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ヨモギとよもぎ

秋の花粉にやられている

私の場合は、検査したところヨモギに反応しているらしい

スギ花粉の舌下療法のごとく、ヨモギ餅を少量ずつ食べれば解消されるのかと医師にウケ狙いで聞いたところ、「食べてアレルギーが出る例もあるので注意が必要」とまじめに諭され、私はショックを受けた

私は、よもぎとは腐れ縁なのだ

幼稚園の頃、「よもぎだんご」という絵本が大好きだった

採ってきたよもぎから、ばあちゃんがよもぎだんごをつくってくれる過程を丁寧に描いているお話

そのよもぎだんごの絵のおいしそうなことったらないのだ

見た目も、緑色でてかてかしてて、つふつぶしてて特別感を感じさせた

なにより、その辺に生えてそうな苦そうな草から、こんなに美味しそうな食べ物ができる、という奇跡のような事実に当時は感動したものだった

母にせがんで、スーパーで売っているよもぎだんごを食べた時はさらに衝撃を受けた

にがみ=まずい!
だったおこちゃまの常識を覆したのだから

大人のあじ!
と言ったら、母が笑っていたっけ

きっと絵本のばあちゃんが作る手作りのよもぎだんごは、もっと美味しいに違いない

でも、私にとっては、プラスチックの容器に入った二つで100円のよもぎだんごは、最高のご馳走だった

祖母の家の裏山でよもぎが生えているのを知った時は、喜びで絶叫したほどだし(結果、祖母の好みではなく、団子にはならなかったが)

今でもよもぎだんごを見つければ必ず買って食べるほど、愛は続いている

こんなによもぎだんごを愛する私が
アレルギーだなんて、神様は意地悪だ

もしかして、アレルギーの「ヨモギ」と団子になる「よもぎ」は、似て非なるものではないか?
そんな幻想まで抱いたが、そんなわけはない

アレルギーが出る可能性がある、と言われても
鼻水が止まらなくなっても
私はよもぎを嫌いにはなれない

それどころか、障害は、愛を深めた

いつか、ばあちゃんのようなよもぎだんごを手作りしてやるんだからっ!




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