馬鹿だと思われるような話
私は変わり者でしょう。
前世を探究するために、はるばるチェコを訪れるなんて。
でも、無謀な旅はしなかったつもりです。
仮説を立て、その根拠を入念に調べ上げ、検証のためのプランAとプランBを用意し、万全の態勢で臨んだ旅行でした。
仮説のための前提:
私の前世は15世紀のチェコに生きていて、幼少期の数年を「リーズンブルク城」で過ごした。
名をアレシュという。
アレシュはほどなくして養子に出されたため、実の両親とは数年しか暮らせなかった。
仮説:
リーズンブルク城に実際に行ってみれば、両親の霊に会えるかもしれない。
仮説の根拠:
リーズンブルク家の家系図を発見。
それによるとアレシュの両親はいるものの、直感的に「これは義理の両親で、家系図上の叔父・叔母夫婦が本当の両親なのではないか」と思う。
その家系図に付属している解説文を翻訳してみると、アレシュについての記述を発見。
1417年に、アレシュは叔父の家の養子となる。(アレシュ27歳のとき)
それは、叔父が危篤となり、叔父夫婦には子がなかったためである。親戚の家から養子をとり、それを後継者にするというものだった。
しかしなぜアレシュが選ばれたのかという疑問が起こるが、『もともとアレシュは叔父とされる人物の実子だった』と考えると辻褄が合う。
検証のためのプランA:
占い師R先生の力を借り、アレシュの両親の霊と直接打ち合わせをした。
その結果、「リーズンブルク城跡のホテルに泊まれば、その夜の夢の中で会える」とのこと。
よって、夢で会うというのをプランAとした。
検証のためのプランB:
もし、夢で会えなかったり、夢の内容を覚えていなかった場合、それ以外の方法で両親の霊の存在を感知することはできないか、とR先生に問う。
すると、R先生は「そのお城跡には『あずまや』みたいなものはありますか?そこを待ち合わせ場所にしましょう。太郎さんがそこへ辿り着いたとき、二羽の鳥を飛ばします。その鳥を見つけたら、ご両親がいるというしるしです。」
と言う。
また、両親からのリクエストで、何か「自然に還るもの」を供えてほしい、とのことだった。
結果:
・リーズンブルク城跡のホテルで、夢ではなく意識のあるうちに両親の存在を感じた。
・次の日、城跡の遺跡を散策していると「屋根つきの井戸」を発見。そのとき、太郎の上空を二羽の鳥が飛んでいくのを目撃する。
霊視であずまやだと思われたものは、実際は屋根付き井戸だったということだ。
残念ながらこのときは両親の気配などを感じることはできなかったが、「居る」と信じることはできた。
井戸の近くの道端に、薔薇の花束を供える。
心残りは、花束をくくっていた輪ゴムを外して来なかったことだ。
いつか再びその地を訪れたら、輪ゴムを回収しよう。
今回の検証は、私が全面的にR先生を信頼している、というものが根底にあった。
なので、ちかいうちにR先生に報告しに行こうと思う。
馬鹿だと思われる根拠:
荷物がこれだけだったこと
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