音楽で心が動く時

音楽ストリーミングサービス「Spotify」で2019年の「My Top Songs」というプレイリストが生成されている。おそらく再生回数で上位からまとめているのだろう。僕のプレイリストには100曲が登録されている。

自分のプレイリストの上位で特筆すべきは、ノルウェーのアーティスト、オーロラだろう。上位10曲の中に彼女の楽曲が3曲も入っていた。映画「アナ雪2」の楽曲「Into The Unknown」にもフィーチャーされているが、彼女の歌声、楽曲に一瞬にして心を動かされた記憶がある。リリース当時聴きまくっていたのだろう。実は、仕事で彼女のインタビューと生歌を聞く機会に恵まれた。音源で聞く以上に心を動かされた。さらにインタビューでのトークもキュートで、魅力的だった。(このインタビューと歌はJ-WAVEの番組「STEP ONE」でオンエアされたので聞いた方もいるのではないだろうか。)

そして、今日は、シンガーソングライターの畠山美由紀さんと短い時間ではあったがご一緒する機会があった。お名前、歌声はもちろん知っていたが直接お会いするのは初めて。マイクとヘッドフォンを通して聞く彼女の声(歌ではなくトークだが)は、柔らかく温かみを帯びて、そして力強いものだった。特に彼女の笑い声は、聞いているだけで不思議と聞いている側も笑顔になってしまう、不思議な魅力を持っていた。

そんな畠山美由紀さんは、宮城県気仙沼出身。2011年3月11日、東日本大震災で大きな被害を受けた町の一つだ。そんな震災を受けて生まれた彼女の曲が「美しきわが故郷よ」だ。

心を動かされる、というか揺さぶられるような曲だ。メジャー調で進んだ楽曲が、彼女のファルセット共に一気にマイナー調に持って行かれた瞬間、揺さぶられる。あと3ヶ月で、あれから9年が経つのだ。

震災、音楽で自分の中で思い浮かぶのが、浜田真理子の「のこされし者のうた」だ。

初めて聞いたのは、アニメ「伏 鉄砲娘の捕物帳」のエンディングだったかと思う。楽曲自体は1998年にリリースされた彼女のデビューアルバムに収録されていたものということだ。ピアノと歌だけのシンプルな構成の曲。

東日本大震災のあと、その被害を伝える様々な動画がYouTube上にアップされていたが、その中に、この曲を使い、写真のスライド動画がアップされていた。そこには、震災によって被害を受けた街や、行方不明になった家族を探しているのだろうか、現地の人たちの姿などが映されていた。ショッキングであると同時に、亡くなった人への想いが込み上げて、心を動かされた。

数年前、叔父が他界した。身近な親類でこの世を去ったのは祖父母以来だろうか。葬儀の数日後、この曲を思い出した。

悲しみ、喜び。きっと2020年もいろんな感情が去来するのだろう。そんな心を動かす音楽にも出会えることを願って。


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