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障がい者手帳があれば利用できるサービス その4 年金・税金編

身体障がい者手帳や療育手帳(東京都の愛の手帳)、精神障がい者保険福祉手帳の障がい者手帳を持っていると、いろいろな福祉制度を利用できることは知っていますか。

自治体によって利用できる福祉制度やその対象は異なる場合もありますが、障害者手帳があれば税の減免や、交通、施設などの割引や免除受けることができます。

今回は障害年金や税金関係の情報をまとめてお伝えしていきます(最後に他の福祉制度について紹介した記事を掲載しています)。

1 障がい年金

障がい年金とは病気や怪我で生活や仕事が著しく制限される場合に受け取ることができる公的な年金のことです。
障がい年金には「障がい基礎年金」と「障がい厚生年金」の2つがあります。知っている方は、国民基礎年金と厚生年金に対応していると考えてもらえらばいいかなと思います。

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(画像は楽天生命より)

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(画像は千葉障害年金相談センターより)

①障がい基礎年金

障がい基礎年金とは、自身の病気について初めて診療を受けた日(初診日)に国民年金に加入している方が受給できる障害年金のことです。また初診日から1年6カ月以上経過するか症状が固定していて、1級・2級の障がいの程度に該当する必要があります。年金額などは下の表で確認してください。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

*窓口は役所の保険年金業務担当になります。
*身体障がい者手帳の等級とは異なるので注意してください。身体障がい者手帳1級でも障がい基礎年金1級とは限りません。また手帳を所持していなくても支給を受けることができます。
*子どもがいる場合には別途加算があります。
*初診日が20歳未満で対象の方の場合は、20歳の誕生日から受給することができます。
*所得制限があり、一定以上の所得で半額支給、支給停止になります。
*金額計算や申請などの詳細については、こちらが大変参考になります。

②障がい厚生年金

障がい厚生年金とは、自身の病気について初めて診療を受けた日(初診日)に厚生年金に加入している方が受給できる障害年金のことです。基礎年金同様、初診日から1年6カ月以上経過するか症状が固定していて、1級・2級・3級の障がいの程度に該当する必要があります。年金額は厚生年金に加入していた期間や平均標準報酬額によって異なります(最低保証額は年額 585,100 円)。

*窓口は年金事務所になります。
*詳細についてはこちらが大変参考になります。

③特別障がい給付金

国民年金の任意加入期間に加入していなかったために、障がい基礎年金を受給できない方を対象にした給付金が支給されます。

*窓口は役所の保険年金業務担当になります。

2 障がい者扶養共済

障がい者・児を扶養している方が加入者となり、加入者が死亡または重度の障がいを有す る状態になったとき、障がい者・児本人に終身年金(1口あたり月額20,000円支給)が支給されます(2口まで加入可能)。

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(画像は厚生労働省より)

掛け金は加入時の年齢によって異なります。

3 手当てなど

大阪市の福祉のあらましを参考にしています。自治体によって制度の有無や金額が異なることがありますので、お住まいの自治体へ確認してください。

① 特別障がい者手当

20 歳以上で、身体または精神(知的を含む)に著しく重度の障がいがあるため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある方に、月額27,200円が支給されます。

*施設入所や長期入院、家庭の所得が一定額以上の場合は支給されません。

②障がい児福祉手当

20 歳未満で、身体または精神(知的を含む)に重度の障がいがあるため、日常生活において常時介護を必要とする状態にある方に、月額14,790円が支給されます。

*施設入所や公的年金(特別児童扶養手当を除く)を受けることができるとき、家庭の所得が一定額以上の場合は支給されません。

③ 特別児童扶養手当

20 歳未満で、政令に規定する障がい等級に該当する児童を監護している父母(主として児童の生計を維持するいずれか 1 人)または養育者(児童と同居し、監護し、生計を維持している方)に、重度の障がいの場合、月額52,200円 が、中程度の障がいの場合、月額34,770円が支給されます。

④ 児童扶養手当

父または母と生計を同じくしていない児童や、父または母が政令で定める程度の障がいの状態にある場合で、18 歳に達する日以後の最初の 3 月 31 日までの児童 (政令で定める程度の障がいの状態にある場合は 20 歳未満の児童)を監護している母、児童を監護し、生計を同じくする父または養育者(児童と同居し、監護し、 生計を維持している方)に支給されます。支給額は児童の数によって異なります。

⑤ 外国人心身障がい者給付金

市内に居住し、昭和57年1月1日以前に外国人登録をしていた方で、昭和 57 年 1 月 1 日以前に 20 歳に達しており、同日前に身体障がい者手帳1・2級、または療育手帳A、または精神障がい者保険福祉手帳1級の交付を受けた方、もしくは同日以降に手帳交付を受けたが、障がい発生原因の初診日が同日前である方に月額20,000円が支給されます。

*公的年金や生活保護と同時に受給できません。

⑥ 大阪府重度障がい者在宅生活応援制度(大阪府事業)

大阪府内に在住し、身体障がい者手帳(1級または2級)の交付を受け、かつ療育手帳(A 判定)の交付を受けている重度障がい者・児と同居し介護をされている方に、月額10,000円が支給されます。

*施設入所や特別障がい者手当て受給の場合は支給されません。

⑦ 障がい者加算(生活保護)

生活保護を受給し、一定の基準を満たす方は支給額が加算されます。

⑧ 自動車事故対策機構による介護料支給

自動車事故を原因として「脳」、「脊髄」または「胸腹部臓器」に重度の後遺障がいを持つため、日常生活動作について「常時」または「随時」の介護が必要となった方に、「独立行政 法人自動車事故対策機構(NASVA)」から介護用品の購入等に係る介護料が支給されます。

4 貸付など

① 生活福祉資金(福祉資金)

国が定める要綱等に基づき、社会福祉協議会が実施主体となっている貸付制度があります。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

② 緊急援護資金

生活福祉資金等他の公的給付又は公的貸付から支給決定を受けた者が、その支払日までに
緊急に資金を必要とする場合に、その世帯の援護を目的として貸付を受けることができます。

1 世帯あたり 10 万円以内(単身世帯は 5 万円以内)までで、無利子、保証人は不要です。

5 税の控除・減額・免除

①所得税・住民税の所得控除

本人・同一生計配偶者・扶養親族が障がい者手帳を所持している場合は、所得控除を受けることができます。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

*手帳の等級によって控除額は変わります。
*具体的な控除額の計算や申請などはこちらを参照してください。

またおむつやストマ用装具が医療費控除の対象になる場合もあります。

②住民税の非課税・減額措置

本人が障がい者の場合、前年度の所得額に応じて、住民税の非課税や減額の措置を受けることができます。

③相続税の控除

障がい者が相続または遺贈により財産を取得した場合は相続税の控除を受けることができます。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

④個人事業税の免除

両眼の視力を喪失した方、両眼の視力が 0.06 以下の方が行うあん摩、マッサージまたは指圧、はり、きゅう、柔道整復その他の医業に類する事業については、課税対象外となります。

⑤関税の免除

身体障がい者用に特に製作された器具および物品(義肢、人工代用筋、車いす、盲人用の点字器など)については免税となる場合があります。

⑥ 自動車税・自動車取得税の減免

以下の障がい種別・等級(程度)の方で、身体障がい者手帳所持者が運転する場合、または介護者が第1種の身体障がい者・知的障がい者と同乗して運転する場合には自動車税と自動車取得税の減免を申請することができます。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

*認定は障がい者一人につき1台で、軽自動車税の免除との重複申請や営業車の申請は認められません。

⑦ 軽自動車税の免除

以下の障がい種別・等級(程度)の方で、身体障がい者手帳所持者が運転する場合、または介護者が第1種の身体障がい者・知的障がい者と同乗して運転する場合には自動車税と自動車取得税の減免を申請することができます。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

⑧ゴルフ場利用税

障がい者手帳のある方は、ゴルフ場利用税が非課税になります。

*詳細は東京都主税局ホームページで確認ください。

6 少額預金等利子非課税制度

以下に該当される方は、少額預金の利子所得等の非課税制度および少額公債の利子の非課税制 度により、それぞれ 350 万円(合計で700万円)までの元本または額面から生ずる利子等について非課税となります。各金融機関の窓口に申請が必要です。

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(画像は大阪市福祉のあらましより)

まとめ

年金や税控除など普段自分で支払ったり計算していない場合はなかなかややこしいですよね。まず気になった方は役所などの窓口や税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか。

また今回の記事は、大阪市福祉のあらましを参考に作成しました。お住まいの自治体に該当しない場合もありますので、必ず役所や相談支援事業所、福祉協議会や障がい者団体などへ確認してみてください(役所で確認する際は相談の日時や担当の方の名前をメモしておくことをおすすめします、福祉課の職員さん皆が福祉のプロとは限りません)。


参考にしたサイト

大阪市 福祉のあらまし

RepeL



表紙の画像は一般財団法人メルディアより引用しました。