視覚障がい者当事者団体 まとめ
今の時代、ツイッターなどで同じ眼疾患の方と繋がる方も多いと思いますが、当事者団体ならではの繋がりもあるかと思います。
今回はそんな視覚障がいの当事者団体をまとめてみました。
1 視覚障がい全般の組織
1.日本盲人会連合(日盲連)
社会福祉法人 日本盲人会連合は視覚障害者自身の手で、“自立と社会参加”を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です。
視覚障害者福祉の向上を目指し、また視覚障害者に対する総合的なサービスを提供するために活動されています。点字図書の製作や用具の販売、制度などの説明、点字JBニュースの発行、相談事業など幅広く取り組まれています。
青年協議会などの5つの協議会もあります。
(画像は日本盲人会連合より)
各都道府県など自治体の視覚障害者福祉協会や視覚障害者情報センター(大阪府視覚障害者福祉協会、大阪市視覚障害者福祉協会など)が加盟しています。加盟団体の一覧と連絡先はこちらです。
2.全日本視覚障害者協議会(全視協)
一般社団法人 全日本視覚障害者協議会は、視覚障害者の社会参加と平等をめざす組織です。
毎月、点字民報を発行されています。
(画像は全視協公式ウェブサイトより)
3.日本弱視者ネットワーク略称:弱視者ネット、旧称:弱視者問題研究会)
任意団体である日本弱視者ネットワークは、「弱視者」にも暮らしやすい社会を実現するために、「弱視者」自身の手でできることからやってみようという思いで結成された会です。
会報「弱視者ネットつうしん」の発行、各地域での定例会、新しい出会いを求めての交流会などを行っているそうです。
(画像は日本弱視者ネットワークより)
日本弱視ネットワークさんの「私の見え方紹介カード」とてもおすすめだったので記事で紹介させていただきました。
4.日本盲人福祉委員会
社会福祉法人 日本盲人福祉委員会は、世界盲人連合(World Blind Union : WBU)に加盟し、世界の盲人団体間との国際交流の窓口となり活動されています。
元々は、日本盲人会連合、日本盲人社会福祉施設協議会、全国盲学校長会の3団体の協力、連携のもとに組織されました。
視覚障害者の活動を支えるための募金活動の一環として愛盲シール運動に取り組まれています。
(画像は日本盲人福祉委員会より)
2 各眼疾患の友の会
1.緑内障フレンド・ネットワーク
一般社団法人 緑内障フレンド・ネットワーク(Glaucoma Friend Network/略称GFN)は世界緑内障患者協会(WGPA)の設立メンバーの一員として緑内障の正しい知識の普及と情報発信などの啓発を行うと共に、早期発見・早期治療の重要性を提言。会員である患者さんやご家族の心のケアを目指して活動されています。
(画像は緑内障フレンド・ネットワークより)
2.日本網膜色素変性症協会(JRPS)
公益社団法人 日本網膜色素変性症協(JRPS)は、眼の難病である網膜色素変性症とその類縁疾患の患者会です。患者と研究者、支援者によって構成されています。
研究フォーラムや交流会、ICT学習会の開催、研究助成などに取り組まれています。
ホームページでは、『マンガでわかる網膜色素変性症』など多くの網膜に関わる眼疾患や視覚障がい、iPS細胞など最新の治療についての情報が掲載されています。
各地域ごとのJRPSもあります。一覧はこちらです。
また16〜35歳の方を対象にしたJRPSユース、子どもが網膜色素変性症と診断された方を対象にしたRP児親の会、聴覚障害を併発するアッシャー症候群の方を対象にしたアイヤ会もあります。
(画像は日本網膜色素変性症協会(JRPS)より)
3.加齢黄斑変性友の会
加齢黄斑変性友の会は、関東中心に、加齢黄斑変性の患者を中心に発足した任意団体です。
定例会の開催とその記録をまとめたニュースレターの発行をされています。
(画像は加齢黄斑変性友の会より)
4.関西黄斑変性友の会
NPO法人 関西黄斑変性友の会は、関西を中心とした黄斑疾患を持つ患者(家族、友人・知人を含む)のための会です。
定例会の開催やニュースレター「友の会ニュース」の発行をされています。
(画像は関西黄斑変性友の会より)
5.レーベル病患者の会
レーベル(レーバー)病患者の会は、視神経が萎縮していくレーベル病患者のために設立されました。補装具などの情報共有、この病気が発症して間もない人の支えとなる、同じ病気ならではの悩みの共有、意見交換、懇親が設立の趣旨です。医療法人社団 済安堂 井上眼科病院が運営と支援に携わっているようです。
メーリングリストや定例会を開催されているようです。
(画像はLeber病患者の会より)
6.片目失明者友の会
NPO片目失明者友の会は、片目失明者を障害者認定にするよう、国に求めている当事者団体です。
視覚障害者認定基準の見直しを実現する為の活動や片目失明者福祉事業等についての調査研究並びに普及啓発等を行っています。
(画像はNPO片目失明者友の会より)
7.みんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier)
高度の光過敏や眼痛などで眼を使うのが困難な眼球使用困難症(PDEシンドローム)は、現在視覚障害者として身体障害者手帳を手にすることができません。
みんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier)は、眼球使用困難症患者の方が、視力と視野以外で視覚障害として認められるよう活動されています。
眼球使用困難症患者と闘う友の会という別組織もあります。
(画像はみんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier)より)
8.ボネの会
幻視の症状である、シャルル・ボネ症候群から名前がついているそうです。 医療法人社団 済安堂 井上眼科病院が運営と支援に携わっているようです。
9.網膜剥離友の会
残念なことに、網膜剥離友の会は、2018年にお世話をしてくださる方が老齢化により、運営が困難となり会を閉じられたそうです。
網膜剥離友の会に支えられた方のブログがこちらにあります。
10.眼瞼・顔面けいれん友の会
眼瞼・顔面けいれん友の会は、患者の為に医師の専門的な話しを聞く例会や、患者同士で支え合う交流会の他に体験談などを掲載した会報を発行している患者が中心となって運営する会です。医療法人社団 済安堂 井上眼科病院が運営と支援に携わっているようです。
(画像は眼瞼・顔面けいれん友の会より)
11.アルビノ・ドーナツの会
アルビノ・ドーナツの会は、「アルビノの人たちのネットワークづくり(アルビノの人の輪をつくること)」を目的として立ち上げられました。
関西を拠点として、全国的にもアルビノ当事者やご家族・仲間同士の交流、情報交換や人権公演などアルビノの啓発活動に取り組まれています。
(画像はアルビノ・ドーナツの会より)
12.ベーチェット病友の会
ベーチェット病は口腔内アフタ性潰瘍(口内炎)、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つを主症状とした全身の炎症性疾患です。
ベーチェット病友の会はベーチェット病に関する正しい理解を深め、知識を広めることによって早期発見、早期治療に貢献し、医療および福祉の環境改善を促進する。ベーチェット病患者がより良い療養生活を送るため、様々な活動を行っています。
(画像はベーチェット病友の会より)
13.アイヤ会
アイヤ会は網膜変性と難聴を併せ持つアッシャー症候群を中心に、視覚と聴覚に障害の患者のQOL向上や、社会への啓発を目的としている団体です。公益社団法人 日本網膜色素変性症協(JRPS)の視聴覚部会でもあります。
(画像はアイヤ会より)
14.網膜色素変性症コミュニティ
網膜色素変性症コミュニティは、Twitter上で活動されている網膜色素変性症の方々のコミュニティです。LINEのオープンチャットでも交流されたり、視覚障害者のためのイベントKOREKARAを企画されているそうです。
(画像はTwitter@R_P_communityより)
3 その他
1.全国視覚障害(児)者親の会
全国視覚障害(児)者親の会は、盲学校PTAを中心に、「障害を持つ子供たちも、社会の中で一人の人間として重んじられた生涯を送ってほしい。」という願いから作られた会です。
視覚障害者すべての課題を視野に入れた活動、特に代弁者を必要としている子供の卒業後の進路保障と教育・福祉施策拡充を中心に活動し、を機関紙「つえ」や「親の会ニュース」の発行、クリスマス会・飲み会・旅行・ハイキングなど、「楽しみながらの活動」をモットーに活動されています。
(画像は全国視覚障害(児)者親の会より)
東京支部と近畿支部があり、支部単位でもキャンプなどの交流活動をされています。
2.全国盲学校PTA連合会
全国盲学校PTA連合会は、全国7地区の盲学校PTA連合会と連携しながら、全国的視覚障害教育の充実・改善を目指して活動されています。
総会の開催や機関紙「手をつなごう」の発行、全国盲学校フロアバレーボール大会の後援などをされています。
(画像は全国盲学校PTA連合会より)
3.かるがもの会
かるがもの会(視覚に障害をもつ親とその家族の会)は、視覚障がいのある親やその家族が集まる育児サークルです。
メーリングリストや交流会での情報交換やかるがも新聞の発行などをされています。
(画像はかるがもの会より)
4.BRFC『視障者鉄道愛好会』
視覚障がい者の鉄道ファンクラブ、BRFC(Blind Railway Fan Club)こと『視障者鉄道愛好会』では、ブログやメーリングリスト、オフ会やお役立ち情報の提供などをされています。
(画像はBRFC『視障者鉄道愛好会』公式ウェブサイトより)
5.視覚障害をもつ医療従事者の会(ゆいまーる)
視覚障害をもつ医療従事者の会(ゆいまーるの会)は、見えない、見えにくいというハンディーを持ちながらいろいろな医療関係職に従事する者が集まり、情報交換を行なったり、親睦を深めていこうという会です。
(画像は視覚障害をもつ医療従事者の会(ゆいまーる)より)
6.タートルの会(中途視覚障害者の復職を考える会)
NPO法人 タートルは中途で見えづらくなった方々の継続就労(転職・再就職を含む)を支援されています。
相談会や交流会、企業などへのセミナーの実施、メーリングリストや情報紙「タートル」の発行などをされています。最近はzoomを利用したタートルオンラインWebサロン「チャレンジャーズサロン」、職場でのICTで困った時の専門サイト「タートルICTポータルサイト」の公開なども実施されているようです。
(画像は認定NPO法人タートルより)
7.ロービジョン友の会 アリス
ロービジョン友の会 アリスは、埼玉県越谷市の視覚障がい者グループです。公共施設を拠点とした視覚障害者や家族が集まれる場を作りや、視覚障害者のためのデイケア施設『ひかりの森』を設立などに取り組まれています。
(画像はロービジョン友の会 アリスより)
8.公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)
公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)は、全国の公共図書館で働く視覚障がいの方と点字図書館や学生などの組織です。
公共図書館から、「障害者サービス」がなくなり、誰もが当たり前に使える場所になることを目指して活動されているそうです。
9.まもりがめの会
まもりがめの会は、眼球・視力を失い義眼の必要となった子供・そして親、成人した当事者のための会です。
当事者や親が話をしたり相談できる場所づくりのためのお話会や勉強会、情報発信・ツール、プロダクト作りなどに取り組まれています。
(画像はまもりがめの会より)
10.視覚障害者コミュニティ
視覚障害者コミュニティは、「視覚障害者に関わるすべての人がもっと気軽に話せる場を」という目的でつくられた、当事者だけでなく家族や友人や恋人などが日常のことから仕事や学校や恋愛のことなどをみんなで考えたり話したりするTwitter上のコミュニティです。網膜色素変性症コミュニティと運営者が同じで、同様にLINEのオープンチャットでも交流さているようです。
(画像はTwitter@communityblindより)
11.ひよこの会
ひよこの会は、視覚障がい児の早期教育(0歳〜)とその家族を育児相談や勉強会を通じてサポートしていく活動を行っているグループで、神奈川県横浜市にて月1回活動されています。Facebookでも情報を発信されています。
(画像はFacebookより)
12.視覚障がい者ライフサポート機構"viwa"
視覚障がい者ライフサポート機構"viwa"は、視覚障がいのある人やその家族、視覚障がい関係の仕事に従事されている人々の「ちょっとした困ったな~」を解決するため、「情報発信」「情報やノウハウの蓄積」「人や情報をつなぐ」ことを目的に活動している団体で、ブログで様々な情報を発信されています。
(画像は視覚障がい者ライフサポート機構"viwa"より)
視覚障がい者ライフサポート機構"viwa"さんの活動や取り組みについては別の記事でも紹介しています。
13.視覚障害者就労相談人材バンク
視覚障害者就労相談人材バンクは、関西を中心に仕事をしている視覚障がい者の集まりです。就労している・していた当事者が登録されています。ホームページには具体的な仕事内容が事例集として紹介されていますし、当事者や人事採用担当者向けのQ&Aも掲載されています。就労相談を受けることもできるようです。
(画像は視覚障害者就労相談バンクより)
14.「あうわ」視覚障害者の働くを考える会
石川県金沢市の視覚障がい者や見えづらさに困難を感じている方の就労の助けとなることを目的として活動されている団体です。TwitterやFacebookで情報を発信されています。
(画像はFacebookより)
15.全日本盲導犬使用者の会
全国に11ある育成団体の垣根を越えた盲導犬ユーザーの団体として、盲導犬に関する情報の共有や、交流・啓発事業を行っています。全日本盲導犬使用者の会(全犬使会)のホームページには、盲導犬に関するさまざまな情報が掲載されています。メーリングリストや交流会もされているようです。
(画像は全日本盲導犬使用者の会より)
16.折り紙サークル
折り紙サークルは、インターネット上にある視覚障碍者の折り紙の愛好グループで、郵便・メール・スカイプなどを用いての折り紙の指導や普及活動を行います。
(画像は折り紙サークルより)
17.地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の点字教科書等の保障を求める会
地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の点字教科書等の保障を求める会(通称求める会)は、関西を中心に、点字教科書の国費保障を求めて活動されています。その活動の成果もあり、2004年9月より、地域の小中学校で学ぶ視覚障害のある児童生徒が使用する「点字教科書」が国費保障されることになっています。総会や記念講演会、子どもサミット・親サミットなどの活動もされているようです。
(画像は求める会ホームページより)
18.全日本盲導犬使用者の会
「視覚障害者の歩行の自由と安全を考えるブルックの会」(ブルックの会)は、1999年から大阪を拠点に活動している市民団体です。視覚障害者の駅ホームからの転落に関わる調査の実施や学習会の開催に取り組んでいます。
(画像はブルックの会より)
19.日本視覚障害者ヘルスキーパー協会
従業員や職員の健康の維持・増進、疾病の予防などの役割を担っているヘルスキーパーによって、平成4年9月に設立された職能団体です。
(画像は日本視覚障害者ヘルスキーパー協会より)
日本患者会情報センターに視覚障がい以外も含めた患者会の情報が掲載されています。
4 まとめ
視覚障がいは特に数が少なく、同じ視覚障がいや眼疾患の困りや大変さを共有したり共感できる場が少ないのではないでしょうか。
同じ見えなさ・見えにくさを抱える方同士の繋がりが、その先の人生を一歩前に進んでいくためのなにかになるのではないかなと思います。
今回紹介した内容が、そんな1つのきっかけになれば幸いです。
表紙の画像は日本盲人福祉委員会より引用した、世界盲人連合のマークです。