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血圧が下がる要因は3つしかない

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研修医
(あ、血圧が下がってる!昇圧したほうがいいよな。とりあえず、、エフェドリン、、かな?)

麻酔中、
血圧低下に対応しなければいけない場面は多くあります。

冒頭のように
テキトーに昇圧薬をいれても
血圧はあがります。

しかし
原因の見当がついていないと
同じことの繰り返しなったり
次第に薬の反応が悪くなったりします。

とりあえずエフェドリンをいれる前に
なにが原因なのか考えてみましょう。

安心してください!
難しいことはありません。

血圧低下の原因は
たった3つしかないんです。

今回の記事で出てくる略語を先に紹介しておきます。
BP: Blood Pressure; 血圧
CO: Cardiac Output;心拍出量
SVR: Systemic Vascular Resistance; 末梢血管抵抗

BP=CO×SVR

まず
血圧はなにで規定されているでしょうか。
式で表現すると非常にシンプルです。

血圧圧が下がる要因は3つしかない.001

血圧が下がる、ということは

COが下がる
● SVRが下がる

のどちらかしかない、
ということになります。

もうちょっと細かく分解する

さらにCOは
前負荷、心収縮力、後負荷で規定されています。

まとめると下の図のようになります。

血圧圧が下がる要因は3つしかない.002

後負荷上昇は血圧をさげることもある?

あれ?
後負荷上昇は?
COを下げて、血圧を下げないの?

ちょっとレアケースなので
あえて触れませんでした。

アドバンストな内容になるので
こんがらがりそうな人は読み飛ばしてOKです!

説明していきますね。

SVRを含む、後負荷の上昇は
BP=CO×SVRの式のとおり一般的に血圧を上げます。
しかし、その一方でCOを下げます。

理論的には
COの低下がSVR上昇を上回る場合、
血圧は下がります。

これは心機能が低下した症例で起こりえます。

たとえば、
心臓血管麻酔で人工心肺を離脱したばかりのとき。

経食道心エコーで観察すると
後負荷が高くて「心臓がうごきにくそう」にしていることがあります。

そこで後負荷をさげるため、
ニカルジピンを少量いれると途端に「うごきやすく」なります。

するとCOが上昇し、血圧も上がります。

実際の原因は複合的

さて、
血圧低下の原因が
3つしかないなら
簡単にたどり着けそうですね!

しかし
実際には
原因が一つではなくて
複数絡んでいることがほとんどです。

「何だ結局よくわからないんじゃん、、。」

いいえ!
何が原因か考えるにあたって
今回のような分解は必ず役に立ちます。

上の図をとっかかりに
原因究明をしていきましょう。


次回、臨床的にあてはめると
具体的にどうなるのか?

をみていきます。


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