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当然ですが「日本語の助詞」と「英語の前置詞」は似て非なるものです。わかりやすく説明してみました。

この記事では「日本語の助詞」と「英語の前置詞」はどのように違うかを説明しています。

また前置詞の多くは副詞としても使われることや、前置詞や英単語を覚える時はイメージの力が大切だということも説明しています。

1. 日本語の「助詞」と英語の「前置詞」の違い

まず、日本語の助詞から見ていきましょう。

例文:

毎日 午前7時 朝ご飯 食堂で 家族で 味噌汁 白米 食べる。

では、上の文の助詞の役割を説明いたします。

1 私 = 「は」は文全体の主題を表す為に付けます。主題と動詞の主語(動作主)が 同じであれば「は」を付けます。

2毎日

3 午前7時 = 「に 」は動詞が発生する正確な時間を表す為に付けます。

4 朝ご飯 = 「に 」は動詞の目的を表す為に付けます。

5 食堂で = 「で 」は動詞が発生する場所を表す為に付けます。

6 家族= 「と」は動詞の同伴者(多くの場合は人)を表す為に付けます。

7 箸で = 「で 」は動詞の手段を表す為に付けます。

8 魚 = 「と」は語句とその後に続く語句を並列する為に付けます。

9 味噌汁 = 「と」は語句とその後に続く語句を並列する為に付けます。

10 白米 = 「を」は文の動詞の目的語(「~するモノ」、この文では「食べるモ ノ」)を表す為に付けます。

11 食べる。

上記からもわかるように、日本語の助詞の多くは、その助詞が付いた語句と文末の動詞との関係性を表します。

では、上記の日本語の文を英文で見てみましょう。

例文:

I eat fish, miso soup and white rice with chopsticks with my family in the dini ng room at 7am every morning for breakfast.

では、上の文の前置詞の役割を説明いたします。

1I

2 eat

3 fish,

4 miso soup

5 and white rice

6 with chopsticks = "chopsticks"は手段であるという状況を表す為に"with"を付けます。

7 with my family = "my family"は同伴者であるという状況を表す為に"with"を付けます。

8 in the dining room = "the dining room"は空間であるという状況を表す為に"in"を付けます。

9 at 7am = "7am"は正確な時間であるという状況を表す為に"in"を付けます。

10 every morning

11 for breakfast. = "breakfast"は目的であるという状況を表す為に"for"を付けます。

英語は前置詞が付いた語句が、その文でどんな状況であるかに重きが置かれます。

日本語では、後ろに来る動詞と、その前に来る語句が、どういう関係であるかを考えながら、語句の後に助詞を付けて、文を作ります。

一方、英語では、先に動詞を言って、それから、それに続く語句がどんな状況であるかをイメージしながら、語句の前に前置詞を置いて、文を作ります。

ですから、日本語の助詞と前置詞は似ているようで、違います。

時と場合によっては、英語の前置詞が日本語の助詞に訳せることもありますが(「from」や「than」など)、前置詞と助詞は違うと思ってください。

2. 句動詞の「on」や「off」について

前置詞は、語句が英文の中で、どういう状況かを表すために置く」という考え方は、句動詞を理解するのにも役立ちます。

句動詞というのは「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」の形を取り、まとまって一つの動詞のように機能する句のことです。動詞として取り扱います。

例えば:

Two people got on the bus.
(バスに二人乗った。)

I take off my shoes at home.
(家で靴を脱ぐ。)

などです。上の英文の場合、「get on 」の「on」と「take off」の「off」はどち らも副詞で、「take off」も「get on」も一つの固まった動詞とみなして取り扱います。

そして、以下のように考えます。

get on = "get"に"on"を付けることで、くっ付いた状況を表す。結果、「乗る」となる。

take off = "take"に"off"を付けることで、離れる状況を表す。結果、「脱ぐ」となる。

3. 前置詞や英単語などはイメージで覚える

前置詞は100個以上ありますが、そのうちの半数以上は副詞としても使われます。

「on」「off」「in」「out」「over」「to」「up」など、全て副詞としても使われます。

下記の前置詞で、副詞としても使われるものを確認してみてください。(前置詞や副詞以外の品詞として使われるものもあります。)

前置詞は「中学以上の水準の英語の前置詞一覧」を参考にしました。

品詞の確認は「ウィズダム英和・和英辞典」を行いました。(太字はその語句の主な品詞です。)

1 about
前置詞 副詞 形容詞

2 above
前置詞 副詞 形容詞

3 across
前置詞 副詞

4 after
前置詞 副詞 形容詞 接続詞

5 against
前置詞 副詞

6 along
前置詞 副詞

7 among
前置詞

8 around
前置詞 副詞

9 as
前置詞 副詞 接続詞 代名詞

10 at
前置詞

11 before
前置詞 副詞 接続詞

12 behind
前置詞 副詞 名詞

13 below
前置詞 副詞

14 beside
前置詞

15 between
前置詞 副詞

16 beyond
前置詞 副詞 名詞

17 but
前置詞 副詞 接続詞 代名詞 名詞 動詞

18 by
前置詞 副詞

19 down
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞

20 during
前置詞

21 except
前置詞 接続詞 動詞

22 for
前置詞 接続詞

23 from
前置詞

24 in
前置詞 副詞 形容詞 名詞

25 inside
前置詞 副詞 形容詞 名詞

26 into
前置詞

27 less
前置詞 副詞 形容詞 名詞

28 like
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞 接続詞

29 near
前置詞 副詞 形容詞 動詞

30 of
前置詞

31 off
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞

32 on
前置詞 副詞

33 out
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞

34 outside
前置詞 副詞 形容詞 名詞

35 over
前置詞 副詞

36 past
前置詞 副詞 形容詞 名詞

37 round
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞

38 save
前置詞 動詞

39 since
前置詞 副詞 接続詞

40 than
前置詞 接続詞

41 through
前置詞 副詞 形容詞

42 till
前置詞 接続詞

43 to
前置詞 副詞

44 toward
前置詞 (形容詞)

45 under
前置詞 副詞 形容詞

46 until
前置詞 接続詞

47 up
前置詞 副詞 形容詞 名詞 動詞

48 with
前置詞

49 within
前置詞 副詞 名詞

50 without
前置詞 副詞 名詞 (接続詞)

ですから、「on」「off」「in」「out」「over」「to」「up」など語句は、その 言葉が持つイメージで覚えないと、膨大な数の日本語訳を覚えることになります。

前置詞をイメージで覚えるのは定説です。

ですから、前置詞っぽい(副詞として使 われているかもしれないので)モノが付いている語句を見かけたら、ただ単に日本語訳を覚えるのではなく、その前置詞っぽいものが持つイメージと共に覚えてください。

googleで「前置詞 + イメージ」で検索すると、素晴らしいサイトがたくさん出て きますので、お気に入りを見つけて、しっかり前置詞のイメージを頭に叩き込んでくださいね。

また、前置詞だけでなく、他の語句も、その語句が持つイメージを覚えることが大切です。

そして、英文を読む時も、英単語の持つイメージを頭に思い浮かべながら読むことが大切です。

このイメージする力が付くと、わからない英単語が英文の中に出てきても、その前後に浮かぶ英単語のイメージから、ふんわりとそのわからない英単語のイメージが湧いてくるようになります。

試しに、次の英文を英単語の持つイメージを思い浮かべながら、読んでみましょう。

He didn’t have any shoes on.
(彼を足に何も履いていなかった。)

He = 「かれ」をイメージする。
didn’t have = 「なかった」をイメージする。
any shoes = 「何~」「靴」をイメージする。
on. =「くっ付いている状況」をイメージする。

と頭に描いてみると、自然に「靴を履いていない」ということがわかるのではないでしょうか。

I look forward to speaking with you personally.
(直接お話できることを楽しみにしております。)

I = 「わたし」をイメージする。
look = 「見つめる」をイメージする。
forward =「前に進める状況」をイメージする。
to =「その方向に到着する状況」をイメージする。
speaking = 「話す」をイメージする。
with =「同伴者である状況」をイメージする。
you = 「あなた」をイメージする。
personally = 「個人的に、直接」をイメージする。

「look forward to speaking」は「見つめる」「前に進める状況」「到達する状 況」「話す」という感じで、日本語では「話すのを楽しみにしています。」と訳される理由がわかるのではないでしょうか。

長めの文で練習してみましょう。今回は前置詞っぽいモノに焦点を当てて、イメージしてました。

Dear Staff,
As you may have heard, three colleges in[3次元空間のイメージ] the area will be holding job fairs soon. Our company president has decided to send employees from [源のイメージ] different departments to [到達するイメージ] each of [全体の一部であるいイメージ] them. Here in [3次元空間のイメージ] the IT department, we’ll be sending two employees to [到達するイメージ] the West University Career Fair in [3次元空間のイメージ] Petersburg. We’re going to [到達するイメージ] that one because many students there study computer engineering.
The fair will be held on [表面についているイメージ] February 24, which means we will only have about one month to prepare. As the fair will be on [表面についているイメージ] a Saturday, you can either take an extra day off [離れているイメージ]during [継続しているイメージ] the following week or apply for [目標に向かっているイメー ジ] overtime pay. Either way, you should speak to [到達するイメージ] Ms. Jones on [表面についているイメージ] the second floor to get your weekend work or overtime applications. These should be submitted at least one week before [〜の前であるイメージ] the fair.
Please think about whether or not you want to take part in [3次元空間のイメージ] the fair. I’ll talk about it again in [3次元空間のイメージ] more detail at [点であるイメージ] our department meeting on [表面についているイメージ] Wednesday, and we can decide who will go then, too. The two employees and I will have an extra meeting on [表面についているイメージ] Friday morning to get started on [表面についているイメージ] preparing materials for [目標に向かっているイメー ジ] the fair. Please reply to [到達するイメージ] this e-mail by [その辺りであるイメー ジ] 5 p.m. on [表面についているイメージ] Tuesday if you’re interested.
All the best,
Stan Finley, IT Department Manager, TechBiz

「英検2級 2023年度 第3回より」https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2023-3-1ji-2kyu.pdf

英単語の知識を問う問題では、意味をしっかり覚えておく必要がありますが、会話や長文などではこのイメージする力が非常に重要になります。

ですから、英語を勉強する時は、このイメージの力を大切にしてください。

因みにイメージがしにくい英単語ですが、まずその英単語で短文を作ります。それから、その短文全体のイメージを覚えます。そうすると、その英単語に対するイメージ力が付きます。

<終わり>

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