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抜管したら放っておく

釣りみたいなタイトルですみません、、。
でも事実なんです😅

■ 抜管後、まず上気道閉塞がないか確認する 

研修医
「抜管します!カフのエアを抜いてください」

看護師
「はい!抜けました!」

麻酔科医
「抜管したね。ちゃんと息はできてるかな?」


抜管後、麻酔科医がまず気にするのは「上気道閉塞がないか?」です。

■ なぜか?

気道閉塞したまま帰室するのは危険です。
病棟で状況が悪化して、
呼吸ができなくなることもあるからです。

気管チューブが抜かれ
上気道をバイパスしていたものがなくなります。

そして
下記理由で
上気道閉塞する可能性があります。

覚醒が不十分で舌根沈下がある
大量輸液で上気道に浮腫がある
食道癌手術で反回神経麻痺がある
筋弛緩薬の拮抗が不十分

など

■ 確認方法

上気道閉塞がないか確認する方法は
いくつかあります。
それぞれ完璧に見分けられるわけではないので、
これらを組合わあせて確認していきます。

- 胸の上がりをみる

視診です。
上気道閉塞していると
お腹が上がっているのに、胸は上がりません。

横隔膜の運動はあるけど、
上気道閉塞があり
肺に空気が入っていかない状況です。

- マスクを密着させる

マスクのくもりがある
EtCO2波形がでている

この2点があれば上気道は開通しています。

マスクにモレがあると
「上気道閉塞していない」のに
いずれもでないことがあります。

- 聴診をする

首に聴診器をあてます。
上気道閉塞があるとゴロゴロしたいびきのような音が聞こえます。
開通していればスーっとした音がするはずです。

上気道が完全に閉塞していると、逆に何も聞こえません。

「音が聞こえない」のは危ないサインです。

■ あえて、そっとしておく

観察するときのポイントとして、
「あえて、そっとしておく」ことが大切です。

病棟に帰ると
基本的に患者さんはひとりです。

麻薬や鎮静薬が残っていると、
呼びかけや刺激がなければ呼吸をやめてしまうことがあります。

まわりからの刺激があまりない状態で、
ちゃんと呼吸が維持できるか?

手術室で同じような状態にして、
大丈夫か確認したいわけです。

なので、
麻酔科医はあえて患者さんを放っておくことがあります。

みていないわけではなくて、
遠目に呼吸状態を観察しています。

■ さいごに

まとめです。

今回は、
抜管後はなぜ上気道閉塞に気をつけるのか、
その方法について
お話ししました。

放っておくのは「あえて」です!

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