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ブーツが届きました

 昨年の3月ごろ帯広市内のカリフォルニア・ハーベストというセレクトショップで注文をしたものです。気の遠くなるような、永い時間を経て昨日受け取ることができました。
 このブーツのメーカーは『White'sBoots』ホワイツと読みます。今からおよそ百年前にアメリカで立ち上がったシューメーカーで、その丈夫な作りと、様々な特性から瞬く間に評判が上がり、今日まで続く歴史ある靴メーカーの一つになっています。
 皆様が普段お召しになる靴はどんなものでしょうか。この世界には私などより遥かに情熱を持っている方がいらっしゃるので、こういった話題を展開するのに些か抵抗はありますが・・・。7年前の高校を出て間もない頃の私はDCMやワークハンターといって地元のホームセンターで手に入る一年も履いたら壊れてしまい、修復するくらいなら別の靴を買う・・・。といった日々を送っておりました。靴が壊れるたびにそこまで好きな見た目ではないけど、この価格帯でひとまず好みの見た目だしこれにしよ・・・といった気持ちで買っても、一年も履けば何も手入れはしていないクセに壊れたら寂しい気持ちを感じつつゴミ袋へ突っ込んでいたのでした。
 そんな日々を繰り返すこと2年。仕事を変え、我の強いおじさんたちにしごかれながら自分の意思を貫く事と、自分のなかで自信が付き、世界に対する向き合い方を覚えてきた頃、友人ととあるドラマを観ました。
『SUPER NATURAL』この作品の主人公ディーン・ウィンチェスターがたまに着用しているレザージャケットが、とてもカッコよかったのです。

シーズン1以降あまり出番はなかったのですが・・・

お父さんのお下がりという設定のこのジャケットの雰囲気にやられ、僕はスパナチュとレザーの虜になってしまい、翌日地元のブックオフで出会い、安くて見た目も好みだったのが『AERO LEATHER』でした。それからレザーに対する偏見が改まり、愛着を持って接し、傷やシミも味として愛せる。同じ製品でも手入れの仕方や着用の仕方で十人十色の見た目になる。完成している新品の更に先を楽しめる。そのあり方に惚れ、僕はすっかりフェチを患い、また新たなブーツを買うに至ったのです。
 僕は、本当に余計なお世話だとは思うのですが、なんとなく流行りに乗る人種、自分が好きなものをしっかり語れない人種に疑問を感じて生きてきました。
 雑誌やインフルエンサーの言葉に乗るのは楽だし、安定もしています。おそらく本能に起因する部分だとは思うのですが、他人の目を気にせず好きな格好をすればいいのにと思います。とはいえ、この感情の出どころは、街やショッピングモールですれ違う人々の、髪型だったりアウターだったりが、みんなたまたま以前でテレビで見かけた最近の流行と同じだったというだけなのでいささかソースには乏しいかもしれませんが・・・。僕は他人の目が死ぬほど気になります。だからあえてトチ狂った格好をするのが僕なりの抵抗なのだと思います。
 それを持ち、それを持たぬ者。アステカ文明の頃の言葉ではありますが、結構気に入っています。小説テスカトリポカでその言葉を知り、生き方に気をつけようと思ったキッカケです。それとは心臓の事で、そのころの心臓は大変に神聖視されており、神に捧げられるほど神聖な心臓を持ちながら、それを自覚せずなんとなく持ち歩いている者をそう呼んでいました。人間が日々積める事。人によってはとんでもない事を積めたりできますが、生憎僕はビビリで怠惰なので、小さく些細な積み重ねしかできません。本当に些細で恥ずかしくなります。
 
 

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