役に立つ。しかし入念なストレッチも忘れないようにしよう。

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