小鳥書房文学賞に応募してみた………い

11月3日
今日は、「敦盛の最期」について語りたいと思います。
皆さんもやったことがあるんじゃないでしょうか。
きっと中二の国語の授業で。
そうです。私は、今、国語で「敦盛の最期」をやってます。
楽しいです。
で、簡単に内容を説明すると、

一之谷の戦いで負けた兵士軍の残党を探す、主人公熊谷次郎直実くまがえのじろうなおざねは、身分の高い将軍を討ち取りたいなあと思いながら海のほうへ向かう。すると波打ち際を逃げる平敦盛たいらのあつもりを見つける。見るからに身分の高い敦盛を倒そうと、熊谷は敦盛を挑発し、向かってきた敦盛をやすやすと倒してしまう。顔を確認しようと兜を取り外すと、そこにはすごい美少年が!そして始まる一夏のラブロマンス。

嘘です。古文のほうだと残念ながらラブロマンスとは書いとらんかった…。
でも、絶対あれはラブなんだって!loveなんだって!夏かは知らんけど!一之谷の戦いは二月らしいから冬だけど!…一冬のラブロマンス?
という感じの内容でお送りします。
まあそれで、続きなんだけど、熊谷は兜を取って、まず、すごい美少年がいたことに驚くの。ここはほんとだよ。薄化粧をしてお歯黒もしたすごく身分の高い美少年だって。
で、自分の子供に年齢が近くて、顔立ちが大変美しかったから、どこに刀を刺せばいいのかもわからなくなっちゃうの。
ハイ恋始まった━━━!
もうただただひとめぼれでしょ。そんな美少年だから切れないとか言ってる時点で、恋の始まりによくある心の動揺以外に何があるのって感じだよね。
それで、「あなたは誰なんですか」って敦盛に聞くの。助けてあげたいから。え?はやくね、おまえ武士なのに敵を助ける判断が早すぎるやろって感じだけど、恋に敵味方なんて関係ないしね。
で、案の定敦盛に警戒されて、「お前は誰だ」って聞かれたら、
「名乗るほどのものではないですけれど、武蔵の国の住人、熊谷次郎直実です」
っていうの!いや、かっこつけすぎやろ!名乗るほどのものではないですけれどって!意識しちゃってんだなあ。
でも、熊谷の努力むなしく、敦盛はもともとめちゃくちゃイケメンだから、さらにかっこいい返しをされちゃうの。
「それでは、おまえに対しては名乗るまいぞ。おまえのためにはよい敵だ。名乗らなくても首を取って人に尋ねてみよ。見知っているだろうよ」
……。イケメン過ぎて辛い。ちょっとときめきが止まらない。今ほど自分の語彙力のなさを後悔したことはないよね。え、だって、名乗らないんだよ!なのに、おまえのためにはよい敵だ、名乗らなくても、周りに聞けばわかるって、かっこよすぎやろ!そのプライドの高さと、命を取られる前なのにその余裕が。最高。
で、そんな百点満点の回答をされた熊谷は
「ああ、立派な大将軍だ。この人を討っても負けるはずの戦に勝つわけでもないし、勝てるはずの戦に負けるはずもないし、自分の子供が軽い傷を負ってもつらいのに、この人の父はわが子が討たれたと聞いてどれほど嘆き悲しむだろう。ああ助けたい」
って思うの。なんか、へたれだよねえ。ぐだぐだぐだぐだ言い訳ばっかして、頭の中でうじうじ考えてるなんて。結局助けたいだけやろ!
敦盛を見習え!あの無駄のないかっこよさ!お前のセリフを打ち込むだけで四行使っちゃったやん!
で!熊谷がそんなことを考えてる間に味方が向かってきてんの!
もうっ…このっ…へたれがあ!おまえが言い訳してる時間を使って逃げれたろ!
でも、こうなったからには仕方がない。
熊谷は泣きそうになりながら
「助けたいけれど、味方がたくさん向かってきているから、逃げることはできないでしょう。それならせめて私の手におかけして、後のご供養をさせてください」
…なんか愛が重いなあ。そういうタイプか。
それで敦盛は
「とにかくさっさと首を取れ」
…最後までイケメンだなあ。動揺もせず、あばれもせず、潔いその姿には惚れちまうぜ!てか、そんなんだから熊谷に惚れられちゃうんだよ!
で、そんな熊谷は涙で前が見えなくなりながら、目がくらみ、気も動転して、前後もわからなくなったけど、このままでいるわけにもいかないので、首を切ってしまった。そして、
「ああ、武士なんかに生まれたくなかった。そうしたらこんな辛い目に合わずに済んだのに」
と、さめざめと泣き続けた。
…かなしいなあ。武士に生まれたくなかったは辛すぎる。
物語はこれで終わりだけど、熊谷の人生は続いていくし、後悔も付きまとうんだなと思うと、心が痛い。
悲恋すぎるので、私はどこかで、これのIfストーリーを作るかもしれない。
そちらをお楽しみに。

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